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築100年の古民家で、こころほどける体験を。木綿製品店『棉屋』善兵衛さんに教わる藍染体験

 

2022年も折り返し。上半期で思い出に残っている体験はありましたでしょうか? 梅雨明け、本番の夏におすすめしたいのが、『棉屋 藍染体験』。

 

ハードルが高そうに思える藍染も、アットホームな空気漂う『棉屋』店主の澤田善弘さんの手にかかれば、興味深く、もっと知りたい体験へと印象が変わるのです。  

 

 

 

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棉屋(わたや)と善兵衛さん

 

姫路城西側に位置する、藍染体験ができる藍染布・藍染雑貨の店『棉屋(わたや)』。

 

築100年を誇る古民家に足を踏み入れると、広い天井にはいくつもの梁が見え、懐かしくて温かな空間が広がります。
 

この場所で、20年前から体験教室をひらいているという澤田善弘さんに教わりながら、藍染体験を行いました。

 

善弘さんは「善兵衛さん」という愛称でこの藍染教室の先生をされています。

 

 
棉屋をスタートさせたのは、「日本の暮らしのお手伝いをしたい」という想いと、「綿が身近な衣服に使われているにも関わらず、原材料がどのようにできているか知っていない人が多いのでもっと知ってもらいたい」という想いから。


 

お祖父さんが携わっていた綿のお仕事の影響で、ふわふわの綿に囲まれて育った善兵衛さんにとって綿は身近な存在でした。

 

倉庫で遊んだ記憶は今でも残っていて、「綿のぬくもりや柔らかさを知ってもらいたい」と綿を通じて成長した自分だからこそ、多くの人たちに、綿について知る機会をつくれないかと考え、今の拠点を作られています。

 

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気軽に楽しめる藍染をきっかけに、綿の存在を知ってもらえたら、かつての日本人がこよなく愛した藍染め・草木染めの魅力をこの場所で味わってもらえたら嬉しい、と言います。

 

そんな善兵衛さんから教わる「藍染体験」をレポートします。

 

棉屋で藍染体験にチャレンジ!

藍染

  

今回、バイヤー・編集部で体験するのは、A4サイズのエコバックの藍染です。

 
水玉やマーブル柄、また放射線状に広がる波紋等様々な柄のサンプルを見せていただき、「どんな模様が好きですか?」とヒアリングがスタート。

 
作りたい柄を始めに決めて、そのあとに藍色を濃くしたいか・薄くしたいかを考えていきます。(藍瓶の中で布をつけたりあげたりする回数が多ければ多いほど濃くしあがるそう。)

 

私たち2人は濃いめと薄めを選択し、それぞれの模様を作るため、下準備を進めます。

 

 

水玉柄を作るためには、あらかじめ生地に水玉を描き、その部分が藍液に染まらないように、くるくるっと生地をねじってラップをかけ輪ゴムで止めていきます。この「絞り染め」をすることで液の侵入を防ぎ、きれいな丸をつくることができるのです。

 

 

つけたり、あげたりを5回ほど繰り返します。空気を触れることによって、はじめ薄緑だったものがどんどん藍色へと変色していきます。

 

 

そしてゴム手袋もピンク色がどんどん青色になっていきます!
(短時間で変わっていく色を見ていると実験しているようなワクワク感を覚えます。)

 

 

続いて、編集部員が体験。

 

サンプルで見せていただいたトートバックのマーブル柄が空のようで綺麗だと思ったので、同じものを作りたいと善兵衛さんに伝えると、薄い色味は染色を2回ほどすれば完成するよと教えてもらいました。

 

 

こちらも雲となる部分(白色部分)をつくるため、ゴムで生地をきつく縛り、液がつかる表面積を小さくていきます。この塊に新たにビニールひもをつなげて、まるで釣り竿のような形にします。

 

 

これを藍瓶へとそ~っとつけおきます。2,3回繰り返して、水場で洗い流します。

 

(タイルが敷き詰められた水場が素敵です。)

