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旧大沢郵便局舎をリノベーション
神戸市北区大沢。「おおぞう」とはなかなか読めない字名の地域にあるカフェは、昭和11(1936)年に建った旧大沢郵便局舎をリノベーションしたお店です。オープンしたのは2014年のことでした。店主の前田隆成さんは、北新地でレストランバーを経営していましたが、50歳を過ぎて転身しました。もともと食道楽で、いろいろなお店に食べに行くのが好き。その記録も兼ねて2004年頃からブログを始めました。「カフェができたらいいな~」と思っていましたが、最初は自宅がある三田や丹波篠山で探していたそう。加西にも候補物件がありましたが話が進まなかったとか。2013年11月にこの建物に出合ってからは、同年末で北新地のバーも閉め、カフェオープンに向けてとんとん拍子に話が進んだそうです。
1936(昭和11)年に建てられ、40年ほど前までは使っていた建物ですが、なかはかなり荒れていて、当初、奥さんの明子さんからは大反対されたそうです。「なんとかなるやろ」と夫婦2人でセルフビルドし、テーブルや椅子も全部DIYしました。
細かく区切られていた部屋は、ワンフロアにすることも考えたそうですが、敢えて昔のままの雰囲気を残しました。座席数は店内が20席で、テラスにも12席あります。
人気のテラス席です。こちらのテーブルとチェアも手作りです。のどかな田園風景を眺めながら、おいしい料理やカフェメニューを楽しむことができます。
店主の前田隆成さんと奥さまの明子さんです。
左手のドアがかつての郵便局の玄関で、カウンターをはさんで手前が局員事務スペースです。当初はこのドアを店の入り口にして奥に厨房を作ろうとしたそうですが、逆転の発想で、郵便局のお客様が利用していたロビー部分を厨房として改装。裏を入口にしました。
今、厨房として使っているロビーの一番右側のスペースにあった「電話室」。そのドアは、裏の入り口近くにあるトイレのドアとして活用しました。また、窓口取り扱い時間が書かれたボードや、当時使われていた書類も、そのまま残しています。懐かしさを誘いますよね。
月替わりのランチコースが人気
洋食のシェフだった前田さんが作るランチコースは1種類のみで1,850円。月替わりのこのコースが人気で、毎月食べにくる常連さんもたくさんいます。
トマトのジュレ、レバーのパテ、オニオントーストの3種盛りは、アルコールを頼みたくなるようなラインナップ。どれもやさしい味でとてもおいしいです。
きのこのスープです。ベーコン、えのきだけ、しめじが入ったクリームベースのスープです。
名前通り、色彩豊かで野菜がたっぷり。この日も、なす、ズッキーニ、大根、パブリカ、ニンジン、トマト、カブなど12種類もの野菜が使われていました。芋の仲間のヤーコンって初めて食べましたよ。なすを生で食べるのも初めて。これって野菜が新鮮だからこそ、ですよね。醤油ベースの自家製のドレッシングも美味で、野菜のおいしさを実感できました。
そしてメインディッシュの「特製ハンバーグデミグラスソース」です。肉は柔らかくてジューシーさもあります。本格的なのに、どこか懐かしい味なのは、この雰囲気だから?お茶碗に盛られたご飯もとってもおいしくてお代わりしたくなりました。メインディッシュのレパートリーは、舌平目のムニエル、グラタン、ドリア、ハッシュドビーフ、白身魚のポワレなど多彩で、肉と魚を交互に出すようにしているそうです。
地元の野菜や自家製の野菜をメインに使って、丁寧に手作りしているのが、大きな特徴のコースです。「毎月来てくれて1年間パーフェクトの方もいらっしゃいますよ」と前田さん。ランチコースは限定20食で予約が確実です。オプションでドリンクやスイーツを 付けることもできます。
スイーツメニューも食べて帰りたい
奥さまの明子さんが担当するスイーツメニューも人気です。『デザートプレート』は、ブリュレ、パウンドケーキ、豆乳レアチーズの3種盛りで、こちらも甘さ控えめでほっとするような味わい。
季節ごとのフルーツをトッピングする『季節のタルト』。取材時はイチゴのタルトで、近隣のイチゴを使用して作っています。コーヒーは自家焙煎珈琲キャビンのオリジナルブレンドで、たっぷり2杯ほど入りそうな大きなカップで提供しています。
畑でとれた赤しそで作ったシロップは、冷凍保存しているので、こちらのメニューは年中提供が可能です。甘さ控えめでさっぱりしていて飲みやすい人気メニューです。
おいしい野菜や米を販売
裏の入り口から入ってすぐのスペースには、近隣のおいしい野菜や料理で提供する米などを販売しています。
会計するスペース横にも、手作りの加工品や自家製ドレッシングなどを並べています。食べなくてもおいしいことが伝わるような品々です。
お客様が作ってくれた、カトラリーレストや箸置き、コースターなどもステキだし、みんなに愛されている店というのがよく分かりますよね。素材や料理のおいしさはもちろん、店主夫妻のお人柄、建物が持つ懐かしさや居心地の良さ、田園風景が広がる周りの風景もひっくるめて、すべてがこの店の魅力になっています。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年6月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
kobe ozo cafe 901
住所 | 兵庫県神戸市北区大沢町中大沢901 |
電話番号 | 078-223-7678 |
営業時間 | 11:00~17:00 |
定休日 | 木・金曜 |
アクセス | 六甲北有料道路大沢ICより車で約7分 |
駐車場 | 7台 |
HP | http://blog.livedoor.jp/kobeozocafe901/ |
SNS | https://www.instagram.com/kobeozocafe901/ |
ライター 歌見(うたみ)
晴れの国・岡山出身で、20代半ばで兵庫県赤穂市に移住。ライターという天職を見つけ、赤穂市内にとどまらず、兵庫五国くまなく回ることができました。五国それぞれに、独特の食文化があり、うまい酒があり…。食いしん坊の私を心身ともに潤してくれます。兵庫県の“間違いない”「食」や「人」や「イイもの」に関わる記事をお届けできたらと思っています。