記事・読み物
[news_side]
東条川体験④子どもたちと一緒に東条川疏水を満喫「水路deボート2024」リポート
東条川疏水を楽しみながら学べる恒例イベント「水路deボート探検2024」が2024年10月20日(日)に兵庫県加東市で開催されました。 今回は、ひょうごフィールドパビリオンに認定されたこともあり、SNSなどを通じ参加を呼びかけ、内容も子どもだけの体験イベントから親子で楽しめる企画としたことから、キャンセル待ちがでるほどの人気になりました。 東条川疏水を身近に感じられる楽しいイベントの様子を紹介します。
[news_side]
地域の生活を支える東条川疏水
農業や生活用水の水源として利用されている東条川疏水の水路を子どもたちがボートに乗って下る人気企画「東条川疏水を楽しもう!水路deボート探検」が、2024年10月20日(日)に開催されました。
東条川疏水は、1924(大正13)年にこの地域を襲った大干ばつを契機に1933(昭和8)年に三草山の麓に昭和池を、1951(昭和26)年には食糧難を解消すべく築造された戦後初のコンクリートダム・鴨川ダムを主な水源とした全長108kmにおよぶ水路網です。加東市や小野市、三木市に広がる3,000haを超す農地に水を送り、水道水としても利用されています。
地域の重要な財産であることから「東条川疏水ネットワーク博物館会議」が中心となり、次世代へ引き継ぐ活動が行われています。
「2025大阪・関西万博」に合わせ兵庫県が地域の魅力ある体験を発信していく取り組み「ひょうごフィールドパビリオン」にも「見て!動いて!味わって!東条川疏水博士になろう!」として、SDGs体験型地域プログラムに認定されています。
今回開催する「水路deボート探検」もその活動のひとつ。子どもたちに東条川疏水への親しみ持ってもらうとともに理解を深めてもらうイベントです。
内容は「疏水の役割を学び、加東市松沢の「安政池」周辺の幹線水路(約800m)を「楽しく学びながら探検しよう!」というもの。最大4人乗りのボードで水路を下ります。
稲刈りシーズンが終わろうとしているこの時期は水量を調整しやすく、ボート体験用に水量を少なくするなど環境や安全に留意し実施されました。
コースの途中では、探検前に行われる紙芝居をしっかりと聞いていればわかる東条川疏水クイズが5問出題されるので、探検後に答え合わせし全問正解なら景品がもらえます。
全国にある疏水の中でも珍しい企画のため、疏水の重要性を訴えることに苦労している自治体や管理団体からも注目されているイベントです。
これまでは、地元周辺の人たちの参加がほとんどでしたが、今回はひょうごフィールドパビリオンに登録されていることから、SNSや当サイトでも広く参加者を募集したこともあり、神戸や姫路、西宮や丹波からの応募もあって定員は満席。キャンセル待ちの問い合わせが出るほどの反響でした。これまで子どもだけの体験でしたが親子で一緒楽しめるようにしたことも人気の理由のようです。
集合場所はショッピングパーク
会場となる水路があるのは、山中にある安政池周辺。車を停めるような場所もないため、受付場所をやしろショッピングパークBIOのI駐車場に設置。ここから徒歩ですぐのバスターミナルに移動し、貸切バスでスタート地点に向かいます。
バスは、疏水によって開かれた田畑の風景を眺めながら、山の中へと進んでいきます。スタート地点近くでバスを降り探検の出発地点へ。
体験する人は救命胴衣を着用し、準備ができれば始まりです。
まずは、東条川疏水博士による東条川疏水についての解説です。東条川疏水がなぜ必要になったのか、何に使われる水を運んでいるのかなど、紙芝居を使って疏水の大切さを学んでいきます。
解説が終われば、早速クイズの1問目を出題。習ったばかりなので、みんな大きな声で回答してくれました。
さぁ水路へ、探検に出よう!
