
兵庫県多可町の山あいに位置する足立醸造は、1889年創業の老舗醤油蔵です。現在では希少となった木桶仕込みを守りながら、国産有機醤油づくりにも力を注いでいます。日本の醤油の約99%がタンク仕込みへと移行するなか、あえて木桶と有機という道を選び続けるのはなぜなのでしょうか。そこには、日本の発酵文化を未来へつなぐ使命と、農家の暮らしを支えたいという強い想いが込められています。
兵庫県のほぼ中央、千ヶ峰の豊かな自然と清らかな水に恵まれた多可町。この地で足立醸造は、130年以上にわたり醤油づくりを続けてきました。創業以来、大切に守り続けているのが木桶仕込みです。現在の醤油業界では、製造の効率化から約99%がステンレスタンクによる製造といわれますが、足立醸造では木桶による発酵・熟成にこだわり続けています。さらに、麹づくりから瓶詰めまでを自社で一貫して行う、数少ない蔵の一つでもあります。

足立醸造が近年特に力を入れているのは、国産有機醤油です。その挑戦のきっかけは、消費者団体からの相談でした。有機JAS認証取得後も、すぐに販売が伸びたわけではありません。それでも有機農業の価値を信じ、製造を継続。現在では仕込む諸味の大半が有機製品となっています。
足立醸造が目指すのは、単なるオーガニック商品の製造に留まりません。「誰が、どこで、どのように育てた原料なのか」。その背景まで見える醤油づくりです。有機農業は手間もコストもかかりますが、継続することで農家の安定した収益につながり、日本の農地や環境を守ることにもつながります。足立醸造はそんな未来への想いを込めて取り組みをしています。

足立醸造の蔵には、大小あわせて約60本もの木桶が並びます。これは関西でも最大級の規模とされています。木桶には長年住み着いた酵母や乳酸菌が存在し、それらの微生物たちが自然の温度変化のなかでゆっくりと働くことで、複雑で奥深い味わいの醤油が生まれるのです。
熟成期間は1年以上。なかには2年近く熟成させるものもあります。効率だけを求めれば決して選ばない方法かもしれません。それでも木桶を守り続けるのは、日本の発酵文化そのものを未来へつなぐという、足立醸造の強い信念があるからです。

2022年には、有機醤油熟成蔵が完成しました。この新蔵は、国際的な食品安全基準への対応を進め、海外輸出を見据えた施設として整備されています。目指しているのは、単なる販路拡大だけではありません。木桶仕込みや日本の発酵文化そのものを世界へ伝えること。地域の小さな醤油蔵が世界へ挑戦するその姿勢は、多可町という地域の可能性を広げる取り組みでもあります。

足立醸造は、単なる醤油メーカーではありません。地域の自然、農家、発酵文化、木桶職人の技術など、多くの人や文化を未来へつなぐ存在です。Localprimeが大切にしているのは、商品の背景にある物語。なぜその商品が生まれたのか、なぜ今も作り続けているのか。足立醸造には、その問いに対する確かな答えがあります。だからこそ私たちは、兵庫県を代表する作り手として、その魅力を紹介しています。
MONZENでは、地域のストーリーが宿る商品を大切にしています。足立醸造の醤油には、130年以上受け継がれてきた技術と、農家とのつながり、そして発酵文化を未来へ残したいという強い想いが宿っています。現在、MONZENでは「国産有機しょうゆ」と「黒大豆しょうゆ」を取り扱っています。旅の途中で手に取る方もいれば、自宅用や贈り物として選ぶ方もいらっしゃいます。姫路観光の思い出として、あるいは兵庫の食文化を持ち帰る一品として、多くの方にその価値を届けられる商品だと感じています。

〒679-1212
兵庫県多可郡多可町加美区西脇81-1
1889年(明治22年)
木桶仕込み醤油・味噌の製造販売
https://www.instagram.com/adachi_jozo/
※2026年6月時点の情報です。
