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没入感を楽しもう!『チームラボ 無限の連続の中の存在』姫路市立美術館

『チームラボ 無限の連続の中の存在』

姫路市立美術館で『チームラボ 無限の連続の中の存在』が開催中です。同館では4年ぶりとなるチームラボの展覧会。前回開催の記憶が深く刻まれている人も多いのではないでしょうか。
今回は、前期(7月22日〜10月9日)・後期(10月21日〜2024年1月21日)合わせて計10点の作品を展示。前期と後期で全く異なる作品世界が展開される楽しみな企画展になっています。キーワードは「没入感」。作品と一体になってお楽しみください。

姫路では4年ぶり開催のチームラボ展

4年前、リニューアル工事を終えたばかりの姫路市立美術館で開催されたのがチームラボ展。美術館といえば、静かに作品ひとつひとつと向き合い鑑賞するものばかりと思っていた多くの人に、会場内全体が映像によって包まれた中を歩きながら鑑賞するスタイルを提示し「こんな楽しみ方もあるんだ」と教えてくれた展覧会した。あのチームラボ展が姫路で4年ぶりに開催中です。

『チームラボ 無限の連続の中の存在』

今回展示される『チームラボ 無限の連続の中の存在』は、姫路市立美術館開館40周年記念・姫路城世界遺産登録30周年記念とオールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクトの一環として開催されています。期間は前期・後期に分かれ、前期は2023年7月22日(土)から10月9日(月・祝)まで、後期は10月21日(土)から2024年1月21日(日)まで開催。作品は全て入れ替えられ、計10作品が公開されます。

観覧者が自由に動き回る現実空間とチームラボ独自の映像技術で生みだす作品空間がボーダレスにつながる一体感に没入できる展覧会です。チームラボ展は各地で開催されていますが、例え同じ作品であっても会場が違えば、その広さや柱の位置などレイアウトによって見え方が異なるため、姫路市立美術館だけの空間を作り出してくれています。

チームラボが大切にしているのは「超主観空間」を作り出すこと。言葉にするのも、頭で理解するのも難しいですが、自分がいる現実の場所と作品の中で見ているものがつながり、時間の経過とともに異なる感覚が生まれるので、心のままに体感することが、一番の楽しみ方です。
この記事の中では写真を使っていますが、時の流れの一瞬を切り取ったに過ぎません。時間を楽しみながら作品との一体感に包まれる没入感。それが、この展覧会の醍醐味ではないでしょうか。

前期作品5点を簡単に紹介

『チームラボ 無限の連続の中の存在』の前期(2023年7月22日(土)〜10月9日(月・祝)まで)の5つの作品を簡単に紹介します。

日本的な掛け軸がデジタル化

「生命は生命の力で生きているⅡ」は、日本的な掛け軸がデジタル化されたように見えますが、チームラボの作品はその域を遥かに超えていきます。レンズや遠近法で切り取った作品をディスプレイ面に映し出しても、そこには境界線があるはずですが、ここにはありません。自分がいる現実世界と作品空間が立体的につながっているので、近づいてよく見てください。
緩やかに動いている映像の中に「生」の文字が見えてきます。見えなければ、時間を置いて再度試してみてください。

「Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象」

「Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象」は、光の点に触れることで、点の明滅と色相のリズムが変化してバラバラになったかと思うと、また集まってくる引き込み現象を作品化したもの。光の明滅と空間に響く音色とともに、作品の中へと参加する高揚感を感じる作品です。

作品
作品

「増殖する無量の生命の森」は、一方を眺めるより周りを見渡しながら楽しみたい作品。花々の生と死。ふれれば散っていく花。ずっとその場に身を置いていると、映し出されている花と対話をしているような時間が過ごせます。

「反転無分別 - Light in Dark」

「反転無分別 – Light in Dark」ここも不思議な空間です。筆で宙に描く「空書」。チームラボでも空間に書く「書」のことを「空書」といい、墨跡の深さや速さ、力強さをチームラボ独自の解釈で立体的に再構築することで、書が平面と立体との間を行き来しています。

