山陽電鉄白浜の宮駅から歩いて15分ほど、すぐそばに海がある場所に立つのが『姫路まえどれ市場』です。坊勢漁業協同組合が直営する施設で、坊勢島をはじめ播磨灘で獲れた魚介類や加工品を販売しています。

坊勢島は姫路市中心部から南西にある家島諸島中部に位置する島のひとつ。周辺の海域は、海の幸の宝庫とも呼ばれている場所です。実は、兵庫県下でも1、2位を争うほどの漁獲高を誇る漁業が盛んな島。そんな坊勢島で水揚げされた新鮮な魚が買えるのが、『姫路まえどれ市場』なのです。

店内にはいけすがあり、魚介類を生きたまま販売しています。春には、はなつぎ網漁法（華）で獲れた姫路（姫）の「華姫さわら」、夏は姫路城のように真っ白な「白鷺鱧」、秋には脂の乗った「ぼうぜ鯖」、冬は濃厚な味わいが楽しめる「牡蠣」など、旬の食材を販売。その場で刺身や、加熱調理してもらうことができます。

取材日には、ヒラメの姿造り、アワビやサザエの刺身のほか、ほんじょう貝のバター焼き、サザエのつぼ焼き、ハマグリの酒蒸しといったメニューが並んでいました。できたてを食べられるのは、なんとも贅沢です。

刺身にしてもらうのは無料。加熱調理が必要なものは、魚代に加えて調理代（220円・税込）で注文できます。調理してもらった魚は、店内の「まえどれ食堂」で食べられるので、気になるものがあれば、ぜひその場でどうぞ。

店内には坊勢の特産品や姫路、赤穂のお土産コーナーも。眺めるだけでも楽しいので、ぜひ見て回りましょう。

そのほか、魚介類の惣菜や加工品も販売。ハモやタコ、イカの天ぷらなどが並び、まとめ買いをするお客さんの姿も。夕食のおかずとして買ってかえるのもおすすめです。

店内にある「まえどれ食堂」では、旬の魚介を使った御膳や丼ものなどがいただけます。獲れたての新鮮な海鮮料理が楽しめるのは、市場の食堂ならではの魅力。来店したら、ぜひ料理も味わってみてください。

人気メニューの『海鮮丼』は、みそ汁、香の物がセットになった単品（1,650円・税込）と、ミニうどんがセットになったセット（1,900円・税込）メニューがあります。訪れた日には、サーモン、マグロ、カンパチ、甘エビ、イクラ、ヒラメ、タイ、ハモの8種類の魚介がトッピングされていて、ボリューム満点！

トッピングされる魚介の種類は日によって変わるため、どんなネタが食べられるかはお楽しみです。旬の海鮮をたっぷりと堪能してくださいね。

冬季に登場する「ぼうぜ鯖」や「播州かき」のメニューも人気です。特に、「ぼうぜ鯖」は春に漁獲したサバをさらにおいしくするため、天然のイワシを与えて養殖しており、脂がのっているのが特徴。『鯖寿司』や、『ぼうぜ御膳』（3,000円・税込）も、ぜひ味わってみてくださいね。

『姫路まえどれ市場』の屋外には、BBQコーナーがあります。『スタンダードコース』と、スタッフが食材を選ぶ『海鮮おまかせコース』を用意。利用する場合は、電話での事前予約が必要です。

また、毎年12月上旬から3月中旬までは冬季限定で『BBQかきコース』が登場。60分牡蠣1kgのコース（1,650円・税込）と、90分の食べ放題コース（3,300円・税込）があり、坊勢の牡蠣をたっぷり味わえます。

『姫路まえどれ市場』へのアクセス方法

『姫路まえどれ市場』には無料の駐車場があります。公共交通機関で行く場合は、山陽電鉄白浜の宮駅から徒歩約15分。土・日曜、祝日はJR姫路駅南口から神姫バス92系統のバスが運行しているので、そちらを利用するのもおすすめです。

鮮度のいい魚介類が並び、おいしい海鮮料理も堪能できる『姫路まえどれ市場』。どんな調理方法が良いか、お店の人にアドバイスをもらって買い物を楽しむのもいいでしょう。事前予約をすれば、舟造りの注文にも対応しているので、お祝いごとの際に利用するのもおすすめです。

（ライター　中田／ウエストプラン）