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明治23年創業の老舗
『御菓子司 住吉堂本舗』は明治23年創業の和菓子店で、現店主の岩本教嗣(のりつぐ)さんで4代目になる老舗です。教嗣さんの曾祖父にあたる初代が神戸・春日野道で「春日堂」として開業し、昭和初期に五色町の住吉神社の近くに移転し、「住吉堂」と店名を変えオープン。その後、五色町都志の中心部を経て、令和元年、県道から近い幹線道路沿いに新築移転オープンしました。
こぢんまちりとした店内には、看板商品の『日の本嘉兵衛餅』のほか、常時5~6種類のオリジナル商品が並んでいます。
ショーケース後ろの壁に貼られたパネルには、地元の偉人・高田屋嘉兵衛の屋敷跡公園にある石碑、嘉兵衛をモデルにした司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』にも描かれ、彼が生前愛したとされる「菜の花」、住吉神社から見える美しい夕陽など、五色町都志のエリアを象徴するものを集めています。
通常の商品ラインナップはこちら
それでは、通常商品のラインナップを紹介しましょう。
まずは看板商品の『日の本嘉兵衛餅』です。こちら、第18回全国菓子博覧会金賞受賞、第19回同大賞受賞の文字通りの銘菓です。この地に生まれた高田屋嘉兵衛は江戸時代後期に活躍した海運業者で、エトロフ航路の開発や北方漁場の経営、江戸幕府の代理人としてロシアとの交渉に当たったことでも知られる偉人です。このお菓子は、その偉業に敬意をこめて、昭和42年に教嗣さんの祖父・八郎さんが考案したもの。求肥のもち米は富山県産、小豆は北海道産など嘉兵衛にゆかりのある場所からの原材料にこだわりました。また製造工程は企業秘密ですが至ってシンプル。考案当初の原材料を使い添加物は不使用、賞味期限も短い半生菓子です。製法も全く変えずに伝統を守っています。「シンプルイズベストです。国産の材料を使っているのでしっかりした味はでますし、素材のよさがストレートに伝わるお菓子だと思います」と教嗣さんは胸を張ります。
そのほか、年中ある通常商品は、濃厚な白あんがたっぷり入った『六方焼(きんつば)』、手作業で一つひとつ焼き上げあんも美味な『みかさ饅頭(どらやき)』、外サクッ中ふわっ食感のこしあん入り揚げ饅頭『ふらい饅頭』というラインナップです。
季節商品や新商品もおすすめ
5月から秋のお彼岸ごろまで登場する『本わらび餅』です。国産のわらび粉ときな粉で作ります。一つひとつのピースが大きくて、わらび餅のうまみを堪能できます。新商品の 『珈琲わらび餅』は、わらび粉にコーヒーペーストを混ぜて作ります。コーヒーの風味が感じられ、きな粉との相性も抜群。洋菓子のような和菓子のような不思議な味ですが、コ ーヒー好きははまるかも。
今年からデビューした季節商品『麩まんじゅう』です。「先輩のところで食べたら衝撃的においしかった。研究してうちでも作りました」。夏らしくさっぱりとした蒸し菓子です。青のりの風味が新鮮でした。
夏に登場する『かき氷』です。宇治金時に特製あんこをトッピングし、嘉兵衛餅や本わらび餅などをトッピングした和菓子屋らしい『かき氷』です。大小2サイズあるのもうれしいですね。
11月からGWまで置いている季節商品『チーズ饅頭』は、淡路島牛乳の生乳、北坂養鶏場の卵などを使って作った洋菓子のような和菓子。こちらも冬の人気商品です。そのほか、近隣農家のイチゴを使った『いちご大福』もシーズンには登場します。
和菓子文化を淡路島の暮らしとともに
淡路市、洲本市、南あわじ市の和菓子屋各2店舗、合計6店舗で、「淡路島の暮らしに寄りそう和菓子」として冊子にまとめました。1月~12月まで1年間の「菓子歳時記」とお宮参りから法要まで「人の一生と和菓子」を、淡路島の風習やしきたりなどにもふれながら紹介したもの。ところ変われば、和菓子の種類や食べ方も変わることがよくわかる興味深い内容です。
またイベント等で、上記6店舗の看板商品を入れたスペシャルセットのパッケージや、町おこしの一環として、どら焼き、フライ饅頭、サーターアンダギーといった共通するお菓子で「淡路島のお菓子食べ比べ」のイベントプランなど、和菓子で淡路島を盛り上げるさまざまな仕掛けを企画中です。これからもますます楽しみですね。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
御菓子司 住吉堂本舗
住所 | 兵庫県洲本市五色町都志198-1 |
電話番号 | 0799-33-0016 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
定休日 | 水曜(臨時休業はSNSにて) |
アクセス | 神戸淡路鳴門自動車道北淡IC・西淡三原ICより車で各約20分、 JR三ノ宮駅から淡路交通「五色バスセンター方面」行きバスで85分、 「五色バスセンター前」下車すぐ |
駐車場 | 5台 |
HP | https://sumiyoshidohonpo.com |
SNS | https://www.facebook.com/sumiyoshidoukaheimochi https://www.instagram.com/sumiyoshidohonpo |
ライター 歌見(うたみ)
晴れの国・岡山出身で、20代半ばで兵庫県赤穂市に移住。ライターという天職を見つけ、赤穂市内にとどまらず、兵庫五国くまなく回ることができました。五国それぞれに、独特の食文化があり、うまい酒があり…。食いしん坊の私を心身ともに潤してくれます。兵庫県の“間違いない”「食」や「人」や「イイもの」に関わる記事をお届けできたらと思っています。