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【東条川体験②】小野市で「みらいちゃんアスパラ収穫体験&料理教室」リポート
兵庫県小野市で東条川疏水の役割や農作物の魅力を知ってもらおうと「みらいちゃんアスパラ収穫体験とうまみを生かした料理教室(マイカープラン)」が2024年7月9日(火)に開催されました。 「みらいちゃんアスパラ」は、兵庫みらい農業協同組合(JA兵庫みらい)がブランド強化に取り組んでいる自慢のアスパラガス。楽しくておいしい企画に参加者も満足。当日の様子をお伝えします。
東条川疏水が育む「みらいちゃんアスパラ」
「みらいちゃんアスパラ収穫体験&料理教室(マイカープラン)」は、小野市特産の「みらいちゃんアスパラ」を通して、地域農業の取り組みと東条川疏水の役割を知ってもらおうと企画されました。
東条川疏水とは、降雨量の少ない小野市や加東市、三木市など東条川流域の水問題を解消するために整備された広大な水路網のことです。同地域の農産業や住民にとってかけがえのないものとなっています。
2025年開催の大阪・関西万博に合わせ、兵庫県が取り組む「ひょうごフィールドパビリオン」にSDGs体験型地域プログラム「見て!動いて!味わって!東条川疏水博士になろう!」が登録認定され、その構成プログラムのひとつに「みらいちゃんアスパラ収穫体験」があります。本格的な開催前のプレ企画として今回の開催となりました。
「みらいちゃんアスパラ」は、東条川疏水がもたらす水資源とJA兵庫みらいが厳選した有機肥料や良質堆肥を使い産地化に取り組み、ブランド化したアスパラガスです。ハウス栽培で、生産者が手間を惜しまず厳重な肥培管理のもと栽培し、収穫後も鮮度管理をおこない出荷されています。そのため、甘く、瑞々しく、柔らかい食感のアスパラガスが生まれました。
兵庫県認証食品「ひょうご推奨ブランド」認定品で、JA直売所や地元スーパー・飲食店、JAオンラインストア「JAタウン」などへ、年間約40トン出荷されています。
「みらいちゃんアスパラ」を収穫しよう!
今回の企画は、マイカープランです。朝9時30分に体験をおこなう小野市中谷地区のビニールハウス近くに集合。地元の方をはじめ姫路市や加古川市から5組9名が参加してくれました。
はじめに収穫方法や注意事項を説明。
収穫には、長さの目安が付いた専用のハサミを使います。
ビニールハウスへと移動し、いよいよ収穫体験。
スーパーで売られているアスパラガスしか見たことがない人は、ハウスの中に入ると、きっと驚くことでしょう。
人の背丈よりも高い木(正確には多年草なので木ではなく、株(根株)と呼びます)がモシャモシャと生い茂っています。普段目にするアスパラガスからは想像できないのではないでしょうか。収穫する部分は、根元にあります。
アスパラガスは、まず根株を育てる必要があり最初の1〜2年は収穫できません。根株が育ち、しっかりと根を張れば、新しく出てくる茎を収穫します。根株が丈夫ならば、10年くらい収穫ができるのですが、収穫まで手間と時間がかかる野菜です。
私たちがスーパーなどで見かけるアスパラガスが見えてきました。成長が早く1日で6センチほど伸びるとか。写真の左側や手前にあるのが、茎が出てきて2日くらい。奥の方や右側に生えているのが4〜5日目で収穫のタイミングになります。
せっかく収穫するなら、おいしいものを選びたいところ。アスパラガスには繊維があり、その数は太くても細くても同じ。つまり、太い方がやわらかく、細いと筋っぽく感じるわけです。「みらいちゃんアスパラ」は、育ちもよく、太く立派なものがいっぱい。体験者も見たことの無い太さに驚きながら収穫していきます。
ちなみに、もうひとつのおいしさを決める条件は鮮度。採れたては、生でも食べられます。特に甘くてみずみずしい「みらいちゃんアスパラ」は鮮度が命。収穫体験の募集を見かけたら、ぜひ参加してみてください。
今回、収穫体験で持ち帰っていただく本数は5本。皆さん、立派なアスパラを手に喜んでいる様子。
最後に記念撮影して、料理教室の会場へと向かいました。
地域で守る「東条川疏水」
料理教室会場は、収穫体験をしたビニールハウスから車で10分ほど離れたところにある「ひまわりの丘公園」。約40万本のひまわりが咲く名所です。この日の開花状況は、5割に届かないくらい。それでも見応えがあります。
ここには、JA兵庫みらいの農産物直売所「サンパティオおの」があり、季節の野菜や農産加工品などが並びます。もちろん「みらいちゃんアスパラ」も販売しています。昼頃には売り切れてしまうことがあるので、欲しい人はお早めに。
料理教室の前に「東条川疏水」について学びます。
疏水とは、他の水源から水を引く目的で造られた水路網のこと。谷を越えるためのサイフォンの原理を使った導水管、ポンプの設置、水を等しく円筒分配するための分水など、歴史や文化、技術、先人たちの知恵が集積されています。
これらの施設を維持・管理し、次の時代に引き継いでいくため、地域全体を大きな博物館に見立てた「東条川疏水ネットワーク博物館」として活動を行っています。
