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西宮で愛され続けて60年、愛情いっぱい『エルベラン』のクッキー

洋菓子店『エルベラン』

阪急夙川駅から越木岩筋を北へ進むと壁に大きな時計がある建物が見えてきます。ここは地元の人におなじみ、1964年創業の洋菓子店『エルベラン』です。『エルベラン』といえば、店名と同じ名前のクッキーをはじめとする焼き菓子がよく知られています。添加物を使わず厳選した素材で作られたクッキー、そして様々な生ケーキなど、長年愛されているお菓子を紹介しましょう。

日本人好みの洋菓子を作り続けて60年

『エルベラン』

『エルベラン』は今から約60年前に、二代目オーナーシェフ・柿田衛二さんの父、衛さんが創業しました。「父は、日本人のために、日本人の口に合うお菓子を作ろう、洋菓子が街の文化(食文化)になることを目指そうと挑戦していました。そんな姿を見ながら、私は製菓より経営に興味を持って大学に進みました」と柿田さん。

オーナーシェフ・柿田衛二さん
オーナーシェフ・柿田衛二さん

卒業後は恩師の助言もあって、学んだ経営を生かそうと家業に就きましたが、「はじめの頃は、なんとなく製菓に取り組んでいた」そうです。しかし、研修で訪れたフランスの「ルダニエル」で意識が大きく変わります。そのおいしさはもちろんですが、なにより実感したのは、この店のこの味が地域の人の日々のいとなみの中に溶け込んでいたことでした。

「ルダニエル」

「ルダニエル」のお菓子を買って食べることが生活の一部になっていたのです。まさにそれは、お菓子が食文化になっているということ。洋菓子を自分の街の文化にしたいと父が興した『エルベラン』が目指すものと同じでした。帰国後、柿田さんは父から受け継いだ味と店を守り発展させるべく真剣に取り組み始めたのです。

思い出につながる定番クッキー『エルベラン』

『エルベラン』はチョコとホワイトチョコの2種類
『エルベラン』はチョコとホワイトチョコの2種類

数あるクッキーの中でも、店と同名の『エルベラン』はやっぱり主役。ざくっとした生地の中から甘いチョコが現れる素朴な味わいは、国産の小麦にオーガニックスペルト小麦の全粒粉を加えて風味をプラス。阪神間に住んだことのある50代、60代の人が「なつかしい」とほおをゆるませるクッキーです。

『エルベラン』と『ティークッキー』
『エルベラン』と『ティークッキー』

「オーガニックにこだわるわけではありません。求めるおいしさに対する答えがそうなったんです」と、昨年末から『エルベラン』クッキーに使うチョコレートを希少なオーガニックに。

贈答品

贈答品には『エルベラン』2種類と8種の『ティークッキー』、計10種のクッキーの詰め合わせ(1,980円~)が人気。『ティークッキー』には、サブレ、サブレチョコ、アーモンドパイ、お茶と黒豆、チーズとトマト、木苺とカカオ、黒糖とカフェオレ、みつばちの贈り物と、バラエティに富んだ組み合わせで、どれも甘さ控えめで紅茶やコーヒーによく合います。

創業時から続く人気のケーキ『レジェンドナイン』

60年前からあるお菓子で『レジェンドナイン』と呼ばれているのが、エルベラン、ショートケーキ、エクレア、アップルパイ、チーズケーキ、プリン、プリントルテ、レモンパイ、ショコラです。

『レモンパイ』(519円)は、甘くて酸っぱい、そのバランスが絶妙な、日本人のための洋菓子の代表格。レモンカスタードクリームは、農家から直接購入する国産レモンの皮をすりおろして天然水で煮て、エルベラン特製のパイでサンド。特注のノンホモ生クリームで仕上げたスペシャリテです。

一般的なショコラは生地にココアを使うものですが、『ショコラヴァローナ』(540円)は、ココア特有の香りを避けるためにビターチョコだけを使用して、ヴァローナ社のビターチョコの香りを生かしています。

『スコーン』(432円)
『スコーン』(432円)

外側はサクッと、中はほろほろとほどける食感の『スコーン』(432円)は、オーガニックシュガー、オーガニックスペルト小麦、ジャージーミルク、発酵乳、カルピス低水分バター、ヒマラヤ岩塩、というワンランク上の素材。食にこだわりを持つ人には嬉しいですね。

すべての人にやさしいお菓子屋さんを目指して

壁に掲げた大きな時計は駅へ急ぐ人が時間を見たり、帰ってくる人が帰宅の目安にしたりしています。そこには、「この街で歴史を重ねてきたから、これからも夙川の街と共に時を刻んでいきたい」という思いがあります。

テラス席

テラス席はケーキを購入する際に、コーヒーか紅茶を注文してセルフサービスで利用できます。

クッキーの自動販売機

店頭にはクッキーの自動販売機が設置され、箱入りで包装済み、紙袋付きのものが、24時間いつでも購入できます。早朝や休日に手土産を購入できるのは便利ですね。自動販売機の横には、買い物のあいだ、ワンちゃんのリードを繋いでおくスペースもあります。

スタッフのはたらく環境改善のために、2014年から月曜と木曜はギフト商品のみを扱うクッキーデーとして限定クッキーも販売。さらに木曜はクロワッサンランドと題して限定クロワッサンが登場します。思い出のお菓子と新しいお菓子が世代を越えて愛されています。

(ライター 松田/ウエストプラン)

※本記事は取材時点での情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

エルベラン

住所兵庫県西宮市相生町7-12
電話番号0798-74-4349
営業時間水・金・土・日曜10:00~12:00、13:00~18:00
月曜:クッキーデー(ギフト商品のみ)10:00~12:00、13:00~16:00
木曜:クッキー&グルメデー(クロワッサンランド)10:00~12:00、13:00~18:00
※最新情報はホームページをご確認ください
定休日火曜
アクセス阪急夙川駅から徒歩約3分
駐車場店舗向かいのコインパーキングあり
HPhttps://elberun.gift/
SNShttps://www.instagram.com/elberun1964_shukugawa/
https://www.facebook.com/elberun

株式会社ウエストプラン

松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。

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