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【山田錦にふれるツアー2024①】山田錦発祥のまち多可町「田植え編」リポート

「山田錦発祥のまちで田植え体験2024」

兵庫県の多可町「山田錦発祥のまち」。まちの誇りである山田錦に親しんでもらおうと2024年6月9日(日)、「山田錦発祥のまちで田植え体験2024」が開催されました。神姫バスでは、この日に合わせ神戸・三ノ宮発でバスツアーを催行。多可町のグルメやまちの魅力を体験していただきました。

10月中旬には「稲刈り編」、翌年2月には「味わう編(日本酒フェスタ)」へと続く第1弾。田植え&グルメなツアーの様子を紹介します。

日本一の酒米「山田錦」発祥のまち多可町

山田錦

「日本一の酒造好適米」といわれる「山田錦(やまだにしき)」。その山田錦の発祥のまちが多可町です。1877(明治10)年に多可町(当時:東安田村)の豪農・山田勢三郎翁が自身の水田で「ひときわ大きな粒を付けた稲穂」を見つけ培養し「山田穂(やまだほ)」と命名。酒米としての評判は上々、酒造家の間に一気に広がりました。

「山田錦」の誕生は1936(昭和11)年。兵庫県農業試験場が「山田穂」と「短稈渡舟(たんかんわたりぶね)」という品種を掛け合わせて作りました。「山田穂」が母となり誕生したことから多可町は「山田錦発祥のまち」と宣言しています。2024年は山田錦誕生から88年。まさに「米寿」の年にあたります。

今回、山田錦の田植え体験をおこなったのは多可町中区坂本。山田錦の生産に最適の土壌や気象条件を備えたうえ、農家や酒造会社と一緒に品質の向上に努めてきた地区。日本一といわれる山田錦のなかでも最高峰の品質を誇る地域です。

今や日本酒は海外でも大人気。2025年に開催される「大阪・関西万博」を契機に、兵庫県の取り組みを国内外に発信する取り組み「ひょうごフィールドパビリオン」では『日本一の酒米「山田錦」発祥のまちゴールデンプロジェクト』として、山田錦の素晴らしさと日本酒をはじめとする関連商品をPRしているところです。

山田錦発祥のまちで田植え体験2024

山田錦の田植えが始まるのは、この梅雨の季節。20年以上前から「山田錦発祥のまちで田植え体験」として、田植え神事や田植えの体験会が開かれています。

【2024.6.9(日)】※開催終了|「山田錦発祥のまち」多可町で田植え体験

今回「山田錦発祥のまちで田植え体験2024」は2024年6月9日(日)に開催。多可町のホームページやSNSなどで告知され、地元や近隣地域の人ら約150名が参加。神姫バスでも「『山田錦発祥のまち』で田植え体験2024バスツアー」として、田植え体験を盛り込んだツアーを催行しました。
希望者には、早乙女衣装を貸し出す体験会ですが、人気で数が足りないほどだったそうです。

「山田錦発祥のまち〜日本酒で乾杯〜多可町」と書かれたおそろいの法被を着た関係者らの挨拶の後、この地区をはじめ周辺地域の守り神として親しまれている糀屋稲荷神社の宮司による神事が始まります。

今回は「2024 Miss SAKE 兵庫」の阿江春果(あえ はるか)さんが参加。厳かに神事が行われた後、体験会が行われる田んぼに移動します。

お祓いで清めていただいたら、田植えの始まりです。

まずは記念撮影。

田植え方法のレクチャーを受けます。「わかったかな?」の声に子どもたちが元気に「はい!」と応えるものの本当なのか半信半疑。周りの大人の方が不安げです。

いよいよ田植え体験。田んぼの畦に一列に並んで始めます。

長靴やサンダルでは土に足をとられてしまうため、ほとんどの人が裸足。足が土に潜り込むヌルリとした感触。大人も子どもも思わず声がでてしまいます。小さいなお子様には初めての土の感触になじめず、泣き出してしまう子もいて、賑やかにスタートです。

「山田錦発祥のまちで田植え体験2024」

ロープが張ってある範囲をレクチャーされた間隔で苗を植えていきます。進んでいくのは、後ろ向き。そうしないと、植えた苗を踏んでしまいます。中腰での作業。土の中から出てくるミミズたち。初めての人には大変ですが、田んぼの中ほどまで植え終わった頃には、動きも慣れてくるようです。

関係者によると今年は優秀な人ばかりとのこと。例年は途中で飽きてしまって泥んこ遊びに夢中になる子どもたちがいて、見ている方はおもしろいのですが田んぼの管理をされる農家さんは大変だったそうです。

ちなみに、田植え体験会は雨天決行。昨年は台風が近づく中で開催(さすがに荒天は中止)されました。農家さんにとっては恵みの雨とはいえ、ご苦労の多い作業に頭が下がります。

田植え体験は、最後まで順調に進んだため1時間ほどで終了。体験会が終わった田んぼは、後で農家さんたちが状況を確認し、ところどころ直して生育を待つことになります。秋には黄金色の穂に覆い尽くされることでしょう。

