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昭和の雰囲気を残しながらステキにリノベーション
「ほたるの宿」は、「洲本レトロこみち」の北のエリアにある一棟貸しの宿。レトロこみちの道沿いより少し奥まっていますが、赤い鳥居のお稲荷さんが目印なので、すぐわかります。駐車場はレトロこみち沿いにあります。
入り口はこんな感じ。「ザ・昭和」の懐かしさが漂います。
なかに入ると昭和感は払拭され、1階は、キッチン、ダイニング、リビングを備えた清潔感あふれる空間になっています。
キッチンには、冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、IHコンロ、コーヒーメーカー、電気ポットなどが備えられ、調理器具や食器類も一通りそろっています。
一棟5人定員ということで、食器類はすべて5客そろっています。
ウェルカムのお茶とお菓子が用意され、気持ち的にもほっと和みます。荷物を持ち込んで、とりあえずはお茶を入れて、ほっとひといき。
リビングは淡路島の海を意識しているのでしょうか、入り口の藍染カーテンをはじめ、ソファなどインテリアはブルーを基調にすっきりとまとめています。
2階はこんな感じ。2間続きの和室と、もう一部屋小部屋があります。
襖も障子も床の間も懐かしくて、ちょっとおばあちゃんの家に帰ってきたような感じにもなりますよね。
新設の洗面台と昔からある衝立が上手に同居しています。
「洲本レトロこみち」行ってみよう
チェックインをしてひといきついたので、「洲本レトロこみち」に行ってみることに。
なんと、こみち内の何店舗かで使える割引券も付いていて、なんだか得した気分。
「よ~~し、レトロこみちを満喫するぞ~~~」と早速出かけました。
「洲本レトロこみち」は、洲本城の麓から南北に約350mつづく小さな通り。飲食店や雑貨店など、少し離れた店も含め、約30店が組合に加盟しています。
レトロという名前にふさわしく、なんとなく懐かしい昭和感漂う町並みです。
まずは、遅めのランチということで、「ぴかいちこみち」さんへ。昔ながらの中華そば、うまし。4人で餃子や焼きそばなどを頼んで、大満足。
レトロこみちは、広い通りではないし、長屋風に店が並んでいたりするので、気軽に入れるのがうれしくて、雑貨屋さん、和菓子屋さん、いろいろ立ち寄りました。
サンドイッチ屋さんがあったので、翌朝食べるパンを予約して、散策の帰り道に寄ることに。
「ほたるの宿」にキッチン設備が整っているので、夕食は、ショッピングセンターで食材を買ってきて、作るのもありですが、一緒に行った仲間たちは、日ごろからご飯を毎日作っている主婦や飲食店のオーナー。「せめて、旅行に行ったときくらい上げ膳、据え膳で食べたいよね」と、淡路の海の幸を満喫できるお店「海晴(みはる)」さんへ。季節の海の幸をたらふくいただいて、宿に帰りました。
レトロこみちは、そのほかにも、ロシア料理、フレンチ、イタリアン、バルなどお店は多彩なので、店飲みはもちろん、テイクアウトで家飲みならぬ宿飲みを楽しむのもいいですね。
淡路にまつわるいろいろがいっぱい
リビングには、淡路島のガイドブックをはじめいろいろなものが置かれています。 ラックの上段では、淡路を拠点にして活動するアーティストの作品をさりげなく紹介しています。
「すもと歴史かるた」や「淡路弁まんが読本」など、家族で淡路や洲本を楽しめるような小道具も置かれています。そのほか、オセロゲームや将棋板など、ボードゲームもあるので、利用するのもいいでしょう。
「ほたるの宿」の使い勝手のよさは、利用の仕方が自在なところ。外食でも自炊でもOK。BBQセットのレンタルもできるのでそれもありがたい感じ。料金的にも5名定員で1泊約30,000円(料金は予約サイトや時期により異なる)とリーズナブルで、連泊割もあってお得感があります。昭和の雰囲気も残っているので、旅に出ているのに懐かしさあふれる日常感を味わえるところ。まだまだ、いろいろな活用の仕方がありそうだなと思いました。
「ほたるの宿」を拠点に新しい旅の提案も
「ほたるの宿」がオープンしたのは2020年のこと。オーナーは「洲本レトロこみち」で「こみち食堂」の経営や地域おこしの活動をしている野口純子さんで、当初は簡易民泊施設として開業しました。
現在、野口さんの片腕となり、宿の管理やネットの運営などマネジメント全般を担っているのは、中国出身の葛さん(愛称エミさん)です。エミさんは、洲本市の地域おこし協力隊の一員に選ばれ、洲本での居住地を探す合間に数日間、ほたるの宿に泊まったことがきっかけで野口さんと出会います。地域を盛り上げたいという野口さんの思いに強く共感したエミさんは、「はたるの宿」のマネジメントに本腰を入れることにしたそうです。
エミさんのデザインで、当初小部屋が多かった1階を開放感あふれるワンルームのLDKへ、またバスルームにも脱衣所を作るなど、本格的にリノベーションしました。また、エミさんが淡路島の移住者との関わりの中で出会ったアーティストの作品も置くことにしました。光るホタルをイメージした藍染カーテンは近所の藍染工房へ発注したもの、淡路島の竹資源を活用している活動家・井上善人さんの作品も玄関周りに置いてあります。
その後、隣接してコワーキングスペースも整備し、2022年2月にリニューアルオープンしたのです。現在、ほたるの宿は、香港、台湾、フランスなど外国からの宿泊客も多い人気の宿となっています。また国内のファミリー層にも評判で、昨年の8月はほぼ満室だったそう。
エミさんは、2023年6月に、地域のよさを伝える観光関係の会社を立ち上げました。観光ツアーの企画や、インバウンドのプロモーション、中高生の教育ツアーなどを企画していくそうです。「ディープな洲本や淡路を体験してもらうツアーやワークショップも提案します。学生さんや外国人、プチ移住の方などにも来てもらいたい。新しい旅の方法になると思います」とエミさん。
「ほたるの宿」に泊まって、レトロこみちを散策するだけでなく、次回はエミさんのツアーに参加して、いろいろな体験をしてみたいと思いました。
※本記事は2023年9月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
ほたるの宿
住所 | 兵庫県洲本市栄町2-1-10 |
電話番号 | 090-5167-6988、080-5738-4340 |
営業時間 | チェックイン15:00、チェックアウト11:00 |
定休日 | 不定休 |
アクセス | 神姫バス 神戸三宮バスターミナルより高速バスで約1時間30分、 洲本バスセンターで下車し徒歩8分 神戸淡路鳴門自動車道淡路島中央スマートICより11分、洲本ICより12分 |
駐車場 | 1台 |
SNS | https://www.instagram.com/hotarunoyado_sumoto/ |
ライター 歌見(うたみ)
晴れの国・岡山出身で、20代半ばで兵庫県赤穂市に移住。ライターという天職を見つけ、赤穂市内にとどまらず、兵庫五国くまなく回ることができました。五国それぞれに、独特の食文化があり、うまい酒があり…。食いしん坊の私を心身ともに潤してくれます。兵庫県の“間違いない”「食」や「人」や「イイもの」に関わる記事をお届けできたらと思っています。