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【コトのしおり】 2025. 1.26日(日)体調・体質に合わせたオリジナル薬膳茶作り-冬-
さあ「おまもり」を、飲もう。

はじめに
「コトのしおり」はLocalprimeが企画・主催したイベントの様子をお伝えするコラムです。
2025年1月26日に開催されたTravel Labのワークショップは、自分自身の体調を見つめなおしたい人にぴったりの「体調・体質に合わせたオリジナル薬膳茶作り-冬-」です。講師は薬膳教室 華-Yakuzenの代表で、薬膳料理家の華尾さん。「おいしくて、続けられる薬膳」をモットーに、誰でも楽しく手軽に始められる薬膳の普及に尽力しています。
今回体験する「薬膳茶」は日常に取り入れやすく、初心者でも手軽に薬膳を始められるのが魅力。奥深い薬膳の世界を、薬膳茶からのぞいてみましょう。


はじまりのことば
「とりあえず、薬膳茶」でいいんです。
薬膳は「薬」という文字が入っているため、どうしても漢方のような薬独特の味がすると思われがち。でも実は、スーパーマーケットで手に入る食材が多く使われることもあり、食べやすいんです。華尾さん曰く「手軽に手に入る食材で作れるので、そのときの自分の体調に合った『献立』のようなものだと思っていただければ」とのこと。
薬膳はもともと中国伝統の「中医学」の考えがベースになっていますが、日本人の骨格や性質にあわせて独自に発展してきました。
中医学の考え方には「整体観念」「薬食同源」「未病先坊」の3つの柱があります。「整体観念」とは、人間は自然界の一部であり、季節の移ろいとともに人間の体調も変化するという考えです。「薬食同源」とは、薬も食事も根本的な源は同じで、人の健康を維持するためのものだという考え方。「未病先坊」とは、病気が発生する前に体質を見ながら対応していく「予防医学」という中医学独特の考え方です。中医学をはじめとする東洋医学はからだの「ちょっとした不調」に役立つことが多い。だからこそ西洋医学と東洋医学、それぞれのいいとこ取りをして長生きの時代のヒントにしていただけたら、と華尾さん。
華尾さんオリジナルのテキストを用いた専門的な解説に、参加者の皆さんは真剣に聞き入っていました。
難しく考えず、気軽に、気楽に。薬膳茶をもっとカジュアルに取り入れてみたらいいそうです。


にぎわいのこえ
なつめ、ジャスミン、クコの実、ジンジャー。
ぜんぶ、わたしの味方でした。
中医学における内臓と感情の相関関係、四季に応じたおすすめのお茶の解説などを聞いた後、ワークショップはいよいよ自分の体調にあった薬膳茶を見つけるための「セルフチェック診断」へと進みます。
まずは最近2~3日の自分の体調にあてはまる項目をチェック。食材グループの中から今の自分に最適な食材を見極めていきます。「陳皮はからだの気を巡らせて、イライラを落ち着かせるんですよ。」「はとむぎは、からだのいらないものを排出して、巡りをよくしてくれるの。」など、華尾さんのアドバイスに皆さん興味津々。自身の診断結果と今の自分が取りたい素材を照らし合わせながら、和気あいあいと食材を選んでいきます。
調合した食材にお湯やお茶を注いで、自分だけのオリジナル薬膳茶の完成です。なつめや木の実、ジンジャーなどの香りが立ち込めて、こころもからだもリラックスできる気分です。
オリジナルの薬膳サブレといっしょに、いただきます。



あとがき
参加者の皆さんは、「とにかくおいしかった。薬膳は苦いと思っていたけれど、おいしく飲めたのがうれしかった。」「薬膳は薬というイメージだったけど、身近な食材なんだと知ることができた。知識が広がった。」「身近な素材で作れるから、今後も続けられそうです。」など、敷居の高かった薬膳が、ぐっと身近になったようです。
今日の自分と対話しながら、つくって、食すもの。薬膳茶って「飲むおまもり」なんだと思います。
参加いただきました皆様、イベント開催にご協力いただいた薬膳教室 華-Yakuzen華尾さん、ありがとうございました。
Localprimeでは今回のような普段なかなか触れることのない分野のイベントや、気軽に日本文化を学べるワークショップ、地元兵庫ならではのイベントなど、ここでしか体験できないこだわりの詰まった企画を随時開催しています。
どうぞお見逃しなく。


※本記事は取材時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。