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指先に、新年への祈りを込めて。–山田錦の藁でつくる、自分だけの手づくり「しめ飾り」。

はじめに
「コトのしおり」はLocalprimeが企画・主催したイベントの様子をお伝えするコラムです。
2024年12月27日に開催されたTravel Labのワークショップは、その名の通り一年を締めくくるにふさわしい「しめ飾りづくり」。
しめ飾りは、新年の神様=歳神様をお迎えするための清めと祈りの象徴として受け継がれてきた日本の文化です。
講師はフラワーデザイナーとして活動するle petit bonheur(ル・プティ・ボヌール)の上田さん。従来の形式にこだわらず、和洋折衷織り込んだ自由な雰囲気のしめ飾りづくりがモットーです。


はじまりのことば
ちからも願いも、全力で藁に込める。
ワークショップは、藁(わら)を木槌でたたいて柔らかくするところから始まりました。
現代社会では普段なかなか藁に触れる機会がないため、上田さんから「霧吹きで湿らせてから藁をたたくとより扱いやすくなります。」など、藁の性質についての説明がありました。
藁の香りが立ち込める中、下準備が完了したら、いよいよ藁を綯う(なう)=編む工程に入ります。藁を綯う作業は、新年への祈りや願いを込める作業でもあります。昔の人はこの藁を綯う作業を足も使って一人でおこなっていましたが、慣れていないと難しいため2人1組で作業します。
藁は、神様に捧げるときは「左綯い」、それ以外は「右綯い」で綯うとのこと。今回は相手と向かい合って綯うので、完成した時に左上になるよう右の縄を上側にして綯って(なって)いきます。参加者はそれぞれ来年への願いを込めながら、呪文のように「右、右、右・・・」とつぶやいて綯っていきます。藁がほどけないよう力を入れることに集中していると、左右どちらを上にして綯っていいか忘れてしまうことも。「あれ?先生、どっちが上でしたっけ?」という声が飛び交いながら、和気あいあいとしめ飾りのわっかの部分を作っていきます。


にぎわいのこえ
願いの数だけ、いろどりをのせて。
しめ縄のわっかができたら、植物や木の実などを自由に飾り付けていきます。しっかりと固定しつつも見栄えのいいワイヤーの止め方や、植物に関する豆知識を上田さんに習いつつ、ワークショップは終盤に。出来上がった人から順に、世界に一つだけのマイ・オリジナルしめ飾りと一緒に写真を撮りました。上田さんの的確なアドバイスと皆様の作品に懸ける熱意により、驚くほどセンスよくプロのような仕上がりに。
飾る日のアドバイスや、片付ける時期の目安の説明を受けてワークショップは終了です。



あとがき
自分自身の手の中で生まれたしめ縄飾りは、想いもひとしお。参加者の皆様は自分と家族の健康や幸せを願って作ったとおっしゃっていました。
年末の忙しい時期にも関わらずご参加いただきました皆様、イベント開催にご協力いただいたle petit bonheurの上田様、誠にありがとうございました。
2025年はきっと、いい年になると思います。
Localprimeでは今回のようなシーズナルなイベントや、気軽に日本文化を学べるワークショップ、地元兵庫ならではのイベントなど、ここでしか体験できないこだわりの詰まった企画を随時開催しています。
どうぞお見逃しなく。


※本記事は取材時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
Travel・Lab(トラベルラボ)
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定休日 | 年末年始、お盆期間 |
アクセス | JR姫路駅から徒歩2分・山陽姫路駅から徒歩3分 |
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