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【姫路】存在しないはずのものが見える!?「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」

「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」が開催中です。12月3日(日)まで

1千年の歴史を刻む名刹「書写山 圓教寺」にチームラボを招聘した展覧会「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」が開催中です。12月3日(日)まで。 姫路市立美術館主催で開催中の「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」の一環で、2023年度はチームラボによるデジタルアートが楽しめます。 書写山圓教寺でチームラボが見せてくれる光のアート。「存在とは何か」を問う、不思議な光の世界を体験してみてください。

チームラボが書写山にやってきた

2019年の姫路市立美術館リニューアル記念で開催されたチームラボの展覧会を覚えている人も多いのではないでしょうか。

チームラボは、国際的に活動を展開しているアートコレクティブ(アーティストの集団)。あらゆる次元においてボーダレスな世界観を追求し、近年は「生命とは何か?」「存在とは何か?」といった大きな問いをテーマに制作に取り組まれています。
特に今回の展示発表によると「物質的には存在しないはずの光の形や輝きが、環境と認知の作用によって現象として生みだされる」という、チームラボだから表現できる作品になっています。

書写山圓教寺

会場となる書写山圓教寺は、第141代住職・大樹玄承(おおきけんじょう)さんも「総合芸術の聖地」と提唱する建築や美術が混在する場所。1千年以上の歴史あるこの場所で、チームラボから投げかけられる問いに、私たちはどう思いを巡らせるのか。目に見るものだけがすべてではない、光の世界に飛び込んでみましょう。

舞台は書写山圓教寺食堂

今回、「作品展示は美術館などで行うもの」という概念を越え、姫路市立美術館と書写山圓教寺が共に取り組んだ企画。2021年度から4カ年にわたり展開する「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」の主要事業のひとつになっています。

三之堂。右から大講堂、食堂、常行堂がコの字に並んでいる
三之堂。右から大講堂、食堂、常行堂がコの字に並んでいる

舞台は、平安時代から1千余年の歴史を刻む名刹・書写山圓教寺にある食堂(じきどう)。書写山圓教寺を代表する景観「三之堂(みつのどう)」(国指定重要文化財)のひとつで、修行僧が生活した、いわば学生寮です。

現在は、訪れた人が写経などをする場として、1階部分の蔀戸(しとみど)が開け放たれた状態(外側や内側に上げ、釣り金具に固定)を目にすることが多いですが、今回の企画では閉じられた状態です。一体、中はどうなっているのか、気になるところです。

ちなみに、開催期間中の写経場所は三之堂のひとつ常行堂になります。正面に大講堂を見ながらの写経も、また違った感覚で取り組めるのではないでしょうか。

気になる展示内容

展示というと、会場内を歩きながら鑑賞するものをイメージしますが、今回の展示は、ほとんど歩きません。目と頭と心と、もうひとつ何か別の感覚で見る展示といったところでしょうか。

食堂内には靴を脱いであがります。会場内はとても暗いので、目が慣れるまでは、1歩を踏み出すのも怖いくらいです。足元や周囲に十分注意しながら鑑賞しましょう。

展示は2つあります。

「質量のない太陽、歪んだ空間(2023年チームラボ)」

最初に目にする作品は「質量のない太陽、歪んだ空間(2023年 チームラボ)」。
四角い枠の中に白い球体。まわりには、オレンジ色のオーラのような光がスクリーンに映っているように見えますが、スクリーンは存在しません。中空に、光の球体が大きさを変えながら浮いています。物理の法則上では、光が自ら塊になって浮かぶという、通常では考えられない現象です。写真に撮っても平面的にしか映りませんが、ゆっくりと動きながら見ると球体であることがわかります。

「我々の中にある巨大火花(2022年チームラボ)」

もうひとつの作品は「我々の中にある巨大火花(2022年 チームラボ)」。
初めは、赤い点にしか見えないものが、時間が経つと無数の線が集まった球体のように見え始めます。人によって見えるようになる時間(10分〜15分の場合も)、見え方も違うという不思議な展示です。
光は途中で止まらないので、光の線の集合が球体になるはずはありません。物理上は存在しないはずのものが、認知上としてはっきりと存在するという不思議さ。
「本当は初めから見えているはず。人は見ている世界を全て認知しているわけではなく、認知している世界だけを見ている(チームラボ代表・猪子氏の言葉)」といい、一度認知してしまえば、常に見えるようになるそうです。


光の球が浮いて見え、赤い大きな球体が見えれば、それは認知している世界が広がったということ。そういう意味では、今回の展示で、認知する瞬間を体験できるわけです。
とにかく不思議です。事前に情報を知らずに見に行くと、何も気がつかないかも知れません。それは、認知している世界だけを見ているから。新たな自分への扉を開いてみましょう。

書写山「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」へのアクセス

書写山ロープウェイ

書写山 圓教寺へは、歩いて山登りすることもできますが、書写山ロープウェイがおすすめです。
山麓駅から山上駅まで約4分間。視界が大きく広がる客車で空の旅が楽しめます。
書写山ロープウェイ料金 大人片道600円、往復1,000円(小学生半額)。

入山の際には、志納金500円が必要になります。
山上駅から摩尼殿までは、マイクロバスを運行(特別志納金500円・往復)。歩く場合は、片道約1キロ、15~25分の距離です。

仁王門。秋の伊呂波紅葉も美しいが新緑は清々しい
仁王門。秋の伊呂波紅葉も美しいが新緑は清々しい

途中、西国三十三観音像を配置した参道や仁王門などがあります。
摩尼殿から会場となる食堂がある三之堂までは、徒歩約10分です。

写真右がバス停、奥にロープウェイ乗り場がある
写真右がバス停、奥にロープウェイ乗り場がある

神姫バスなら、姫路駅バスターミナル10番のりばから「書写ロープウェイ行」に乗り、終点で下車(約30分)すれば、書写山ロープウェイ山麓駅はすぐ目の前です。
姫路駅からのバス料金と書写ロープウェイの料金がセットになった「書写山ロープウェイ セット券」もあります。往復で大人1,420円(小学生710円)。神姫バス姫路駅前案内所で購入できます。

姫路観光で泊まりの人には、書写山ロープウェイ往復乗車券と姫路城ループバス乗車券の各1回利用分が付いた「しろのまちめぐり2DAYきっぷ」がおすすめです。大人1,600円(小学生800円)。詳しくは、神姫バス公式サイト( https://www.shinkibus.co.jp/ )を参照ください。

この機会に書写山 で「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」を体験してはいかがでしょうか。

(ライター  塚本隆司)

※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」

開催日程2023年4月29日(土・祝)〜12月3日(日)
会場時間10:00〜15:45(最終入場は15:30)
休業日会期中無休(天候により中止になる場合あり)
観覧料一般500円、大学生・高校生200円、中学生・小学生100円、未就学児無料 
(入山時に別途志納金500円、中高生以下無料)
場所書写山圓教寺 食堂(国指定重要文化財)
住所兵庫県姫路市書写2968
アクセス車 神戸方面からは中地ランプより20分
(カーナビは、書写の里美術工芸館で検索することをおすすめします)
神姫バス 姫路駅バスターミナル10番のりばから
「書写ロープウェイ行」で終点下車(約30分)、書写山ロープウェイ山麓駅すぐ
駐車場あり(無料)
公式サイトhttps://www.city.himeji.lg.jp/art/

ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)

姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。

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