 
「水回りが普通のシンクだと、お客様がご自宅の洗い場を思い出して家事をしなくちゃ・・!って思われるかもしれないですよね。 それがないように水回りをシックなタイルにしたんです。おうちのお仕事を忘れられる、ほっと息がつけるような空間にしたくてね。」

 

 

洗った生地を広げると、素敵な柄のできあがり。仕上がった色味と柄は、染めていたときとは別物で
発色が良く綺麗で嬉しくなりました。ドット柄と空柄が完成しました。

 

メンバーの感想

 

リノベーションされた古民家がとても素敵で、なんといっても善兵衛さんのお話やお人柄などの魅力あふれる藍染体験。エコバックが出来るまでの、とてつもないワクワク感が非日常でした。自分の好きなように柄も色も何もかもを自由に決めることが出来るのも魅力で周りに自信をもって勧めることができる体験です!(YUKA)

 

藍染体験をするのは初めてで、上手くできるか心配でしたが、自分の作りたいもののイメージに応じて善兵衛さんがユーモアをまじえながら優しく教えてくださったので、理想以上のトートバックを仕上げることができました!小学生が「ここ、落ち着くね」というのも納得の空間でほっと心が癒されます。(CHIKAKO)

 

糸で愛をつむぐ。『姫路木綿』再生への想い

 

   

江戸時代に姫路では綿花栽培がさかんになり、姫路藩による専売で「姫路木綿」は日本全国に流通しました。これにより、当時苦しかった姫路藩財政の復興につながったそうです。

 
善兵衛さんはこの歴史を踏まえ、「姫路木綿」の復活を目指すプロジェクトを開始しました。

 

夢前町の畑で昔ながらの栽培方法かつ無農薬で「姫路木綿」を仲間とともに育て、小学校の教育プログラムでも開放するなど発信に努めています。

 
10数年前に授業で教えた学生さんが20年ぶりくらいに棉屋に藍染体験しにこられたときはとても嬉しく、記憶の片隅に残してくれていたことが嬉しいと微笑む、善兵衛さん。

 
「姫路木綿」を素材に織られた木綿生地は薄くてやわらかい手触りであり、現在、姫路木綿の良さをどう生かしていくか、人にあたたかな気持ちになってもらえる存在となるように商品化したり、体験化したりとアイデアを募り議論されているそうです。この活動は綿を楽しみたいという方向けのメンバー制度「ワタトモ」で行われています。

 

『綿を育ててみたい!』『糸を紡ぎたい』『織ったり、編んだりしてみたい』『綿の商品化に興味がある!』という方は、下記連絡先までぜひお問い合わせください。
 

棉屋INFO ☎079‐294‐5555 HP http://e-wataya.jp/ 

 

  

バイヤー・編集部コメント

大正時代の建物に身を置いて、原料の棉に触れ、藍染の匂いを嗅ぎ、善兵衛さんのお話を聞く。非常に価値ある体験ができました。一般的な藍染体験施設では、あらかじめ「柄」や「浸す回数」を決められていますが、「棉屋」ではすべて自由!おおらかでユニークなお人柄の善兵衛さんとの藍染体験はあっという間に過ぎ、とても心地の良い時間でした。小さいお子様から大人まで、どなたでも楽しめる工夫を凝らされているので、ご家族・ご友人・恋人と一度藍染体験してみてはいかがでしょうか。

(文/CHIKAKO・YUKA 写真/CHIKAKO)

編集部 CHIKAKO

1991年、兵庫県姫路市生まれ。おいしいもの、音楽、本が好き。お酒は日本酒が好物。趣味は写真撮影で、週末はだいたいカメラで遊んでいます。地域の熱量をお届けできるように頑張ってまいります。

バイヤー YUKA

1994年生まれ。各地転々としましたがここ10年ほどは兵庫県在住です。旅行会社での営業経験を経て、Local Primeのバイヤーになりました。旅行はもちろんですが、食べることやバレーボールが好きです!地域の魅力をたくさん発信して、この地を訪れていただくきっかけ作りが出来たら嬉しいです☆

  

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