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かわいい器がいっぱい!丹波焼のまちで注目の女性陶芸家たち

丹波焼の里、今田町立杭地区

丹波焼の里、今田町立杭地区にたくさんの窯元があることは、『ローカルプライム』でも紹介してきました。その中で最近目を引くのが、とってもキュートな器です。まるい形、淡い色、絵柄など、作家ごとにテイストが違って目移りしてしまうほど。作っているのは、窯元の家に生まれて自身も陶芸の道に進んだ女性陶芸家たち。今回は3人の陶芸家を紹介します。それぞれの工房は近くにあるので、見て回るのも楽しいですよ。

『末晴窯』西端春奈

西端春奈

3代続く窯元『末晴窯』は道路に面して2つのギャラリーがあります。向かって右側の建物に父・西端正氏の作品、左側の建物に春奈さんの作品が並んでいます。春奈さんのギャラリーに入って、一瞬で目が惹かれるのが器に描かれた可憐な絵です。自然をモチーフにした華やかな絵柄は、丹波焼ではほかに見られないテイストです。

西端春奈

春奈さんは美術大学でプロダクトデザインを学び、丹波に戻って父から陶芸のいろはを習いました。丹波の窯元では家族で器を作ることが多いのですが、春奈さんのお母さんも『末晴窯』の一員として、白化粧(白地)に針を使って彫り、白い絵を描いています。それを手伝ううちに色を入れるようになりました。

右側のギャラリーの奥に工房があります
右側のギャラリーの奥に工房があります

絵はすべて手描きで、動物や植物など、その時に気になったものを描いているそうです。くっきりした色と針での掻き落としが特徴。「食卓が華やかになって、使う人の気持ちが上がるように」と心を込めて作っています。

『スタックボウル』(大4,400円、小3,850円)
『スタックボウル』(大4,400円、小3,850円)

つばめ模様は、友達の結婚の際に引出物としてオーダーされたことが始まりでした。作ってみたら、かわいくて評判も良かったことから次々にいろんな器に展開しました。

鯛づくし/『傘徳利』(左33,000円)、『蓋物』(右88,000円)
鯛づくし/『傘徳利』(左33,000円)、『蓋物』(右88,000円)

ふわふわと流れるような筆使いでヒレを描いた魚のモチーフ。重ね塗りをする部分としない部分を巧みに分けて透け感を出しています。

(左から)『タイサンボク/マグ』(4,400円)、『金魚/マグ』(3,300円)、『椿/マグ』(3,300円)
(左から)『タイサンボク/マグ』(4,400円)、『金魚/マグ』(3,300円)、『椿/マグ』(3,300円)

近くの山や庭の花など、身近な草花がキュートに描かれています。彼岸花、椿、南天、ダリア、ミモザなど、季節を感じて気持ちが華やぐ色使いです。

末晴窯

住所兵庫県丹波篠山市今田町上立杭2-9
電話番号079-597-3162
営業時間9:00~18:00
定休日不定休
アクセスJR相野駅からウイング神姫で「清水」行き、
美山台バス停下車、徒歩約10分
駐車場あり(5~6台)
HPなし
SNShttps://www.instagram.com/haruna24810/

『省三窯』市野麻由子

市野麻由子

『省三窯』の市野麻由子さんは、岡山県立大学でデザインと陶芸を学び、卒業後は瀬戸内の現代アートの美術館に勤務。アートに接しながら来館者対応や解説をするうちに、自身もものづくりがしたいと思うようになりました。

市野麻由子

そして丹波に帰って5年、同じ工房で作陶をしている父や兄、さらに地域の先輩方の作品にふれるたびに学びがある日々。流行のくすみカラーを取り入れるなど「このまま自分がいいと思うものを信じて作陶していきたい」と前向きに前進中です。

『釉飾りぐい呑』(手前5,500円、奥4,400円)
『釉飾りぐい呑』(手前5,500円、奥4,400円)

オレンジの細かい濃淡がボーダー柄になったカップ。丁寧な手作業から生まれるかわいらしい器です。

『花皿』(大2,750円、豆皿880円)
『花皿』(大2,750円、豆皿880円)

