住宅街を注意して歩いて行くと『ぎょもん』の看板を見つけることができます。一軒家を改装し、閑静な住宅街にさりげなく溶け込んでいるカフェだから、初めて訪れる人はつい通り過ぎてしまうのだとか。
いつもお昼時になると、自転車やバイクがずらりと並びます。

エントランスに向かう長いアプローチ。手入れされた季節の花たちが迎えてくれます。暗くなる頃にはライトアップされたアーチの下をくぐるのも、何だかワクワクしますね。

扉を開けると雰囲気が一変。目に飛び込んでくるのは、アンティークな家具や映画スターの写真たち。オレンジがかった照明とジャズの調べに、落ち着いた品の良さを感じます。

往年の大女優の写真が並ぶ中、常連のお客様からの手作り品も一緒に飾られているそう。

大きいテーブルと4人掛けのテーブルのほか、2人掛けのテーブルがズラリと並ぶ店内。居心地の良い落ち着いた雰囲気に、つい長居したくなります。
日頃は、近所の方たちの憩いの場として賑わっているそう。この日は、同じ趣味のサークルらしき団体さんや、ママ友グループ、ビジネスマンなどでいっぱいでした。スタッフのお姉さんとお客さんが世間話で盛り上がることも。笑い声溢れるアットホームなお店は、何度も足を運んでしまいたくなるから、リピーターも多いのだとか。

メインのハンバーグ。デミグラスソースの香りが食欲を沸き立たせます。付け合わせは、大きなニンジンのグラッセやブロッコリー、ポテトサラダ、目玉焼き。これぞ「ザ・洋食」という昔ながらの定番スタイルですね。

ハンバーグに見とれていると、次に運ばれてきたのは、トレーにきちんと並べられたご飯やお味噌汁、サラダにたくさんの副菜たち。その中には、食前酒の梅酒も。彩りも華やかで、とても豪華な定食です。

副菜の三つの小鉢の中身は、春雨の和え物、長芋の短冊、ゴボウの酢の物。どれから食べようか迷ってしまいます。
春雨はプツンと切れる楽しさ、長芋はシャクシャクとした食感、ゴボウは程よい歯ごたえがあり、ヘルシーでいて味付けも一つ一つがおいしく、すぐに満腹感が感じられました。
メインのハンバーグは、ふわふわでジューシーな味わい。甘くて酸味のあるデミグラスソースに肉汁が合わさり、ご飯が何杯でもいけるおいしさ！半熟手前の丁度良い固さの目玉焼きを上にのせていただくと、さらにおいしさが増します。

食後のコーヒー豆は、キーコーヒーの『トラルコトラジャ』。トラジャコーヒーとは、インドネシアのスラウェシ島にあるトラジャ地方のみに生産されるコーヒー豆のこと。トラジャコーヒーは、第２次世界大戦の影響で生産地が滅ぼされた経緯もあり、大変希少でした。その後、何十年の月日を経て、キーコーヒーがトラジャの豆を復活させました。今でも生産量が少ないため、「幻のコーヒー」と呼ばれているそうです。私も初めてトラジャコーヒーを飲みましたが、長年、人気喫茶店をされてきただけに、一口目のコーヒーが最高においしく、ほんのりと苦く深みのある味わいに心も癒されました。

『定食』（11時半～14時） 　　1200円 
メイン料理は選べます
ハンバーグ、煮込みハンバーグ、生姜焼き、チキンの香草焼き、とんかつ、ヒレカツ、からあげ　の７種類のいずれかにご飯、お味噌汁、サラダ、副菜3種 梅酒、コーヒーまたは紅茶付き

メイン料理にサラダが付いた『ビールセット』も人気。メイン料理は他にもあり、選ぶことができます。

ふわふわのパンケーキにアイスが付いているので、大変食べ応えがあります。

和スイーツもここの人気です。

シフォンケーキは甘すぎず、しっとり柔らかい食感。口どけの良い生クリームにとてもよく合います。

昭和レトロな懐かしい容器で出されるフルーツやアイスものった、ゴージャスな『プリンアラモード』。思わず子供の頃にかえったようで、テンションも上がりますね。

りんごがゴロリと入ったタルトも定番人気です。他には、同じ値段で『ガトーショコラのセット』もあります。
ランチにするかコーヒーとスイーツでお茶にするか、どれを選んでも間違いなし。ゆったりくつろげるカフェ『ぎょもん』に来てみませんか。

（ライター ako）