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創業60年を越える老舗ラーメン店
『西脇大橋ラーメン』は、昭和35年創業の老舗ラーメン店。1991年、今の場所に移転するまでは、西脇大橋の西詰にあったので、この店名になったそうです。
店主の大石達也さんは、3代目。父である2代目と一緒に店を切り盛りし、5年ほど前に父が引退してからは、一人で先代からの味を守り続けています。
赤い暖簾がかかる入り口の前には、常にウェイティングボードがあり、人気のほどをうかがえます。波板の囲いは、外で待つお客さんへの配慮でしょうか。ベンチや椅子も備えられています。
週末は通し営業をしていますが、ラストオーダーまで常に満席になることもあり、行列は必至。
「昼ご飯を食べるのが夜の6時半ごろになることもあるんですよ」と大石さん。
平日でも日によっては行列ができることがあるそうです。
ロケにも使われる人気店
店内は、テーブル4人席と座敷5人席がそれぞれ3卓ずつ。30席弱という広さです。
入り口近くの壁には、有名人のサインがいっぱい飾られています。これだけでも名実ともに人気店ということがわかりますよね。
ひときわ目立つのは、里見浩太朗さんの写真とサインです。2012年3月に、2時間ドラマのロケがあり、ラーメンを食べるシーンをこの店で撮影したそうです。「まさに今私が座っている席に里見さんが座って、うちのラーメンを食べているシーンを撮ったんですよ」と大石さん。真ん中のテーブル席の奥側向かって左が里見シートだそう。
今では「播州ラーメン」という言葉は普通に使われますが、発祥は実はこのお店から。
2001年1月11日放送の情報番組のなかで、この店のラーメンが紹介され、「播州地方のラーメンだから播州ラーメン」という内容で放映されたそう。それから、播州ラーメンという言葉が一般的に使われるようになったとか。まさしく、播州ラーメンの元祖がこの店なのです。
ラーメンメニューは一つだけ
店内にメニューボードがありますが、とってもシンプルで、ラーメンは『特製ラーメン』だけ。一番上に『ジャンボラーメン』とありますが『特製ラーメン』と味は一緒。ラーメン玉、チャーシューなどすべての具材が2人前入っていて、2杯食べるよりちょっぴりお得な価格設定になっています。
オーダーして待つこと4分ほどで、『特製ラーメン』が運ばれました。
まずは、スープをひとくち。ほんのり甘くてやさしい味で「おいしい~」。まろやかと申しましょうか、嫌味がない味。麺は中太のややちぢれ麺です。トッピングは、チャーシュー、もやし、ネギ、海苔といたってシンプル。「The昭和」なラーメンという言葉がピッタリかも。
スープは、鶏ガラ、豚ガラ、数種類の香味野菜、魚介でとり、かえしには播州たつのの醤油を使っています。「やさしい甘みはどこから?」と尋ねると「元々の醤油が甘いのもありますが、その他は想像におまかせします」とのこと。そこはやはり企業秘密ですよね。
麺は当初から変わらず同じ製麺所からのオリジナル麺。「自分で打ったらもっとコストを抑えられるんでしょうけど、変えてしまうと常連さんに申し訳ないですから」。自家製チャーシューは、味のバランスが整うように豚のもも肉とバラ肉で作ったものを1枚ずつ。ネギやもやしにこだわりはないとのことですが、ネギは奈良から仕入れているそうです。
どちらもシャキシャキでおいしい。
スープの味を一定にする努力
この道一筋27~28年のラーメン職人・大石達也さんが一番大切にしているのは、「昔から変わらぬ味」です。「いくら気を付けていてもブレはある。でもそのブレ幅を少しでも小さくする努力は怠りません」と。同じ味を保つように緻密な調整をしていきます。
毎日通う地元の常連さん、毎月地方発送を依頼する長崎のお客さん、出張時に必ず寄ってくれる東京からのお客さんなど、店のファンは数え切れず。「他のことに手を出したら、味がぶれてしまうので、店舗拡大なども考えていません」とキッパリ話します。
趣味は釣りとゴルフという大石さん。「定休日は、海と山と交互に行っています。おいしいラーメンを作るために、しっかりストレス発散しています」と。
お持ち帰りメニューもあります
持ち帰り用は2種類あって、麺・スープのみ3食の箱入り(前日までの要予約)、麺・スープ・具材付き(1人前730円・要予約)があって、どちらも要冷蔵です。セットをするのに時間がかかるので、事前電話か待ち時間に注文するのがおすすめです。
そうそう、最後に耳より情報を一つ。平日の19:00過ぎは、意外とすいていることもあるので、狙い目だそうですよ。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年4月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
西脇大橋ラーメン
住所 | 兵庫県西脇市上野432-7 |
電話番号 | 0795-22-4886 |
営業時間 | 平日11:00~15:00(LO14:45)、18:00~20:00(LO19:45) 土日祝日11:00~20:00(LO19:45) |
定休日 | 水曜 |
アクセス | JR新西脇駅から徒歩約24分 |
駐車場 | 10台 |
ライター 歌見(うたみ)
晴れの国・岡山出身で、20代半ばで兵庫県赤穂市に移住。ライターという天職を見つけ、赤穂市内にとどまらず、兵庫五国くまなく回ることができました。五国それぞれに、独特の食文化があり、うまい酒があり…。食いしん坊の私を心身ともに潤してくれます。兵庫県の“間違いない”「食」や「人」や「イイもの」に関わる記事をお届けできたらと思っています。