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【東条川体験①】加東市で「泥んこサッカー&サツマイモ植え体験」リポート

「泥んこサッカー in 加東市 〜Bioファーム体験〜」(主催:北播磨地域の活性化推進研究会)

兵庫県加東市で東条川疏水の役割や農作物の魅力を知ってもらおうと「泥んこサッカー in 加東市 〜Bioファーム体験〜」(主催:北播磨地域の活性化推進研究会)が2024年5月19日(日)に行われました。 場所は、やしろショッピングパークBio付近の田んぼ(兵庫県加東市社)。東条川疏水が育む加東市の農作物と自然を満喫できる企画に今回も多くの人が参加し笑顔になりました。 その様子を紹介します。

「泥んこサッカー in 加東市 〜Bioファーム体験〜」開催

加東市と小野市・三木市の農業用水や水道水は、東条川疏水によって支えられています。
東条川疏水とは、戦後の食糧増産のため築造された鴨川ダムと1934(昭和9)年築造の昭和池を水源とした約3千ヘクタールの農地に張り巡らされた広大な水路網で、この水の恵みが酒米山田錦をはじめとする同地域の農産業や住民にとってかけがえのないものとなっています。

会場内に東条川疏水を紹介するテントを設置
会場内に東条川疏水を紹介するテントを設置

「泥んこサッカー in 加東市 〜Bioファーム体験〜」は2022年から始まり、今回で3回目。主催は、地元商農工会が結成した「北播磨地域の活性化推進研究会」で、東条川疏水が育む加東市の農作物や自然にふれてもらおうと連携事業者とともに企画されました。「東条川疎水ネットワーク博物館」の活動の一環になっています。

「泥んこサッカー in 加東市 〜Bioファーム体験〜」の対象者は5歳から12歳(小学6年生)。加東市内外から参加者を募り、田植え前の水を張った田んぼでの「泥んこサッカー」と「サツマイモの苗植え」を行います。

子どもたちと一緒になって盛り上げてくれるのは、北播磨地域で農作業の手伝いや北播磨の米を購入するなど、地元農家とのつながりが深い女子フットサルチーム「アルコ神戸」の選手たち。子どもたちが加東市の農業や自然に親しめるようにサポートをしてくれました。

当日の申込者は24名。A班、B班に分け「泥んこサッカー」と「サツマイモの苗植え」を交互に行います。「泥んこサッカー」は、班内で4チームに分かれ、1ゲーム7分の計4試合を実施。

予定では、「泥んこサッカー」と「サツマイモの苗植え」を午前・午後でA班・B班の交代を行い、昼食は、やしろショッピングパークBio前で同時開催されていたマルシェを利用する予定でしたが、時折小雨が降る天候のため予定を変更。午前中に全てのプログラムを終わらせることになりましたが、子どもたちはもちろん、それを見守る保護者たちも大いに笑って楽しめました。

白熱!泥んこサッカー

どろんこサッカーの会場となる田んぼは、事前に安全確認を行い、ゴールポストを設置し準備が整えてあります。 参加者こと出場選手は、園児から小学生の子どもたち。加えて、アルコ神戸のメンバーが一緒にどろんこになりながら、ゲームを盛り上げてくれます。

選手は、おそるおそる田んぼの中へ。少しひんやりとした水とドロの感触で「うわっ!」と声をあげながら入っていきます。

キックオフの合図とともにボールを蹴れば、水しぶきならぬ泥しぶき。気になるのも最初の数秒で、夢中になってボールを追いかけます。

楽しんでいるのは、選手たちばかりではありません。
応援する保護者たちも大はしゃぎ。スマホを片手に撮影するのはもちろん、声をあげての応援。泥んこになっていく姿に涙混じりで笑う人も。田んぼの中でこれほど、笑いや拍手がおきることは、めったにないでしょう。

7分間のゲームが終われば、誰だかわからないくらいにどろんこになっている子も。今回の参加者の多くは、前回も参加した子どもたちが大半を占めているとか。一度、体験するとやめられないのかも知れません。
ゲーム終了後は、シャワーが使え、たき火で暖をとれるように準備してありました。

