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「国宝と坐る」―心を整える、早朝座禅体験

通常は早朝6時から3日間にわたって行われる鶴林寺の座禅を、今回は「朝7時・1日完結」として実施。LocalPrime主催の特別企画として、無理なく参加できる形で開催しました。その様子をお届けします。

仁王門で迎える、静かな朝のはじまり

8月下旬の朝6時50分。涼しい風が漂う国宝・鶴林寺の仁王門前で、ご住職と企画者の長谷川が参加者を出迎えます。正門をくぐると、自然と心が落ち着き、これから始まる座禅への期待が高まります。静けさが背中を押してくれる、そんな朝でした。

初めてでも安心、姿勢と呼吸の基本

まずは本堂へ。吉田住職が、座禅の姿勢や体への効能についてやさしく解説してくれます。座禅用の座布団「座蒲(ざふ)」の使い方や、長時間・短時間に応じた無理のない座り方も教えていただき、初めての方でも安心して臨めました。

最初は約10分。呼吸に合わせて「一、二、三…十」と心の中で数え、また一から繰り返します。この“数える”所作が、集中をやさしく支えてくれるのだそうです。

続いて本番、約30分の座禅へ。呼吸を整え静けさに身をゆだねると、小鳥の声や風の音、遠くの車音までもが鮮明に聞こえてきます。五感が少しずつ研ぎ澄まされ、日常の慌ただしさに気づく時間になりました。

座禅で用いられる棒「警策」についても学びました。体のこわばりにほどよい刺激を与え、姿勢と呼吸を整えるための道具です。宗派やお寺によって使い方は異なりますが、今回は希望者が合掌で合図し、軽く打っていただく形式。背景を知ることで、これまで見えていなかった世界がまた広がった気がしました。

座禅を終えたあとは、吉田住職に特別に国宝・太子堂へ案内いただきました。通常は非公開の日も多いだけに、貴重な機会です。締めくくりは鶴林寺宝物館。撮影は不可でしたが、飛鳥期作と伝わる聖観音立像(別名「あいたた観音」)など、多くの文化財を拝観しました。2025年11月末までの展示もあり、短時間ながら学びの濃い時間となりました。

早朝からご参加いただいた皆さま、そして刀田山鶴林寺の皆さまに心より感謝申し上げます。

(編集部 長谷川)

※本記事は取材時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

「国宝と坐る」ー心を整える、早朝座禅体験

記事先鶴林寺
住所〒675-0031 兵庫県加古川市加古川町北在家424
電話番号079-454-7053
営業時間9:00~17:00
URLhttps://www.kakurinji.or.jp/
アクセス▽ 電車・バスの場合
JR 「加古川」 駅より かこバス8分、徒歩15分
かこバス「別府海洋センター行」鶴林寺バス停より徒歩1分
山陽電鉄 「尾上の松」 より徒歩15分
▽ バスの場合
加古川バイパス 加古川ランプから10分。
山陽自動車道 三木小野インターから30分。
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