赤い屋根が特徴的な『nanna café』 は、大きな幹線道路に挟まれた場所にあって、車でのアクセスがとても便利。国道2号線から山側（北）に向かい、山手幹線道路に出る少し手前の左側に見えてきます。6台分の駐車スペースがあるのが嬉しいですね。また、阪急芦屋川駅やJR芦屋駅から徒歩10分前後なので電車ユーザーにも有難い立地です。

「地元の人が毎日気軽に来てくれるようなカフェをしよう」と、母娘で2005年にオープン。その思いの通り、連日多くの人でにぎわいます。幼稚園に子どもを送ったあと集まるママさんたち、子ども会役員や老人会の集まり、ベビーカーの赤ちゃん連れファミリー、お一人さま…。ときには、写真の撮り方ワークショップなどが行われることも。「お客様に本当にめぐまれてここまでやって来られました」と、娘の増田さんは話します。

フードが充実しているのも『nanna café』 の特徴の一つ。2023年3月までは月1回内容が変わる『ナンナ御膳』というランチメニューがあり、それを目的に来店するお客さんも多かったのですが、4月からは『隔週替わりのランチセット』（1,600円）としてリニューアル。メイン料理にごはん、汁物、デザートとドリンクがセットになっています。

「常連さんが多いので、何度来ていただいても食べ飽きないように、メニューのラインナップには、和食や洋食、中華などバリエーションを持たせています」と、増田さん。メニューが変わるごとに訪れるお客さんもいて、「何度も食べたいと、月に数回来てくれる方もいらっしゃいます」と、愛されていることが分かります。

ランチセットには、ドリンクと手づくりデザートがつきますが、その日のデザート数点が少しずつ食べられるプレートになっています。この豪華なスイーツプレートが付いた満足度高いランチセットをお目当てに来店し、ゆっくりと午後の時間を楽しみます。

スイーツは単品でもいただけます。ラインナップは日によって替わり、シフォンケーキやタルト、バターケーキなどの焼き菓子、チーズケーキやパフェなど様々。「最近ではレアチーズケーキを毎回好んで召し上がってくださるお客様がよく来てくださいます」と、それぞれのスイーツにファンがついているようです。

どのメニューも常連さんのことを思い浮かべながら、丁寧に手づくりしています。素朴な味わいにほっこり、どこか懐かしい感じさえします。何度食べても飽きないし、しばらくぶりに訪れると「あぁ、nanna café に帰ってきたな」という気持ちにもなります。

『nanna café』 のスイーツといえば、大きな白いプレートに描かれるチョコレートアートも特徴。季節や行事にあわせた絵が登場することもあり、思わず「わぁ、かわいい～」「食べるのがもったいない～」といった声が上がります。ちょっと心が弾む、嬉しい演出です。

ランチセットは15時までの提供ですが、そのほか、ピザやサンドイッチ、ピラフなどの軽食は18時まで食べられます。「いつ来ていただいてもお腹を満たせるように」と、お昼ごはんを食べそこねてしまったり、ちょっと小腹がすいたとき、セットはちょっと多いかもなど、お客さんのいろいろなニーズに寄り添ってくれます。

お店の前には立派な桜の木があって、開花の1カ月くらい前になると、テラス席の予約が入り始めるのだとか。このテラス席はペット同伴可能。屋根＆扉付きなので雨天や寒い時でも快適に過ごせます。暖かくなるとオープンテラスになって、心地良い風を感じられます。

20年近く営業していて、ある時から変化に気づくようになりました。「幼稚園児のときお母さんに連れられてよく来ていました」という大学生がアルバイトに来たり、ここで知り合ったお客さん同士がお付き合いし、結婚し、やがて赤ちゃんも一緒に来てくれたり…。「お客様と一緒に成長している感じがするんです」と、増田さんは感慨深げに話します。

仲間やグループの集い、家族や友人との大切な時間、あるいは一人で過ごす貴重な時間になっていたり、勉強会や出会いの場になっていたり…。ここを訪れる方それぞれにストーリーや思い出があるカフェです。
店の前は小学生の通学路にもなっています。「いつもの道」にある『nanna café』は、いつか彼ら彼女らにとっても思い出の一つになるのかもしれません。
増田さんご自身、お子さんが幼稚園にあがったばかりなのだとか。『nanna café』にも、これからまた新たなストーリーがはじまりそうな、そんな予感もします。

（ライター　かさはら／ウエストプラン）