「超主観空間」

1つ目に紹介した掛け軸のような作品「生命は生命の力で生きているⅡ」も空書で「生」の文字が書かれている作品。これがチームラボの「超主観空間」のすごさです。
作品は一定方向に回転しているはずなのに、視覚的には左回転にも右回転にも見える不思議なもの。誰かと行くなら、どう見えているか話し合うとおもしろいでしょう。同じものを見ているはずなのに、違うものが見えているかも知れません。

「Dissipative Figures – Human, Light in Dark」

「Dissipative Figures – Human, Light in Dark」は、人の姿のようなものが見え、常に動いています。チームラボでは「光の彫刻」といい、デジタル空間で立体的な彫刻作品を作っているのです。この作品は、線の渦のようなものが動いて曖昧な境界によって人の姿のようなものを、より生命力にあふれた力強い作品として見せてくれています。「無限の連続の中の存在」。この言葉が重く伝わってきます。近づいたり離れたりして鑑賞してみてください。

※後期展示(参考画像) チームラボ《群蝶、儚い命》©︎ チームラボ
※後期展示(参考画像) チームラボ《群蝶、儚い命》©︎ チームラボ

後期(10月21日(土)から2024年1月21日(日))には、別の作品が展示されます。全く異なる作品世界を見せてくれるとのことなので、楽しみです。混雑緩和のため、土日祝は日時指定予約ができるので活用をおすすめします。
「チームラボ 無限の連続の中の存在」 

事前予約システム

「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」

今回、姫路市立美術館での開催に先立ち、関連企画展として書写山圓教寺で「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」が2023年4月29日(土・祝)から12月3日(日)まで開催中です。美術館での展示とは、まったく異なる趣向の展示なので、まだ見ていない人は合わせて鑑賞するのもいいでしょう。
「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」については、こちらの記事で紹介しています。

【姫路】存在しないはずのものが見える!?「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」

『庭園アートプロジェクト』もおすすめ

「平井優子 ダンス×中谷芙二子《白鷺が飛ぶ》霧の彫刻 #47769 -Yohaku(余白)-」 2023年3月12日 パフォーマンス風景 ©Fujiko Nakaya ©Yuko Hirai
「平井優子 ダンス×中谷芙二子《白鷺が飛ぶ》霧の彫刻 #47769 -Yohaku(余白)-」 2023年3月12日 パフォーマンス風景 ©Fujiko Nakaya ©Yuko Hirai

姫路市立美術館では前庭を活用した「庭園アートプロジェクト」の一環として、霧の彫刻を生み出す“霧のアーティスト”中谷芙二子氏による庭園アートプロジェクト第2弾となる『中谷芙二子《白い風景ー原初の地球》霧の彫刻 #47769』を、2023年5月3日(水・祝)から11月26日(日)まで開催しています。

庭園アートプロジェクトとは、世界文化遺産・国宝「姫路城」、国登録有形文化財「姫路市立美術館」、そして13点の彫刻作品が展示された庭園を一望に収める唯一無二の景観そのものを作品化する取り組みです。

霧は、午前10時から17時の間、1時間に2回発生します。通常時は、毎時00分から10分間、毎時30分から5分間。くもりや低温高湿度の場合は、毎時00分から5分間、毎時30分から5分間となり、雨天や湿度100%の場合は一時休止になります。観覧料は無料。チームラボ展と合わせてお楽しみください。

(ライター 塚本隆司)

【5名様限定】姫路市立美術館ペア入場券プレゼント

※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

姫路市立美術館『チームラボ 無限の連続の中の存在』

住所兵庫県姫路市本町68-25
期間前期 2023年7月22日(土)〜2023年10月9日(月・祝)
後期 2023年10月21日(土)〜2024年1月21日(日)
定休日月曜日(ただし、9月18日、10月9日、1月8日は開館)、
9月19日(火)、12月28日(木)から1月3日(水)、1月9日(火)
※2023年10月21日(土)からの後期展示では、前期と全作品を入れ替え、新作を含む5点が展示されます。
問合せ先079-222-2288
料金一般1,500円、高大1,100円、小中700円
アクセスJR姫路駅から徒歩約20分、
神姫バス(7)または(8)乗り場から[3,4,5,61,62,64,81,82,84,86番]乗車約8分、
「姫山公園南・医療センター・美術館前」停留所下車すぐ
駐車場周辺駐車場を利用
公式サイトhttps://www.city.himeji.lg.jp/art/

ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)

姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。

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