PR動画には、東条湖がある鴨川ダム建設当時の話や疏水の仕組み、大切さに気づかされる内容になっているので機会があれば、ぜひ視聴ください。
「みらいちゃんアスパラ」を生かした料理教室
東条川疏水について学んだ後は、いよいよ料理教室です。
アスパラガスは栄養が豊富で、疲労回復やスタミナ増強、美肌効果に生活習慣病・認知症の予防など、体にいいことがいっぱい。いろいろなレシピを知っておきたい食材です。
協力いただいたのは、JA兵庫みらい女性会のみなさん。朝9時から準備していただきました。
大変なのは、アスパラガスの下ごしらえ。ハカマを取り、軽く水洗いをして根元の方の皮をピーラー等で剥きます。数本ならいいのですが、今回のために用意してくださった「みらいちゃんアスパラ」は、約200本! 事前の下ごしらえの大変さを考えるだけで頭が下がります。
アスパラ料理のコツは、手でポキリと折れるところで分けて、先端部分は柔らかいので炒め物やフライなどに、根元に近い方は煮たり焼いたりするのがおすすめ。火を通す場合も、おひたしなどはレンジを使えば簡単にできます。
料理教室は、プレ企画ということもあり初めての取り組み。段取りが整った料理教室というよりは、JA兵庫みらい女性会の指導のもと、手分けしてお手伝いする形で始まりました。
用意していただいたメニューを簡単に紹介。
・アスパラとホタテのバター炒め
・アスパラガスの豚肉巻き
・アスパラガスの豚肉巻きフライ
・アスパラ簡単バター炒め
・アスパラのおひたし
・アスパラの明太マヨネース和え
・アスパラの塩焼き
・アスパラ簡単ちらし寿司のおにぎり仕立て など
盛りだくさんのアスパラ尽くしです。
教室中には、いい匂いが立ち込めます。
肉巻きのアスパラはラップに包みレンジで1分加熱したものを使用。
フライは2度揚げにして衣をサクッと。
バター炒めは、アスパラを昆布水とオリーブオイルで弱火にして2〜3分煮詰め、バターを入れて炒める。最後にチーズを絡めてミニトマトを入れ、味を調えたら完成。
アスパラ簡単ちらし寿司のおにぎり仕立ては、レンジで蒸したアスパラをカットしたものや鮭のほぐし身、薄焼き卵、昆布などを入れ、酢飯のおにぎりにします。
スタッフの分も入れて20個。なかなかの量です。
出来上がったおにぎりがこちら。彩りもきれいなおにぎりです。
料理が終わり、「みらいちゃんアスパラ」をふんだんに使ったアスパラ尽くしプレートの完成。
1人当たり10本くらいのアスパラガスが使われています。
焼いたものや和え物など、料理によって火の入り具合が異なるため、食感や甘みもいろいろ。アスパラガス料理の幅広さを感じられる料理教室になりました。「みらいちゃんアスパラ」の素材の良さもわかり、多くの人に知ってもらいたいと改めて感じるひととき。「みらいちゃんアスパラ」おすすめです。
参加者の皆さんも「1年分のアスパラ食べたわ」と言いながら、夕食でも食べる気満々。収穫体験の「みらいちゃんアスパラ」で、「何を作ろうかな」と楽しまれている様子。直売所に寄って追加で買って帰るという人も。飽きることなく食べられる証ではないでしょうか。
最後に、JA兵庫みらい女性会のみなさんやスタッフと一緒に記念撮影
「みらいちゃんアスパラ」収穫体験&料理教室を終えて
アスパラガスの収穫体験は、子どもも一緒に楽しめる農業体験です。野菜嫌いの子どもでも食べられるメニューがあり、調理がしやすいのも特徴。ビールやワインにも合います。普段の食事では、彩りなどに使われることが多い食材ですが「みらいちゃんアスパラ」なら主役に据えても大丈夫です。
東条川疏水の恵みを次世代へと引き継ぐため、あらゆる人たちがさまざまな角度から資源の大切さや先人の知恵を伝えていくため、引き続きイベント等の開催が予定されています。詳しくは、東条川疏水ネットワーク博物館公式サイトの他、ローカルプライムでもツアー参加募集などの情報を掲載していきますので、参考にしてください。
次回は「令和6年度東条山田錦の里探訪ウォーク」について掲載予定です。
日時:令和6年9月22日(日)9:00~
集合:東条福祉センターとどろき荘(加東市岡本1571-1)
申込期間:令和6年8月1日(木)~8月30日(金)まで
申込先:東条山田錦フェスタ実行委員会事務局(加東市役所産業振興部農政課内)
後日加東市HP (イベント情報/加東市 (kato.lg.jp)の他、ローカルプライムを通じて参加募集予定。
本記事は「ひょうごフィールドパビリオン SDGs体験型地域プログラム」に認定された「見て!動いて!味わって!東条川疏水博士になろう!(東条川疏水ネットワーク博物館)」におけるプログラム紹介記事の2回目として掲載しました。今後も活動の内容など紹介していきます。
(ライター 塚本隆司)
※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)
姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。