「出汁は難しいもの」
そう思い込んでいた人ほど、意外な発見があるかもしれません。
神戸の老舗昆布店で12月に開催されたのは、お雑煮をテーマにした年末限定の出汁講座。工程は驚くほどシンプルなのに、仕上がる味は、これまで食べてきたお雑煮とはまったく異なる印象でした。
新年を迎える準備の一環として体験した、静かに心に残る一日の記録です。
会場となったのは、神戸で昆布ひと筋に歩んできた創業65年の老舗「浪花昆布」。
12月に行われたこの講座では、出汁の取り方を基礎から学び、最後に“出汁が主役のお雑煮”を仕上げて味わいます。
所要時間は約2時間、参加費は1人5,000円。
粉末出汁が当たり前になった今、「年に一度でも、きちんと出汁を取る時間を持ってほしい」という想いが感じられる内容で、年末という時期にもよく合った講座でした。
まず意外だったのは、出汁取りの工程がとてもシンプルだったことです。
昆布の種類や水に浸す時間、火にかける温度など、押さえるべきポイントは明確で、「これなら家でも再現できそうだ」と感じられる内容でした。
鍋から立ちのぼる、やわらかで澄んだ香り。その時点で、すでに一つのごちそうのように感じられます。
講師の言葉で特に印象に残ったのが、
「この出汁があれば、あとは整えるだけ」という一言。
実際に出来上がった出汁をベースに、塩や醤油でごくシンプルに味を調えるだけで、お雑煮は驚くほど奥行きのある味に仕上がりました。
特別な技術に頼らないからこそ、“ひと手間”がもたらす違いがはっきりと伝わってきます。
今回の講座を手がけた「浪花昆布」は、北海道産の天然真昆布を扱う昆布専門店。
長年培ってきた素材の目利きと経験を生かしながら、「家庭で無理なく続けられる出汁」を大切に伝えています。
和食の味がなかなか決まらない人や、忙しい日々の中でも食事を大切にしたい人にとって、この講座は日々の食卓を見直すきっかけになりそうです。
内容を変えながら、月1回程度の開催も予定されています。
※この記事の情報は2026年1月の情報です。
兵庫県神戸市東灘区御影塚町3丁目10-11
078-821-2174
8:30~17:30
土曜日・日曜日・祝日
阪神本線「新在家駅」から徒歩約10分
阪神本線「石屋川駅」から徒歩約11分