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【東条川疏水2025③】夏休み限定!ドキドキわくわく「鴨川ダム親子探検隊」(同行レポ)

【東条川疏水2025③】夏休み限定!ドキドキわくわく「鴨川ダム親子探検隊」(同行レポ)

子どもたちにとって楽しかった夏休みの終わりが近づく2025年8月28日(木)。東条湖で知られる鴨川ダムで、特別な体験イベント「鴨川ダム親子探検隊」が開催されました。 鴨川ダムを水源とする東条川疏水の歴史を紙芝居などで学び、鴨川ダムの内部を見学。午後からは、疏水の魅力を伝えるアートプロジェクトとしてオリジナルグッズ作りを体験。貴重で特別な1日の様子をお伝えします。

夏休み限定イベント「鴨川ダム親子探検隊」

鴨川ダムは、加古川水系の鴨川を堰き止めた兵庫県加東市にあるコンクリートダムです。
ダムによってできた人造湖は東条湖と呼ばれ、「東条湖おもちゃ王国」や淡水魚の水族館「アクア東条」、フィッシングなどの観光スポットとして知られています。

このダムは、水不足に悩まされた北播磨一部地域の水源を確保するために造られました。
戦前に計画されたものの戦時中はストップ。戦後の食糧不足解消に後押しされ、1951(昭和26)年に戦後初の国営事業によるコンクリートダムとして完成しました。
鴨川ダムに蓄えられた水は、加東市や小野市、三木市の約3000haの農地へ届けられています。これを実現しているのが全長108㎞の水路網、東条川疏水です。

東条川疏水は、北播磨の農作物や暮らしを支える水源として大切な地域の資源。昔の苦難を知る人が少なくなった今ですが、後世に伝え大切な資源を守っていくため「東条川疏水ネットワーク博物館」らが中心となり、普及活動に努めています。

東条川疏水ネットワーク博物館は東条川疏水が育む地域全体を博物館に見立て、疏水の歴史や果たして役割を次世代に継承していくことを目指し、さまざまな活動を行っている団体です。
東条川疏水ネットワーク博物館は東条川疏水が育む地域全体を博物館に見立て、疏水の歴史や果たして役割を次世代に継承していくことを目指し、さまざまな活動を行っている団体です。

東条川疏水ネットワーク博物館

今回企画された「鴨川ダム親子探検隊」も、東条川疏水ネットワーク博物館の活動のひとつです。

当サイトにて参加募集をおこないました
当サイトにて参加募集をおこないました

【イベント名】
鴨川ダム親子探検隊
【開催日】
2025年8月28日(木)
【体験内容】
・鴨川ダム築造時の歴史(鴨川ダムの底に沈む村のお話)を紙芝居等で楽しく学べる
・この日限定!普段入れないダムの裏側を探検できる(操作室や監査廊に潜入)
・好きな疏水の生き物を選んでオリジナルグッズを作成できる(エコバッグはお持ち帰り。フラッグはおもちゃ王国に展示予定)
【参加費(昼食付き)】
大人1,500円、子ども(9歳~12歳)1,000円

親子で疏水をはじめ水の大切さを知ってもらうイベント。貴重な体験ができるとあって、多くの参加をいただきました。

観光旅館「東条湖グランド赤坂」

会場は、東条湖湖畔に建つ観光旅館「東条湖グランド赤坂」の大広間。窓からは東条湖を眺められる絶好のロケーションです。

東条川疏水について学ぼう

はじめに東条川疏水について、映像で紹介されました。

東条川疏水の歴史や目的のほか、水路網がどのよう仕組みで運用されているのかを学習。ダムの管理をする農林水産省近畿農政局鴨川・大川瀬ダム管理所の所長からは、パネルなどを使って解説いただきました。

続いて鴨川ダム(東条湖)ができたことで湖底に沈んだ村について、大型紙芝居を鑑賞。
紙芝居は、地元の伝承を伝える活動をされている「ふるさとみんわ会」のみなさまの手によるもの。女性8名で構成されたグループで、今回上演してくださった「東条湖物語“湖底のふるさと”」も、事実調査から物語作り、紙芝居の作成まで全て自分たちで作られたオリジナル作品です。
子どもたちにも分かりやすく情感こめて上演してくれます。

神戸や姫路など北播磨地域外からの参加者もあり、東条湖の名前は知っているものの東条湖が人造のダム湖であることや東条川疏水について初めて知る人が多くいました。
感想を子どもたちに聞くと「知らない話で驚いた」「とても楽しく勉強になった」と話してくれました。

鴨川ダム内部を探検

鴨川ダムは、観光旅館「東条湖グランド赤坂」から徒歩で5分とかからない場所にあります。

案内してくれるのは、農林水産省近畿農政局鴨川・大川瀬ダム管理所のみなさん。大広間で鴨川ダムについて解説してくれた所長をはじめ、実際にダムの管理をしている人から直接説明を聞ける貴重な機会です。

