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田中哲人さんが手がける神戸の有名パティスリー

『patisserie AKITO』(以下『パティスリーアキト』)のオーナー田中哲人さんがパティシエになったのは、神戸ポートピアホテルでの勤務がきっかけ。料理人の世界を目指して入社したホテルで製菓部門に配属され、そこから田中さんのパティシエとしての人生が始まりました。
「食べることは好きでしたが、それまでケーキなんて一度も作ったことはありませんでした。けれど、スイーツ作りに携わる中でフランス菓子に興味をもち、各国の文化やスイーツの名前の由来、歴史を調べていくうちに、どっぷりと製菓の世界にハマってしまいました」と語る田中さん。

その後、ホテル阪急インターナショナルを経て、ホテルピエナ神戸 菓子Sパトリーへ。「ホテルの看板メニューになるものを」と、試行錯誤をしていたときに生まれたのが『ミルクジャム』でした。
雑誌「BRUTUS」の「お取り寄せ&手みやげグランプリ」に、商品化前の試作品だった『ミルクジャム』を送ったところ、審査員を務めていた秋元康さんが絶賛。テレビや雑誌などのメディアからも注目が集まり、爆発的な人気となりました。

そして2014年に「『ミルクジャム』を売りにしたパティスリー」として、神戸の元町に『パティスリーアキト』をオープン。現在は、エキゾ神戸三宮、エキマルシェ大阪にも出店しており、看板商品の『ミルクジャム』をはじめ、ケーキやプリン、シュークリーム、焼き菓子などのスイーツを販売しています。
ギフトにも人気!パティスリーアキトの『ミルクジャム』

『パティスリーアキト』の看板商品である『ミルクジャム』(950円/小瓶380円)は、兵庫県淡路島産の牛乳を使用しています。すべて手作業で、2時間かけてじっくりと煮詰め、手間ひまかけてつくっているのがこだわり。濃厚なミルクの風味が感じられるジャムは、まさに「ここでしか食べられない」唯一無二の味わいです。
「いまはコンビニやスーパーに行けば、安価でおいしいスイーツがたくさんありますからね。僕たち菓子職人が差別化を図るには、効率化を追求するのではなく、あえて手間がかかることをやる。その分、一度に大量に作ることは難しいのですが、商品ひとつひとつをじっくり丁寧に作っています」。
定番の『ミルクジャム』はもちろん、ピスタチオやアールグレイなど味のバリエーションも豊富。スタッフに声をかければ試食することもできるので、ぜひお気に入りのテイストを探してみてください。

こちらの『2層ジャム』(1,200円)は、2種類のジャムを組みあわせたひと品。食べるときには、まずは上の層にあるジャムの味を楽しみ、そのあとは真ん中で2種類のジャムを混ぜ合わせ、最後は下の層のジャムを食べれば、一度に3つの味が楽しめます。港町神戸のランドマークである神戸ポートタワーをイメージした鼓型のボトルも素敵で、神戸土産にもぴったりです。
ショーケースには常時15種類ほどのスイーツを用意

店頭にはケーキやプリン、シュークリームなど常時15種類ほどを用意しています。田中シェフの独創的なアイデアが詰まったスイーツは、どれもおいしそうなものばかり。

『パティスリーアキト』ならではのものを、という方は『ミルクジャム』を使用したスイーツを選んでみてはいかがでしょうか。こちらの『ミルクジャム・プリン』(460円)は、『ミルクジャム』をカスタードにたっぷりと混ぜ込んだ濃厚な味わいのプリンです。ほろ苦いカラメルが『ミルクジャム』の甘さを引き立てて、いいアクセントに。持ち運びもしやすく、手土産にもおすすめです。


お店で人気の『ラクテ・シトロン』(540円)は、ミルクチョコとレモンを組み合わせたケーキです。オープン当初からある定番商品で、お店でも人気ナンバーワン。なめらかな舌触りでコクがありつつも、レモンのさっぱりとした味わいが絶妙にマッチしています。

店内にはカフェスペースもあるので、その場でケーキやプリンをいただくことも可能。10:00〜13:00までは御影の『ブーランジェリー・ビアンヴニゥ』の食パンと、2種類のジャム、ドリンクがセットになった『モーニングset』(600円)もあります。

ほかにも、『ミルクジャム』を練り込んだサブレをはじめ、フィナンシェ、マドレーヌといった焼き菓子も並んでいます。
『ミルクジャム』普及のため、ジャムづくりの講習会なども行っているという田中シェフ。「いろいろな『ミルクジャム』が生まれたら、お店ごとの個性が光るジャムが生まれるでしょう。独占しようとは思っていなくて、競争することによって、新しいものが広がっていくと嬉しいなと思います」と笑みをこぼす姿からは、『ミルクジャム』をもっと広めたいという田中シェフの熱い思いが伺えました。週末は観光客で賑わう『パティスリーアキト』。 神戸を訪れたら、ぜひ足を運んでほしいイチオシのお店です。
(ライター 中田/ウエストプラン)
※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
patisserie AKITO(パティスリーアキト)
住所 | 兵庫県神戸市中央区元町通3-17-6 |
電話番号 | 078-332-3620 |
営業時間 | 10:30~18:30(カフェL.O.18:00) |
定休日 | 毎週火曜(祝日の場合は翌水曜) |
アクセス | 各線元町駅から西へ徒歩5分 神戸市営地下鉄海岸線「みなと元町」駅 出入口2番から北へ徒歩2分 |
SNS | https://www.instagram.com/kobe_akito_com/ |
HP | https://www.kobe-akito.com/ |

株式会社ウエストプラン
松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。