お店の前には2台分の駐車場があります。もしここが満車でも、近くには1日最大300円くらいのコインパーキングが何カ所かあります。住宅地ですからリーズナブルですね。
但し、さすがに甲子園界隈。甲子園球場で試合やイベントがあるときには料金が変わるので要注意です。

百楽は50年以上続く、町中華としてはなかなかの老舗です。甲子園球場の筋向かい、と言ってもいいような場所にあります。普段は昼の営業が11時30分から15時、その後休憩に入って夜は17時から23時の営業なのですが、試合がある日には通して営業されることもあるようです。 　店内はテーブル席で48席あります。やや落とした照明で、比較的ゆったりとしたスペースもあって、落ち着いて食事が楽しめる雰囲気です。

実は筆者、このお店から徒歩圏内に暮らしていますので、これまでに何度か訪れたことがあります。なのでその都度いろいろなメニューをいただきましたが、どれもおいしく、価格も良心的で、さらに非常にボリュームがあるのを事前に知っていました。
いわゆる「行列ができるお店」ではありませんが、いつ行ってもお客さんが多くて繁盛しています。普段から行くお店として、これは実はかなり大事なんですね。行列ができるほど混んでるのではなかなか行けないですし、またあまりにも空いてるとそれはそれでちょっといろいろ不安がありますし、その「ちょうどいいくらいに活気がある」というのはとても貴重なんですよ。必ずおいしい実力があって、しかも思い立ったときに行って食べられるお店。これがすばらしいんです。

せっかく取材に行くのに一人では一品しか食べられません。それでは写真もレポートも寂しいので、同行者を一人連れてお店に入ります。メニューの一番目立つところにあった『四川担々麺（858円）』、それから『天津焼きめし（913円）』、『餃子（374円）』を頼みました。

「9種類の香辛料を使用した自家製ラー油と、直火で丹念に炒ってすりつぶした自家製芝麻醤（チーマージャン）が自慢の薫り高いラーメンです」とメニューに説明がある『四川担々麺』は、ラー油、芝麻醤多め、少なめ、四川山椒のトッピングもできるのですが、今回はとりあえずフルノーマルの状態です。うん、確かにぴりっと辛いですね。でも、適度な辛さです。ミンチ肉を麺で絡め取って食べると、これはおいしいですほんと。

『天津焼きめし』は、その名前の通り天津飯と炒飯を合体させたもので、通常タイプの天津飯だと白いご飯になっている部分が炒飯になってます。これはもうおいしくないわけがありません。おいしさを約束された期待のメニューとでもいいますか、思った通りのおいしさで、しかもボリュームもあります。町の中華の主役を勤めるのがラーメンだとすると、炒飯は常にそれを支えるポジションというか、むしろ二大巨頭といってもいいメニューだと思います。ここ百楽は、海老入り焼きめし、カニ入り焼きめし、あんかけ焼きめし、そしてこの天津焼きめしとラインナップが充実しています。『四川担々麺』も『天津焼きめし』も『餃子』も、全部おいしかったです。そして思いっきりお腹がいっぱいになりました。

甲子園界隈には「甲子園ヒーロー揚げ」という地元グルメがあります。手羽先の唐揚げなのですが、「手羽2ツ割スタイル」「サクサクの衣」「香るにんにくタレ」という三箇条が定められていて、「西宮・甲子園ヒーロー揚げ推進委員会」公認のヒーロー揚げを出してくれる店舗が周囲に点在しています。百楽もその一つで、店頭に青い幟があがっています。今回はあまりにも満腹で別腹も故障していて展開できなかったのですが、次に来たときには絶対これを食べようと思います。

さて、食後にちょっと神さんにお詣りして帰ることにします。お店を出ると斜め向かいに見えている素盞嗚神社さんです。敷地が続いていて、まるで甲子園球場の一部のように見えますが、こちらの方が遥かに昔からこの地にいらっしゃって、球場が後からやってきたんですね。
しかしこういう立地ですからやはり阪神タイガースの色は濃くて、社務所で招き猫ではなく招き虎を授けられていたり、タイガースバージョンの御朱印があったり、星野監督揮毫の「夢」の文字が刻まれたモニュメントがあったりします。そして筆者にとっては産土神さまでもあります。

今日食べたおいしいモノたち、しっかり神社にお詣りしたからカロリーゼロです。

……知らんけど。

（ライター 小嶋）