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淡路島に来たら買って帰りたい
純国産鶏「もみじ」と「さくら」の卵

『北坂養鶏場』

淡路市育波にある『北坂養鶏場』は、「イロドリはぐくむ」をテーマに「もみじ」「さくら」という日本のにわとりを育て、そのにわとりが産む卵を販売しています。島内はもちろん、兵庫県一円から大阪市まで卵を届けています。7年前に直売所をオープンし、売ることと同様、伝えることの大切さを知ったという代表の北坂勝さんに話をお伺いしました。

『北坂養鶏場』が大切にしていること

コンテナを活用したおしゃれな雰囲気の直売所
コンテナを活用したおしゃれな雰囲気の直売所

『北坂養鶏場』は、神戸淡路鳴門自動車道北淡ICから車で3分ほどの、緑がいっぱいで豊かな自然に囲まれた場所にあります。赤いコンテナを活用した直売所は、おしゃれな雰囲気です。

羽根の色がまったく違う「もみじ」(左)と「さくら」
羽根の色がまったく違う「もみじ」(左)と「さくら」

『北坂養鶏場』の創業は50年以上前ですが、現・代表の北坂勝さんが17年前にお父様から事業を引き継ぎました。この養鶏場の最大の特徴は、国内では4%程度しかいない日本のにわとりを育てているところ。総数12~13万羽のうち、もみじ色の殻をした卵を産む「淡路島もみじ」は生食におすすめで全体の1割、さくら色の殻をした卵を産む「淡路島さくら」は加工向きで全体の9割だそう。
生命をより自然に育みたいという思いから、飼料は遺伝組み換えでない自然のトウモロコシと糠をベースにした発酵飼料を使っています。給食に手作りの一品をプラスしています。また鶏はひよこから育てています。「当たり前のことと思っていますが、ニッチなことやっています」と北坂さん。
『北坂養鶏場』では毎日朝採りしています。とれたての卵はすぐに梱包場でパックに詰められ、直売所で販売します。

直売所のなかをご案内

『北坂養鶏場』
『さくらMS(20個入り)』(500円)『もみじMS(20個入り)』(550円)『6個入り』(350円)

こぢんまりとした店内には、中心に卵売り場があります。かごに入っていたり、箱に入っていたり、専用の紙パックに入っていたり、いずれも卵の色や大きさがよくわかるような陳列です。
ファーマーズマーケットなどに出店する時も、ざるや木箱に盛って、卵そのまんまを見てもらうそうです。「生き物を育てて、世界に1個しかない卵をお届けしているという想いからなんです」と北坂さんは話します。

サイズが分かるように陳列
サイズが分かるように陳列

スーパーマーケットで売っているような透明のパックでは、平面的で卵の大きさの違いが判らないので、SS~3Lを立体的に並べています。興味を持ってもらえるきっかけづくりとして展示しているそう。確かに、こうして見てみると、SSと3Lではずいぶん大きさに違いがありますよね。

『たまごまるごとプリン』(1個300円、箱入り4個・1,080円)
『たまごまるごとプリン』(1個300円、箱入り4個・1,080円)

冷蔵庫の中には『たまごまるごとプリン』があります。このプリンとっても不思議で、卵の殻を割らずに作ったスイーツなんです。中身だけシェイクして蒸し上げているので、卵100%。見た目は本当にただの卵ですが、開くと中身はまるでプリン。専用シロップをかけるとプリンのようにいただけます。「調味料を何も入れていないので、温泉卵とかゆで卵の感覚。スイーツというよりお惣菜かも。これをプリンとして販売しているのがおもしろいところですね」

「キトサカプロジェクト」の商品
「キトサカプロジェクト」の商品

店内では、バッヂやステッカーなど、ポップでかわいらしいデザインのグッズも販売しています。実は2020年に鳥インフルエンザで大変だった時があり、友人アーティストやデザイナーたちによる「キトサカプロジェクト」が立ち上がり、鶏がいなくなった養鶏場を盛り上げる活動が繰り広げられたとのこと。
いろいろな想いやストーリーが詰まった空間だということがわかります。