いよいよ水路deボート探検です。3〜4名ごとに班分けされて名前が呼ばれます。
呼ばれた人は、まず記念撮影。はばタンや東条川疏水博士と一緒に記念撮影をして、スタートを待ちます。
初めて体験する人も多く、水の流れや水路の深さに興味津々。中には、ちょっと腰が引けている子どももいて、スタート前から期待と緊張が入り混じり、賑やかです。名前を呼ばれた組みから順次ボートに乗り込み、いよいよスタート。
ボートは漕ぐ必要はありません。水流に任せ、時には壁に当たったりしながら進んでいきます。保護者は水路に沿って歩けるので、会話や撮影をしながら一緒に楽しめます。
途中にはクイズの出題ポイント。パネルに書かれたクイズを読みながら、みんなで考えます。
出題者側も趣向を凝らしています。人気のキャラクターが登場したり、「あなたは誰ですか?」と子どもたちから質問を受ける着ぐるみもいたり。恐竜も待っています。
演出も見事で、子どもたちも大はしゃぎです。
安政池へと流れ込む水音が聞こえてくるとゴールです。
約800メートルのコースは、時間にして20分程度。普段はできない体験に「楽しかったぁ!」「また乗りたい!」の声が続々。遊園地やテーマパークのアトラクションとは違い、自然の中で楽しむイベントに保護者も含め誰もが満足しているようでした。
体験後は、ゴール地点から少し歩いたところに待機しているバスに乗り込み、ショッピングパークまで戻ります。車内では、まだ興奮冷めやらずといった子どもたちの元気な声が聞こえ、大人は結構ぐったりです。
笑顔いっぱいの楽しいイベント。子どもたちの心にも、あの時流れていた水が田や畑を潤していること、水道水として身近にあること、その重要さに気づき愛着を持って守っていこうと感じてくれるに違いありません。
別会場ではサツマイモ掘り体験
この日、やしろショッピングパークBio周辺ではマルシェやこどもチャンバラ、ミニ四駆の体験イベントなども開催され、にぎやかな一日に。今年5月に開催され、当サイトでも紹介した「【東条川体験①】加東市で「泥んこサッカー&サツマイモ植え体験」時のサツマイモも東条川疏水の恩恵を受けて大きく育ったため、収穫体験が行われました。
5月のサツマイモ植え体験に参加した人が優先で参加できる形で募集し、当日申し込みも受け付け。「水路deボート探検」と合わせて楽しんだ人もいたのではないでしょうか。
サツマイモ収穫体験は時間を区切った4部制で、各部の1番重いサツマイモを収穫した人には景品を進呈。収穫したサツマイモは全て持ち帰れるという太っ腹な企画。これで参加費1人500円とは驚きです。
収穫が初めての人には、助っ人が手伝ってくれます。助けてくれるのは、女子フットサルチーム「アルコ神戸」の選手たち。北播磨地域で農作業の手伝いや北播磨の米を購入するなど、地元農家とのつながりが深いチームです。
スタートの合図とともに次々とサツマイモを掘り出していきます。なぜかゴロゴロとした丸いサツマイモが多いのですが、大きく育ったサツマイモに参加者はニコニコ顔です。
取材した時に収穫された1番重いサツマイモは、なんと2.8Kg。昨年の3.4Kgには及ばなかったものの、サッカーボール並みの大きさです。
ダンボールいっぱいのサツマイモを持ち帰る人もいる大収穫。
「どうやって食べますか?」と何人かに伺うと「あまりに大きいのでどうしよう」と嬉しい反面困惑気味。「天ぷらかなぁ」と話す大人の横で、子どもたちからは「スイートポテト」のリクエストが多く、とにかく楽しそうでした。
こちらも毎年恒例のイベントですので、気になる人はインスタグラムアカウント「iitoko.kato」をチェックしてください。ローカルプライムでも発信していく予定です。
(ライター 塚本隆司)
※本記事は2024年10月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)
姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。