丹波の赤土の上に白い釉薬をかけた丸皿のふちを花びらのように形づくり、等間隔にオレンジの濃淡を飾った人気のお皿です。

『黄色シリーズ』(小鉢2,200円、飯碗小1,870円、マグカップ2,750円)
『黄色シリーズ』(小鉢2,200円、飯碗小1,870円、マグカップ2,750円)

草むらをイメージした器は、ところどころに草花の色をあしらい、まるいフォルムが手になじみます。

ギャラリー

ギャラリーの奥は、父や兄とともに作業を行う工房です。

省三窯

住所兵庫県丹波篠山市今田町上立杭2-2
電話番号079-597-3450
営業時間10:00~17:00
定休日なし
アクセスJR相野駅からウイング神姫で「清水」行き、
美山台バス停下車、徒歩約10分
駐車場あり(3台)
HPhttps://shozogama.com/

『大熊窯』大上恵

大上恵

県道沿いで、ひときわ目立つ立派な登り窯(尾中の登窯)があるのが『大熊窯』です。代々大切に使われている登り窯ですが、台風の被害にあったり経年で傷んだりしていました。その改修が終わり、2023年に丹波篠山市の景観重要建造物(第10号)に指定されました。伝統工芸士で古丹波のような渋い作品が多い大上巧氏を父に、現代アート的な作品を作る伊代さんを姉にもつ恵さんは、やさしい雰囲気の食器を作っています。

大上恵

「家業は姉が継ぐだろうから自分は別の道に」と恵さんは歯科助手の道に進みました。ある時、何気なく見たテレビに、2年の年月をかけて修復された「最古の登り窯」の初焼成が映し出されました。その時、「全長47メートルもある登り窯に薪をくべ、窯の温度を目視で確認して大量の陶器を焼く陶芸家の皆さんがとてもかっこよかった」と衝撃を受けます。子どもの頃から地元で当たり前のように見ていた光景、父を含め知った顔ばかりだったのに、なにかが変わった瞬間でした。

大熊窯

家族の反対を押し切って仕事を辞め、陶芸の専門学校へ進み、卒業後は実家に戻って陶芸の道に入った恵さんを、今は家族も応援してくれています。家族3人の作品が並ぶギャラリーで、かわいらしい雰囲気をまとっているのが恵さんの作品。「部屋にあると、その場が華やぐようなもの。料理を単純に盛り付けただけで完成度が上がる器」を意識しているそうです。

『一輪挿し』(各3,850円)
『一輪挿し』(各3,850円)

彫りを入れた部分に細かく釉薬をのせた花器。淡いパステル調が女性に人気で、カフェでも使われています。

『彩りリム皿』(各5,500円)
『彩りリム皿』(各5,500円)

白化粧の上に釉薬をのせて淡いパステル調に仕上げています。リムに華やかな模様があるお皿は料理を盛り付けやすいのです。

『お花のカップ&ソーサー』(8,800円)
『お花のカップ&ソーサー』(8,800円)

花好きの恵さんが花びらや葉をイメージした器。ツヤを出してより華やかなテイストです。

大熊窯

住所兵庫県丹波篠山市今田町上立杭尾中1
電話番号079-597-2345
営業時間10:00~17:00
定休日不定休
アクセスJR相野駅からウイング神姫で「清水」行き、
美山台バス停下車、徒歩約5分
駐車場あり(10台)
HPhttps://ohkumagama.com/
SNShttps://www.instagram.com/tanbayaki.ookumagama/
https://www.instagram.com/me_gumin28/

もともと、いろんなタイプがあるのが丹波焼の魅力ですが、女性陶芸家のセンスを生かした器は、これまでとは、ひと味もふた味も違う新しい風を吹き込んでいます。結婚や出産などのお祝いごとにもおすすめの器たち、ぜひお楽しみください。

(ライター 松田/ウエストプラン)
(撮影 草田康博)

※本記事は2023年6月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

株式会社ウエストプラン

松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。

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