いよいよ桜の季節。有名なスポットからゆったり静かに見られるところまで、兵庫県内おすすめの「桜が映える景色」

丹波篠山市を源流に、兵庫県の東部を流れ下る武庫川。下流域では宝塚市を抜けて、尼崎市、西宮市の間を通って大阪湾に注いでいます。平成3年度から平成12年度にかけて、兵庫県は、瀬戸内海から日本海を結ぶ延長約170kmの河川沿い（武庫川～篠山川～加古川上流～円山川）を約5万本の桜でつなぐ「ふるさと桜づつみ回廊」を整備したのですが、そのおかげで今こうして武庫川沿いの桜を楽しむことができるのですね。

西宮でもっとも有名な桜の名所は、夙川ではないでしょうか。川沿いの緑地公園には桜並木が続いていて、多くの花見客でにぎわいます。南から阪神、JR、阪急の三つの線路を横切って、およそ2.8kmにわたって見事な桜の道が続いています。

阪神甲子園球場から南へ1.5kmほど。浜甲子園運動公園の多目的グラウンドにある堤の上は、ちょっとした桜の穴場スポットです。普段は立入できない場所なのですが、桜の季節だけ時間を決めて開放されます。あまり知られていない場所なので、ゆっくりと落ち着いて桜を楽しむことができます。

これも普段は立入できない場所ですが、武庫川女子大学の付属中高の学校内が、桜の季節の春休みに限って一般に開放されることがあります。学校の敷地の周囲にメタセコイヤの並木を整備するなど、武庫川女子大学はこのエリアの景観を美しく保ってくれているなあと、地元民の筆者は感じます。もしも開放されている時に当たったら幸運です、ぜひ一度入ってみてください。

西宮の南、海に面した西宮浜マリナパークの桜並木は、南の端が広い芝生の公園になっていて、晴れた日にはお弁当を広げるファミリーでにぎわいます。近くには「太平洋ひとりぼっち」で有名な海洋冒険家・堀江謙一氏の母港、新西宮ヨットハーバーもあって、素敵な海辺の景色が広がります。

ここもちょっとした穴場スポット。これほどたくさんの枝垂れ桜が見られるところはなかなか無いと思います。駐車場が狭いのが残念ですが、一見の価値ありです。周囲には武庫川の桜堤も続いていますし、ハイキングがてらに訪れるのも良いかもしれません。

三田市の酒井地区、道路沿いに広がるのどかな山里の風景に思わず立ち止まって写真を撮りました。桜の季節、まさに平和で心が和む景色です。いわゆる桜の名所とは違うかも知れませんが、心に残るワンシーンでした。

篠山市の当野地区は、武庫川沿いに続く桜堤が美しいことで有名です。特になにも無い場所なのですが、それがまたいいのです。その場に居るだけで幸せな気分になれます。バイクツーリングやサイクリングにも最適かも知れません。

言わずと知れた桜の名所です。まず間違いなく、素晴らしい桜の景色が楽しめます。それなりに人は多いですが、平日だったらそんなに「混雑」というほどのこともありません。丹波篠山市の中心エリアですから、周囲には飲食のお店も多いですし、土産物屋さんもたくさんあります。誰にでもお勧めできるスポットです

北谷川の桜堤は、ウォーキングコースとして整備されています。実は筆者はバイクで行ったのですが、このコースに乗り入れて良いのかどうかわからなかったので、近くに止めて写真を撮っていました。ちょっと歩いてみるつもりが、意外と橋がないので、元の場所に戻るのにものすごく歩いてしまいました。途中、白鷺が目の前に降りてきたり、期せずしてなかなかいい感じのウォーキングになりました。特になにも無いところですが、のどかで美しい景色はふんだんにあります。

最後にご紹介するのは須磨浦公園です。海岸沿いの駐車場からロープウェーに乗って、さらに昭和ロマン漂うカーレーターに乗り継ぎます。カーレーターは、かつてはサンケイバレイ（びわこバレイ）にもありましたが、昭和の時代にもう廃止されたので、今ではここが全国唯一です。定評あるその乗り心地の悪さを満喫しながら山上へ上がると、明石海峡の絶景をバックに見事な桜が楽しめます。有名なスポットで、穴場ではまったくありませんが、しかし今一度見直してみると改めてその魅力にはまりそうな、ポテンシャルの高い桜スポットです。