朝の光に包まれた神戸・北野のアトリエ「レピス(L’epice)」の扉を開けると、ふわりとスパイスの香りが広がりました。木のテーブルには、小さな瓶に入ったスパイスやハーブが並び、色とりどりの素材たちがまるで旅の道しるべのように輝いて見えます。
ここで開催が予定される「朝ごはんで旅する、世界の台所」というワークショップ。企画したのは、Localprimeのローカルコーディネーター・酒井さん。世界を旅することと、人と食をつなぐことを何より大切にされている尊敬できる仲間。彼女の想いと企画を紹介します。
Localprimeのローカルコーディネーター・酒井さんは、世界中を旅するのが大好きな人です。気になることがあればすぐに飛び出し、見たことのない街並みを歩き、人と話し、その土地の朝の空気を全身で感じる。彼女を見ていると、「好奇心がコンパス」という言葉がぴったりだと思います。
予定よりも直感を信じて、面白そうな匂いを見つけたら、ためらいなくその先へ進む。そんな自由な旅のスタイルが、人と場所を結ぶこの企画にもそのまま息づいています。
「旅は非日常じゃなくて、日常に続くもの。朝ごはんを通して世界を感じられたら、それだけで心が広がる」
そう話す酒井さんが、同じ感性をもつ料理家・大久保たえさんと出会い、神戸・北野の小さなアトリエで“世界の朝ごはん”を味わうワークショップを企画しました。
講師を務めるのは、料理家の大久保たえさん。フランスをはじめ、世界各地を旅しながら食文化を研究し、“記憶に残る味”を家庭でも再現できるように伝える方です。
レッスンでは、ただ料理を教わるだけではありません。スパイスの火入れで立ち上がる香りの違い、ハーブをすり潰す音、そしてその国の朝に流れる生活のリズム──。ひとつひとつの動作に、その土地の文化が宿っています。テーブルを囲む参加者の笑顔や、香りを確かめながら交わされる何気ない会話。“知らない国を、おいしく知る”時間が、静かに流れていきます。
会場となる「レピス(L’epice)」は、神戸・北野の山本通にある料理教室兼アトリエです。異国情緒が漂うこの街の中で、扉を開けると木の温もりとハーブの香りに包まれた空間が広がります。“レピス”とはフランス語でスパイスの意味。窓から射す柔らかな光に、並んだスパイス瓶やハーブが小さな旅の道しるべのように輝きます。体験前に訪れ、たえさんのアトリエの小物たちを眺めても楽しい──
そんな過ごし方も、この体験の魅力のひとつです。
2026年の冬から春にかけて、このワークショップでは3つの国を巡ります。
1月は北欧・フィンランドの朝ごはん。雪の光を思わせる優しい味わいがテーマです。
2月はコーヒー文化の国・エチオピア編。豆を煎る香りとスパイスの力強さに包まれる時間。
そして3月は、ワインとパンの国・ジョージア編。
発酵の豊かさと手仕事の温もりを感じるメニューが予定されています。いずれも定員は8名、参加費は5,000円〜5,500円(税込)。
小さなアトリエの中で、ゆっくりと世界を巡るような季節の旅が続いていきます。
開催場所は、神戸市中央区・山本通の「レピス/L’epice」。最少催行人数は4名で、事前のクレジットカード決済にて申し込みが完了します。申込締切は開催日前日の23時59分まで。詳細はLocalprimeの予約ページから確認できます。体験は約2時間半。開始10分前の集合がおすすめです。エプロンとメモ用のペンを持って、気軽にご参加ください。キャンセルポリシーは開催4日前までは無料、以降は段階的な設定となっています。
北野のアトリエで感じたスパイスの香り、旅の話をする酒井さんの目の輝き──そのすべてが印象的でした。旅とは、遠くへ行くだけでなく、“知らない世界を、自分の中に見つけること”なのかもしれません。日々の朝にも、ほんの少しのスパイスを。それだけで、世界が近く感じられる。そんな優しい旅のはじまりを、あなたの食卓にも。
※この記事の情報は2025年12月の情報です。