ダム操作室内で監視方法などの解説を聞く参加者
ダム操作室内で監視方法などの解説を聞く参加者

この日のダムの貯水率は63%ほど。雨が少なく暑い日が続き、地域によっては水不足が深刻化していますが、鴨川ダムなどのおかげで水不足にならずにすんでいます。

途中に音声案内付きの案内板もあり、ダムの上からの見学はいつでも可能です。

今回特別に見学できるのは、ダム内部の点検などに使われる管理用通路(監査廊)。
急な階段に注意しながら内部への入口へと向かいます。

【東条川疏水2025③】夏休み限定!ドキドキわくわく「鴨川ダム親子探検隊」(同行レポ)

内部に入っても、長く急な階段が続き、降りていくほどひんやりとしてきます。

監査廊の中は薄暗く、建設当時の型枠跡などがあり、日常では出会うことのない空間。まさに「探検隊が行く!」といった感じです。
子どもたちから「ちょっと怖かった」という感想がもれるのも納得です。

階段は上り下り合わせて240段
階段は上り下り合わせて240段

貴重な体験となった鴨川ダム体験ですが、地元の小学生たちは4年生になると、課外学習で体験されるそうです。
地域の歴史や資源を守る活動が、行われ続けています。

ダムの上で記念撮影
ダムの上で記念撮影

見学後は、「東条湖グランド赤坂」に戻ってお弁当タイム。

東条川疏水に親しむフラッグ&エコバッグ作り

午後からは、オリジナルフラッグとエコバッグを作るワークショップ。講師に神戸芸術工科大学准教授の谷口先生をお迎えして行われました。

谷口先生は、アートと地域社会の共創をテーマに研究をされています。
2023年から兵庫県北播磨県民局による東条川疏水ネットワーク博物館事業の一環として東条湖おもちゃ王国と連携したアートプロジェクトを実施。おもちゃ王国入口付近に、アートプロジェクトコーナーを設置。内部には、東条川疏水周辺の生きものを描いた白いフラッグ100本が並べられています。
今回、そのリニューアルを含め、新たにグリーンのフラッグを掲げるプロジェクト「東条川疏水フラッグ100」を始める第一弾として開催されました。

フラッグ作りは、好きな形や模様に切り抜いた型紙を使って色付けする「ステンシル技法」で描きます。「東条川疏水フラッグ100」では、疏水に住む生きものをテーマにした自由な発想で図案を作っていきます。

まずは、谷口先生の見本作りから。図案を描き、カッターナイフで切り抜きます。
次にフラッグの上に型紙をテープで固定し、布用の絵の具をスポンジに付け、ポンポンと叩くようにして色付けします。最後に、型紙を外して乾かせば完成です。

「絵とか苦手だなぁ」という人も、単純な図案で大丈夫なので安心です。

みなさん、思い思いのデザインでフラッグを完成させていきます。
発想もユニークで、どれも力作ぞろい。アートとして飾られる日が楽しみです。
今回で20本ほどのフラッグが出来上がりました。今後は、東条川疏水関連イベントや地域のワークショップなどで順次開催される予定です。

インクを乾かしているフラッグ
インクを乾かしているフラッグ

フラッグ作りが終わった人から、エコバッグ作りに取り掛かります。作り方は同様で、無地のエコバッグに型紙を当てて作成します。
フラッグでコツがつかめたようで、新たな型紙を作る人やデザインに凝る人などさまざま。

完成したエコバッグの一部。力作ぞろいです
完成したエコバッグの一部。力作ぞろいです
ひょうごフィールドパビリオン模様を作成した人も
ひょうごフィールドパビリオン模様を作成した人も

予定していた2時間30分は、あっという間に過ぎました。
子どもたちも今日一番の笑顔。「楽しかったぁ」の声が続々です。大人も満足げで、作っているところを見ているだけでも、楽しいワークショップでした。

作成したエコバッグを手に記念撮影
作成したエコバッグを手に記念撮影

エコバッグは持ち帰れるので、夏休みの工作の宿題や日常使いに活躍しそうです。

東条川疏水に親しむイベントは続々と

「鴨川ダム親子探検隊」イベントは兵庫県の魅力を国内外に伝える取り組み「ひょうごフィールドパビリオン」の体験型プログラム事業のひとつ「見て!動いて!味わって!東条川疏水博士になろう!」の一環として企画されました。

東条川疏水は、加東市や小野市、三木市の約3,000ヘクタールの農地へ水を運び、水道水としても利用される地域を支える重要な地域の資源です。その恩恵に代表されるのが酒米の王者として知られる「山田錦」をはじめとする米栽培です。

東条川疏水関連イベント(「ひょうごフィールドパビリオン」認定プログラム)でも、黄金色の稲田を眺めながら楽しむ企画が用意されています。

〔2025/9/21(日)開催〕

令和7年度東条山田錦の里探訪ウォーク

〔2025/9/28(日)開催〕

走って、見て、食べて、整う。山田錦の里・東条川疏水ウェルネスサイクリング

また、東条湖でルアーフィッシングを楽しむ企画もあります。

〔2025/11/1(土)開催〕

プロから学ぶ特産品 ~釣り針とルアー~

この他にも、楽しいイベントがいくつも企画されています。
加東市をはじめ各自治体の広報ページや「ハートにグッと北播磨」公式サイト、SNS等で随時PRをしていますので、気になる情報がアップしていないかチェックしてください。
ローカルプライムでもどんどん紹介していきます。

(ライター  塚本隆司)

※本記事は2025年9月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)

姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。

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