泥んこで遊ぶことなどめったにない現在。普段は泥まみれで帰ってくると怒りたくなる保護者もこの日だけは別。思う存分遊べるまたとない機会であり、会場全体の一体感が生まれる楽しい光景が見られました。 「大人も参加したい!」という要望もあり、次回が楽しみです。

真剣!さつまいも苗植え農作業体験

苗を植える前の畑
苗を植える前の畑

さつまいもの苗植え体験は、休耕田を活用しておこなわれます。事前に土作りや畝立て(土を盛り上げ、野菜を植える山と通路や水はけを良くする環境を整えること)などを行い、この日を迎えています。

はじめに、東条川疏水について学ぶための紙芝居。子どもたちにとっては、当たり前のようにあり、知らずのうちに恩恵を受けている水資源について、アルコ神戸のメンバーたちが子どもたちにわかりやすく説明してくれます。

紙芝居の後には、スタッフからのさつまいも苗植え方法の説明。「わかったかな?」の声にみんな元気に返事をしてくれます。

説明が終われば、実際に苗を植えていきます。今回、植える品種は「紅はるか」。蜜をたっぷり含んだ美味しいサツマイモになる人気の品種です。1人当たり、10本ほどの苗をもらい植えていきます。

アルコ神戸のメンバーやスタッフに教わりながら、こわごわと土に触れていた子どもたちも、1,2本植えれば要領をつかんだようで、後は自分たちで手際よく植えていきます。その表情も真剣そのもの。見守る保護者たちも普段見せない子どもたちの表情に驚くほどでした。

さつまいもの苗植え後の記念撮影(参加者の一部)
さつまいもの苗植え後の記念撮影(参加者の一部)

秋になれば、芋掘り体験が行われます。それまでの間、子どもたちも近くを通る度に、気になるようで、この日のことはいつまでも思い出として残るに違いありません。 昨年は、驚くほど大きな芋が採れ、とても美味しかったとか。今回苗植えに参加した人たちに優先的に参加資格がありますが、追加募集もある予定とのことです。

今後の活動について

今回の会場近くでは、「Join halK & かとうファーマーズ マルシェ」が開催され、ミニステージや加東市の農産物販売、キッチンカーなどによるグルメ、子どもたちが楽しめるゲームコーナーなどがあり、にぎやかな1日となりました。

「北播磨地域の活性化推進研究会」では、今回植えたサツマイモの芋掘り体験(10月頃)など、自然と触れ合える企画を予定しています。

「東条川疏水ネットワーク博物館」では、加東市や小野市など各所でさまざまな団体と協力し、東条川疏水を活用したPRを予定しています。2025年大阪・関西万博に合わせて兵庫県が取り組む「ひょうごフィールドパビリオン」にもSDGs体験型地域プログラム「見て!動いて!味わって!東条川疏水博士になろう!」として登録し、多くの人に農業と水の関わりやそれにまつわる先人の知恵を学ぶプログラムが用意されています。

2024年7月9日(火)には、小野市の特産品「みらいちゃんアスパラ」の収穫体験会をはじめ、いくつものイベントを予定しています。詳しくは、東条川疏水ネットワーク博物館公式サイトの他、ローカルプライムでもツアー参加募集などの情報を掲載していきますので、参考にしてください。

東条川疎水の恵みを次世代へと引き継ぐため、あらゆる人たちがさまざまな角度から資源の大切さや先人の知恵を伝えていこうと活動されています。

本記事は「ひょうごフィールドパビリオン SDGs体験型地域プログラム」に認定された「見て!動いて!味わって!東条川疏水博士になろう!(東条川疏水ネットワーク博物館)」におけるプログラム紹介記事の1回目として掲載しました。今後も活動の内容など紹介していきます。

東条川疏水ネットワーク博物館公式サイト

(ライター 塚本隆司)

※本記事は2024年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)

姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。

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