10月6日(月)、北播磨フィールドパビリオン魅力体験バスツアーの第四弾として、「酒米の王様・山田錦」をテーマにした一日ツアーが開催されました。ものづくりと酒文化が交差する現場をめぐり、自ら錫の酒器をつくり、その器で地元の銘酒を味わう。添乗員として同行した私は、参加者の皆さんとともに、秋の田園が黄金色に揺れる中で“日本酒と人の物語”を体感してきました。
ツアーの幕開けは、加東市の「神結(かみむすび)酒造」。
明治創業の蔵内には、芳醇な香りと静謐な空気が満ちていました。長谷川社長の解説を受けながら、発酵タンクを見る参加者の表情は真剣そのもの。試飲では山田錦の旨味をダイレクトに味わう贅沢なひととき。
「普段飲むお酒とまるで違う」「香りが華やかで飲みやすい」との声が上がり、参加者同士で味の違いを語り合う姿が印象的でした。
次に訪れたのは、小野市の「株式会社藤原」。ここでは、指導を受けながら“錫のぐい呑み”づくりに挑戦しました。金属特有の冷たさと柔らかさ、刻印を打ち込む音、光を反射する艶。五感を刺激する体験に、皆さん夢中に。
完成した酒器は世界にひとつだけの作品。参加者からは「自宅で使うのが楽しみ」「思い出として一生残る」と笑顔が広がりました。
ものづくりの現場に宿る緊張感と温もりが共存する、印象的な時間でした。
錫の酒器づくりの後は、山田錦の特A地区・田園の中で、この日だけの特別ステージを設け昼食タイム。
一面に揺れる黄金の稲穂を眺めながら、この村で醸された日本酒の飲み比べを実施。
また冷たいままで飲んでいただきたいとケグ酒でご用意しました!
竹皮に包まれたお弁当とともに、自然と発酵の恵みを味わう贅沢なひとときでした。
「天気にも恵まれた最高の一日でした」「なかなか飲めないケグ酒が美味しかった」といった感想が寄せられ、皆さんの満足度も非常に高いご様子。
心地よい秋風の中、静かな幸福感が漂っていました。
最後に訪れたのは、小野市「JIMOTO select いちいち」。
北播磨のクラフトや食品を集めたセレクトショップでは、地元の味や手仕事に触れながら、旅の締めくくりの買い物タイム。
錫の酒器や日本酒にぴったりな器を探す方も多く、「この地域の“ものづくりの美意識”が詰まっている」との声も聞かれました。
今回のツアーは、北播磨が誇る「酒米・山田錦」の文化を、“見て・作って・味わう”三拍子で堪能できる一日となりました。
参加者からは「天気にも恵まれ最高の一日」「食事もおいしく、なかなか飲めないケグ酒を体験できて良かった」「錫の酒器を家で使うのが楽しみ」といった喜びの声が。
添乗員としても、穏やかな田園の中で笑顔が絶えなかったこのツアーは、まさに“北播磨の秋”を体現した時間でした。
五感すべてで地域を味わうプレミアムな旅。
この一杯が、これからも北播磨の誇りを伝えてくれると信じています。