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記事・読み物

明治35年創業の老舗の茶舗で学ぶ
「お茶塾」で日本茶の魅力に迫る!

お茶の専門店『みどり園』

私たちにとってお茶は、毎日欠かせない飲み物。最近では、海外でも日本のお茶が健康に良いとブームになっているそうです。伊丹市の本格茶室もあるお茶の専門店『みどり園』では、日本茶のおいしい淹れ方やお茶にまつわるお話が聞ける「お茶塾」を開講しています。ちょっとしたコツで味が格段にアップする方法を学んでみませんか?

お茶の解説をする佐野文彦さん
お茶の解説をする佐野文彦さん

「美味しい煎茶の淹れ方」講習会

講師は「みどり園」代表取締役の佐野文彦さん。家業の茶舗を継ぐ三代目の佐野さんは、自らお茶の生産地の選定や茶畑への視察、茶葉の火入れ(焙煎)に全国の茶産地を回られる程の日本茶のエキスパート。今回は、ふだん家庭でもできる、お茶を淹れる時のコツや急須の選び方を学ぶ「美味しい煎茶の淹れ方」講座に参加しました。

お茶に必要な道具は…

急須

絶対に欠かせないものと言えば、急須。お茶1~2杯分なら小さいもの、3~4杯分なら大きいものというように、必要に応じた大きさを選びましょう。
急須の形は、茶葉がお湯の中で開きやすいように底が広く、平ためで高さのないものの方が、お茶の渋みが出ないそうです。
また、注ぎ口から茶葉が出ないよう急須の中に茶こしがついているものが便利です。

茶葉

茶葉は、細くよれていて、形が揃っているものが良いものとされます。湿気に弱いので、缶やアルミの袋で保存し、なるべく早く使い切りましょう。冷凍庫は、常温との温度差があるので、おすすめしません。冷蔵庫で保存する場合は、常温と温度差の少ない野菜室にいれるのが良いでしょう。

湯さまし(左)と湯呑み(右)
湯さまし(左)と湯呑み(右)

湯さましは、読んで字のごとく熱湯をちょうど良い湯加減にする茶器。このひと手間がお茶の味を左右させるので、必ずご用意を。もし、無い場合は、別にマグカップを用意するか、そのまま湯呑みを利用します。また、計量スプーンは、大さじスプーンでも代用できます。

1人分の分量とは?

1人分はお湯100cc~120ccに対し、茶葉大さじ1(約5g)が適量。

1人分はお湯100cc~120ccに対し、茶葉大さじ1(約5g)が適量。計量スプーン1杯分を急須に入れます。

お茶の適温は?

お茶を煎れる手順

お茶を煎れる手順は次の通りです。
①湯呑みに熱湯を8分目強ほど注ぐ
②それを湯冷ましに注ぎ直す
③急須に移し替え、蓋を閉めて1分蒸らす
この間に茶葉がゆっくり急須の中で開くので、急須に触れずに待つのがコツです。
2杯目は、茶葉がある程度開いているので、③の蒸らす時間を30秒くらいにします。

同じ茶葉でもお湯の温度が高いと「渋み」、中間で「苦味」、低いと「甘味」が出やすく、味が変わります。これらの3つのバランスがうまく調和する適温は、約70~80℃。この温度は、温度計もないのにどうやって計るのでしょうか?実は、先程の手順通りに行うのがポイントになります。
①100℃の熱湯を湯飲みに入れることで90℃に
②湯冷ましに注ぎ直すことで80℃に
③急須に移し替え、1分蒸らすことで70℃まで下がります

これを湯飲みに注ぐと、65℃くらいの飲みやすい温度になります。
この手順が、おいしいお茶の味を引き出します。

お茶を煎れるポイントは?

注ぎます

急須の蓋には、空気穴があり、ここを手で塞ぐようにして急須を持つと、お茶が出てきません。必ず、空気穴は注ぎ口に近い場所に合わせて注ぎます。そうすると空気が入り、急須内で対流が起こります。
急須の持ち方は、右手で力を入れずに軽く持ち、左手は蓋を支えながら。この作法は、傾けると自然に力が入り、おいしい味になるそうです。

注ぐ時は、120度まで傾けるのがポイント。最後の1滴までしっかりと注ぎます。

注ぐ時は、120度まで傾けるのがポイント。最後の1滴までしっかりと注ぎます。

いざ実践!

120度まで傾ける

120度まで傾ける参加者さん。ドキドキが伝わります。

透明感のある黄金色です。

透明感のある黄金色です。お茶のいい香りがしてきます。

和菓子の「練り切り」と一緒に
和菓子の「練り切り」と一緒に
ホッと一息

お茶についてたくさん学んだ後は、ホッと一息。
ひと手間加えて丁寧に入れたお茶は、格段に美味しくて驚きでした。

『みどり園』では、他に抹茶や玉露、中国茶、手炒りほうじ茶などの講座も開催

「お茶は、自然本来の味わい。普段から素材を意識すると、飲んだ後に口の中に残る香りや、喉の奥から伝わる味を感じることができますよ。それが本来のお茶の魅力なんです」と佐野さん。また、お茶の効能に触れ、「病気を予防し、健康に良い成分がたくさん詰まっています」と語ります。

『みどり園』では、他に抹茶や玉露、中国茶、手炒りほうじ茶などの講座も開催。
今回「煎茶」を学び、日本の文化でもあるお茶の世界は奥深く、知れば知るほど面白いことが分かりました。

カフェで和スイーツも

オリジナルの抹茶「有岡の翠」

『みどり園』オリジナルの抹茶「有岡の翠」を使ったスイーツなどが食べられるカフェもあります。

大人のクリーム抹茶あんみつと手炒りほうじ茶のセット990円(税込み)
大人のクリーム抹茶あんみつと手炒りほうじ茶のセット990円(税込み)

ほろ苦い抹茶とあんこの甘みが合わさり、アイスと寒天の食感ともベストマッチ。 口の中が冷やされた後は、香ばしくスッキリとした熱いほうじ茶に癒されます。

挽きたて有岡の翠と季節の生菓子セット880円(税込み)
挽きたて有岡の翠と季節の生菓子セット880円(税込み)

キレイで上品な緑色の抹茶は、大変香りが高く、練り切りの甘みとの相性が最高。

店内には・・・

電動抹茶石臼機
電動抹茶石臼機

存在感のある機械がどっしりと鎮座していました。抹茶を1時間に40g挽くことができるそう。近づくと抹茶のいい香りが漂っています。

お茶や茶道具なども販売

産地を厳選した選りすぐりのお茶や茶道具なども販売しています。
その他、季節の茶会や茶道教室の受講、ランチも楽しめます。

茶道

「日本茶=茶道」という格式高いイメージでしたが、お茶の魅力を知り、和の心を身近に感じることができました。

(ライター ako)

※本記事は2023年6月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

みどり園

住所〒664-0858兵庫県伊丹市西台1丁目8番3号
電話番号072-772-5359
営業時間10時~18時
定休日木曜日
アクセス阪急伊丹駅 徒歩2分
HPhttp://itami-midorien.com/
ako

ライター ako(あこ)

兵庫県生まれ、兵庫県育ち。美容師兼ライターをしています。趣味は、映画や旅行、美術館巡りなど。兵庫県は、オシャレで都会の顔もありながら、山や海など自然に恵まれた地域もあって、魅力がいっぱい。最先端の流行のものから伝統ある歴史的なもの、ちょっとマニアックなスポットなどを楽しくご紹介できたらと思います。

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