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「人が集まる場所を作りたい」とオープン
はじける笑顔がとってもステキな店主の山内拓也さん。丹波市出身で、ホテルオークラなどで腕を磨いた料理人です。2021年、縁あって奥さまの故郷の宍粟市に家族で移住しました。
「人が集まる場所を作りたい」と同年11月に、オレンジのコンテナを使ってサンドイッチ専門店を自宅の一角にオープン。人気が人気を呼んで、たくさんのお客さんが来店して手狭になり、2022年、今の場所に移転オープンしました。
移転先は、県道26号(宍粟新宮線)沿いで御名交差点の近く。中国自動車道山崎ICからも車で5分という好立地で、ホームセンターなどもあるわかりやすい場所です。約400坪という広大な広っぱに、複合遊具や砂場、ドラム缶や電線ドラムのテーブルが置かれ、子どもじゃなくてもウキウキするような楽しい場所として定着。
子どもを遊ばせながらサンドイッチを食べるファミリーも多く、わざわざ阪神間や愛知、和歌山などから、この店を目当てに来る人もいるそうです。「宍粟はあまり子どもたちの遊び場がないので、ぽっかり空いた休日の想い出を作りに来てほしい」と山内さんは話します。
サンドイッチのラインナップを紹介
メニューは、季節商品も含め5種類ほど。パンは、宍粟市内の就労支援事業所で焼いてもらっているオリジナル食パン、野菜や果物は宍粟市産のものを中心に使っています。アイテム別にそれぞれ下処理をしています。また卵は、卵一筋40年という地元の「かじもとさんの卵」を使っています。
ダントツ一番人気の『野菜ゴロゴロサンド』です。こちらTVやラジオ、雑誌などいろいろなメディアにも取り上げられた商品。野菜はニンジン、レタス、カボチャ、紫キャベツなど10種類以上使い、断面がカラフルでかわいい、どこにもないサンドイッチです。
女子に人気の『エビマヨのサンド』は暑い日でもよく売れる商品。しっかりエビが入っていて高級感がありますよね。
鶏モモ肉が一枚入ったボリューム満点の『てりやきのサンド』は秋からの商品。夏には特製レモンソースでさっぱりとした味わいの『塩レモンチキン』750円になります。
厚切りベーコンと卵とのハーモニーが絶妙で、幅広い年代から人気です。
『フルーツサンド』は、季節の果物やイベントによって内容が変わります。5月末までは宍粟のイチゴ農家のイチゴを使用し、夏はシャインマスカットを試作中だとか。もうデビューしているころかもしれませんね。
どれも特徴があり、それしか食べないファンもいるそうです。「週に3~4回来るご近所のシニアのご夫婦は、毎回、厚切りベーコンとたまごのサンドを買って、夕食に二人で1ピースずつ食べるらしい。そんなお客さんもうれしいですね」と山内さん。そのほか、店長の気まぐれで、「ローストビーフ」や「生姜焼き」などが登場することもあるとか。
ドリンクも人気
最近デビューしたばかりで、大人気の『飲む!珈琲ゼリー』は、山内さんが「好きすぎて毎日飲んでいる」商品。ゼリーと牛乳のバランスに注力し、あえてコーヒーゼリーのゴロゴロ感を残したそう。ドリンクというよりはデザートに近い一品です。
『フルーツティー』は凍らせたラズベリー、ブルーベリー、パイナップル入りのレモンティです。フルーツからの甘さが絶妙で人気の一杯です。
イベントで登場する『いちごミルク』も好評。たっぷりイチゴを使ったこちらの商品、宍粟市のイベントで用意した200杯が、あっという間に完売したそう。果実感があって人気の訳が分かります。
月ごとのクイズやコンテナの裏にも遊びゴコロたっぷり
商品をオーダーして、できあがりを待つ間、ブザーとクイズシートが渡されます。シートには、中学入試問題を中心に出題したクイズ「店長からの挑戦状」が載っています。待っているお客さんが退屈そうに見えたので、その間挑戦してもらえたらと考えたサービス。1~2か月に1回出して、今、9号目が出ていますが、これを楽しみに来る人も。
また、オレンジのコンテナの裏側にも注目。メッセージを自由に書き込めるように、油性マジックも置かれています。「この場所での休日を楽しんでほしい。思い出を残せるようメッセージを書いてもらったら」と。思い思いのメッセージが書かれたコンテナから、お客さんの笑顔が浮かぶようです。
地域を元気にするさまざまな活動も
山内さんは同時進行で、地域を活性化する活動も行っています。
2022年、2023年の年1回、自由な発想で企画し、地域を元気にする「しそう元気げんき大作戦」の事業として「子どもだけのフリーマーケット」を主催しました。これは文字通り、当日の店の運営はもちろん、準備の段階から、小・中学生の子どもたちだけでするイベントです。京都芸術大学、教員をめざす姫路大学教育学部の学生らとコラボして開催。ルール説明などは学生が担当し、大人はそっと見守るだけ。このイベントが大盛況だったそう。店舗によって売るものはさまざま。家にある不用品を売ったり、景品を仕入れてくじびきをしたり、わなげやサイコロのゲームをしたり、アクセサリーを作ったり…。各ブースで工夫をして自分のお店を盛り上げていたとか。「出店料はあえていただきました。呼びかけも自分で行ない、売れなかったらセット売りしたり、値引きしたり、それぞれが工夫していました」と山内さん。「宍粟は遊ぶところが少ないからうれしい」と大人からも子どもからも好評だったこのイベントを核として、YAMASANDの「子どもの遊び場事業」を進めていくそうです。
また「夢を実現する人のサポートをしたい」「雇用を増やしたい」「介護事業にも参入 したい」「頑張っている人をつなげる活動をしたい」と、山内さんの挑戦はとどまるとこ ろを知りません。今後の活躍にも乞うご期待を。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
YAMASAND
住所 | 兵庫県宍粟市山崎町御名140 |
電話番号 | 090-9546-6981 |
営業時間 | 平日10:00~15:00 土・日曜、祝日9:00~15:00 |
定休日 | 月曜 |
アクセス | 神姫バス「城下」バス停下車徒歩4分 中国自動車道山崎ICより車で5分 |
駐車場 | 20台 |
SNS | https://www.instagram.com/sandwich__factory_shiso/?hl=ja |
ライター 歌見(うたみ)
晴れの国・岡山出身で、20代半ばで兵庫県赤穂市に移住。ライターという天職を見つけ、赤穂市内にとどまらず、兵庫五国くまなく回ることができました。五国それぞれに、独特の食文化があり、うまい酒があり…。食いしん坊の私を心身ともに潤してくれます。兵庫県の“間違いない”「食」や「人」や「イイもの」に関わる記事をお届けできたらと思っています。