『プラトン装飾美術館』は、もともと1915（大正4）年にアボイ氏の自邸として建てられた邸宅。現在は、家具や調度品、絵画、彫刻など18世紀から19世紀の骨董美術品が展示されている美術館としてオープンしています。

この施設の最大の特徴は、実際にオーナー家族が住んでおられるという点です。人が住んでいる公開異人館は、北野異人館街でもここだけ。案内役のメイドさんたちも、オーナー家族のもとで実際に働いていている本物のメイドさんだというのですから驚きです。

そんな『プラトン装飾美術館』には、館内のいたるところに美しい美術品が展示されており、貴族の邸宅を訪れたかのような、うっとりとする空間が広がっています。ミレーやルソーといった有名画家の絵画、ロダンやクローディオンの彫刻など、美麗な品々がずらりと並ぶ館内は圧巻。どこを撮っても絵になります。

1階にある食堂のテーブルは季節に合わせた豪華なテーブルセッティングが行われており、とっても素敵。閉館後にはオーナー家族が食事をしたり、ゲストを招いて食事会をすることもあるそうです。また、ルネッサンス様式の彫刻が施された家具も存在感たっぷり。棚に並ぶ銀食器やデミタスカップのコレクションも、じっくりと見てください。

つづいて、2階へ上がりましょう。2階にはパウダールームと寝室、書斎、リビングがあります。どのお部屋もオシャレで、素敵なアンティークの品々が並ぶ素敵な空間。思わず写真を撮らずにはいられません。

こちらは「シノワズリー風の書斎」で、主に明時代の家具や調度品が展示されています。「シノワズリー」とは、ヨーロッパの貴族やお金持ちの間で流行った中国風デザインのこと。

食後にお茶を飲む場として利用されていたリビングにも、中国を思わせる調度品が飾られています。

2フロアー下りて地下室へ。地下室には18世紀、ナポレオン時代のブランデーや、約500本のワインが収蔵されているワインセラー、純金の王冠など希少な展示品も。

館内を見学中は、終始「素敵！」と思わず声が出てしまうほど美しい品々への賞賛が止まりません。案内役のメイドさんのお話にじっくりと耳を傾けながら、館内見学をたっぷりと楽しんでくださいね。

館内見学だけでも見ごたえ十分の『プラトン装飾美術館』ですが、施設を訪れたらぜひ立ち寄ってほしいのがカフェです。土・日曜、祝日限定の営業で、場所はプールの見えるガーデンテラス。オーナー夫人の手作りケーキや焼き菓子などのスイーツ、紅茶やコーヒーといったドリンクをいただけます。

カフェで人気の『クッキーセット』（1,300円）は、本日のクッキーとドリンクのセット。セットドリンクは、コーヒーと紅茶、ジンジャーエール、オレンジジュースから選ぶことができます。

また、こちらの『カフェ・アフォガード』（900円）も人気メニューのひとつ。バニラアイスに温かいエスプレッソコーヒーを注ぎ、香りづけにブランデーをかけて食べるイタリアのデザートです。

ほろ苦いエスプレッソの風味と、冷たいバニラアイスの甘味が絶妙にマッチして上品な味わいに。お庭を眺めながら、お茶を楽しむ時間はなんとも贅沢です。優雅なひとときを過ごしたいひとは、ぜひどうぞ。

なお、クッキーなどの焼き菓子はテイクアウトも可能。来館記念のお土産に買って帰るのもおすすめです。

『プラトン装飾美術館』があるのは、新幹線・地下鉄新神戸駅から徒歩10分ほどのところ。シティーループを利用すれば、北野異人館停留所から徒歩5分です。シティーループは神戸の主要な観光スポットをめぐる周遊バスなので、神戸観光をするときにおすすめ。バスの乗り方や、乗り場、お得な乗車券などについてはHPで紹介しています。

参考：シティーループ神戸観光周遊バス

駐車場はありません。車の場合は、近隣のコインパーキングを利用しましょう。

まるで別世界に来たかのような空間が広がっている『プラトン装飾美術館』。数々の美術品が並び、豪華な館内は、季節によって内装も変わるため、何度訪れても楽しめるでしょう。アンティークが好きなひとや、映えるスポットにおでかけしたいひとに、ぜひおすすめしたい施設です。

（ライター　中田／ウエストプラン）