体験会後は山田錦を使ったうどんが疲れた体にやさしく染み入ります。山田錦のうどんは、小麦のうどんに比べ、もっちりとした食感。山田錦の米粉入りドーナツもお土産にいただきました。
また、地元坂本地区の皆さんからのおもてなしで地域の野菜を使った料理や手作りデザートの振る舞い、ヒマワリの苗の配布などもあり、皆さんひと仕事終えたあとの充実感と地域の人とふれあう時間を楽しみました。

多可町のいいところが詰まった昼食

バスツアーの参加者は会場を後にして、昼食場所となる「Stay×TAKA門前」さんへ。
運営するのは、多可町で古民家再生や移住サポートなどをおこなっている「一般社団法人 紡」。訪問した1棟貸しの古民家「Stay×TAKA門前」は、民泊やレンタルキッチン、自主飲食事業として手がける「紡食堂 monzen(ランチ営業)」、「紡酒場 monzen(居酒屋営業)」などで使われています。
ひょうごフィールドパビリオンにも「古民家ステイを伴った農業及び森林体験ツアー」が登録認定されており、多可町の魅力発見の滞在拠点としても注目です。

ランチをいただく店内は、古民家をそのまま利用。懐かしい祖父母の家そのものです。

食後にはドリンクと金ゴマサブレが付く
食後にはドリンクと金ゴマサブレが付く

この日のメニューは、メイン料理に「播州百日どり」を使ったモモ肉のロースト。「播州百日どり」とは、一般的な肉用鶏が45〜50日かけて育てられるところ、自然に近い環境でじっくり100日ほどかけて育てられた銘柄鶏。運動量が豊富なので弾力ある肉質とうま味がピークに達するまで育てられた美味しさが魅力です。「ひょうごフィールドパビリオン」に登録認定されている『多可のデリシャスフード』の代表的な食材で、鶏肉のコンテストでも最優秀賞を受賞しています。

添えられた焼野菜は、地元農家が有機農法で栽培したものばかり。ひとつひとつの味が濃くしっかりとした味わいです。他にも白ご飯には、昔ながらの塩だけで漬け込んだ梅干しを刻んだものが混ぜ合わせたもの。みそ汁は自家製味噌で、地元の食材をおいしく調理された心も和む料理でした。

食事をいただいた部屋から、古民家の裏側に出ると開放的でステキなウッドテラス。ワークショップを開催して制作した手作りです。

おくどさん(かまど)も作られ、ピザ窯もあります。ランチでいただいた野菜などは、このピザ窯でローストされたものでした。
さまざまなワークショップが開かれていて、古民家暮らしに憧れを感じる人には気になる場所ではないでしょうか。

憧れといえば、もうひとつ。夜になればキッチンスペースは、「紡酒場 monzen」になります。オシャレなカウンター席、テーブル席があります。
宿泊者と地元の人たちが集い語らいの場ともなるこの空間。ちょっと、訪れてみたくなります。

「一般社団法人 紡」の活動に古民家再生と移住サポートがあります。古民家再生は、この「Stay×TAKA門前」に訪れればわかりますし、移住についてもさまざまな相談に乗ってもらえます。この事業に取り組んだのは2017年からで、移住者の定着率も高いとのこと。理想と現実のギャップに一緒に向き合ってくれるからだと感じます。

一般社団法人 紡

住所兵庫県多可郡多可町中区門前333-2(Stay×TAKA門前)
電話番号080-4334-2990
アクセス神姫バス門前バス停から徒歩8分
駐車場
HPhttps://takatsumugi.com
SNShttps://www.instagram.com/taka_tsumugi_/

山田錦に触れるツアー2024「田植え編」を終えて

ツアーの最後は、お買い物スポット「道の駅 山田錦発祥のまち・多可」に立ち寄りました。
日本一の酒米「山田錦」発祥のまちにある道の駅ですから、日本酒はもちろん、山田錦の米粉を使ったスイーツ、酒粕を使った奈良漬けなどの他、「播州百日どり」関連商品、地元野菜、メダカなどが販売されています。
特に日本酒は、多可町ゆかりの酒蔵ばかり。このツアーの参加者は日本酒好きが多く、ついつい買ってしまったようです。

山田錦に触れるツアー2024は、10月中旬には「稲刈り編」、翌年2月には「味わう編(日本酒フェスタ)」へと続きます。募集時は、多可町やローカルプライムの公式サイト、SNSで情報を発信していますので気になる人は、ぜひチェックしてください。

(ライター 塚本隆司)

※本記事は2024年6月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

道の駅 山田錦発祥のまち・多可

住所兵庫県多可郡多可町中区岸上281-1
営業時間3月〜10月 9時30分~17時30分、11月〜2月 9時~17時
休業日年末年始(12/29~1/3)
駐車場あり(無料)
HP道の駅「山田錦発祥のまち・多可」

ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)

姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。

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