伝えることの大切さを実感

代表の北坂勝さん
代表の北坂勝さん

『北坂養鶏場』では、昔から「おおさかパルコープ」の商品として「淡路島さくら」を供給しています。コープの組合員が産地見学に来た時に、商品に興味を持ってもらい、いろいろな質問に答えるなかで、「卵って毎日のように食べているのに、意外と知らないことが多い。我々の常識は一般の方は知らないことが多いんだ」ということに気づきました。見学に来た組合員からの質問に答えることを繰り返していくうちに「伝えることの大切さ」を痛感したとか。
直売所を作ったのもその一環でした。以前は養鶏場の一角で、卵を販売していて、近所の人が買いに来る程度だったそうです。直売所を作ることで北坂養鶏場のことを知り、もっと広範囲からお客さんが訪れるようになりました。

パンフレットやフリーペーパー
パンフレットやフリーペーパー

こちら、『北坂養鶏場』のパンフレットやフリーペーパーです。とってもおしゃれでしょう。

ロゴマーク

ロゴマークは、にわとりの羽根をモチーフにして人の手を表現しています。円は、日本のにわとりを育てているので、日本の和や人の輪を示したもの。それを聞くとロゴマークがより輝く気がします。
ブランディングのきっかけは、出入りの看板屋の息子さんに情報発信について相談したことからでした。「デザイナーの彼は、何がしたい?何が必要?と、今まで考えなかったことを引き出してくれて、名刺の意味、ロゴマークやリーフレットの大切さに気づきました。伝えるアイテムとして、一つずつ作っていっています」と。
イベントや直売所で買ってもらうのがゴールではなく、にわとりってどんな人が育てていて、何を食べて育っているとか、卵の裏側に興味を持ってもらう、背景に触れてもらうことがゴールだとも。

今後の展開って?

熱い思いを話す北坂さん
熱い思いを話す北坂さん

今後の展開について北坂さんにお伺いしました。
まずは「鶏糞の栄養を海に還元する活動をしたい」と。今、海の栄養が少なくなっています。安価な鶏糞で栄養を海に返していくことはできないかと考えています。「試験的に完熟したものを使いやすい形にして海に入れます。必要なものとして循環できればいいなと思っています」。これはパルコープの組合員が産地見学に来た時に、感じた手応えだったそうです。多くの人が鶏糞に関心を持っていたことがわかりました。現在手がけている「島の土」の活動ともつながります。「島の土」とは、淡路島で育てた家畜の糞や野菜のクズをきちんと処理して作った有機肥料のシリーズで、『北坂養鶏場』では「発酵鶏糞」を製造しています。
そして、「クラウドファンディングを駆使して平飼い小屋を作ること」。それも数千羽、数万羽の規模で、“にわとりを飼っている感”がでるものを作りたいとか。
どちらも近い将来に実現しそうです。

「淡路島もみじ」(左)と「淡路島さくら」
「淡路島もみじ」(左)と「淡路島さくら」

最後に、北坂さんが好きな卵料理を尋ねました。答えは「目玉焼き」。ほぼ毎日、ごはんとみそ汁と目玉焼きを食べ、たまに温泉卵で卵かけごはんをするそう。
「淡路島もみじ」と「淡路島さくら」、割ってみるともみじの方が、やや黄身が濃厚です。どちらも鮮度抜群なので、私は卵かけごはんにしていただきました。甲乙つけがたいおいしさでした。直売所に行くのが一番のおすすめですが、物理的、時間的に無理な場合は、島内7カ所に自動販売機があるので、そちらの利用も便利です。

島内の自動販売機の場所はこちら
島内の自動販売機の場所はこちら

(ライター 歌見)

※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

北坂養鶏場/北坂たまご

住所兵庫県淡路市育波1115-1
電話番号0799-70-7267
営業時間10:00~16:00
定休日無休
アクセス神戸淡路鳴門自動車道北淡ICより車で3分
駐車場5台
HPhttps://kitasaka.net/
SNShttps://www.facebook.com/kitasaka.net/
https://www.instagram.com/k_chokubai/
歌見さん

ライター 歌見(うたみ)

晴れの国・岡山出身で、20代半ばで兵庫県赤穂市に移住。ライターという天職を見つけ、赤穂市内にとどまらず、兵庫五国くまなく回ることができました。五国それぞれに、独特の食文化があり、うまい酒があり…。食いしん坊の私を心身ともに潤してくれます。兵庫県の“間違いない”「食」や「人」や「イイもの」に関わる記事をお届けできたらと思っています。

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