2022年7月にオープンした『NATURE STUDIO（ネイチャースタジオ）』は、2015年に141年の歴史に幕をおろした湊川小学校を再活用した複合施設です。施設のコンセプトは、「自然と暮らしをつくる」。四角い木枠のフレームグリッドが施された建物の外観は、地域が再生していくイメージが込められています。

園内にはハーブショップ、水族館、釣り堀、クラフトビールの醸造所、フードホールと見どころがいっぱい。かつて校庭だった場所には、ブルーベリーやザクロ、リンゴ、レモンなどの木も植えられており、緑が生い茂る気持ちのよい空間に。訪れたひとの憩いの場として利用されています。

EASTの1階にある『みなとやま水族館』は、生きものの展示方法がちょっとほかとは違うのが見どころの一つ。水槽の前にはイスやクッションが置かれていて、座って生きものを観察できるようになっているのです。

歩いて見学するような水族館だと、つい流し見してしまうような魚も、じっくり見ると色がとてもきれいだったり、泳ぎ方がおもしろかったりと、いろいろな発見があります。

館内には、教室にあったイスや、生徒たちがランドセル入れに使用していた棚など、学校だった面影がいたるところに感じられます。どこか懐かしい、そんな気分になれるのも『みなとやま水族館』ならではの魅力でしょう。

「根っこの廊下」「木漏れ日の教室」など7つのエリアに分かれている館内で観察できるのは、淡水魚や熱帯魚などの魚のほか、鳥やナマケモノ、コツメカワウソといった約250種の生きもの。中には靴を脱いで寝転がって生きものを観察できるエリアもあるので、ぜひじっくりと堪能してください。

みなとやま水族館

営業時間	10:00～18:00（最終入館17:00）
休館日	不定休（メンテナンスによる休館日等あり）
入館料	大人1,200円、小人（小・中学生）600円、幼児（3歳以上）300円、 3歳未満無料 ※未就学児は保護者（18歳以上）の同伴が必要 ※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方は 本人と同伴者1名の入館料が通常の半額。（対象の手帳（原本）もしくは、 スマートフォン向け障がい者手帳アプリ「ミライロID」の登録画面を受付にて提示）

『みなとやま水族館』を出てすぐのところには、ニジマス釣りができる釣り堀『FISH POND（フィッシュポンド）』があります。1組1,500円で2匹まで釣ることが可能。

釣ったニジマスは、隣にあるアウトドアカフェ『GARDEN KITCHEN（ガーデンキッチン）』で、フライにしてもらえます。

自分で釣った魚だと思うと、おいしさもひとしお。がぶりとかじりついて、豪快にいただいちゃいましょう！

NORTHの1階には、食用、香用、薬用といった用途のハーブ苗をはじめ、果樹の苗、園芸用品などを販売するハーブ専門店『HAEB SHOP（ハーブショップ）』があります。コンセプトは「植物と人との関わりを再確認する場」。暮らしの中に植物を取り入れたライフスタイルを提案するため、定期的に「ハーブの習いごと」というワークショップも開催しています。

店頭に陳列されている商品は、どれもセンスの良さが光る素敵なものばかりで、雑貨好きのひとも楽しめます。

ドライハーブを使用したオリジナルハーブソルトや、身近にある植物を蒸留して制作したアロマオイルなど、お店のオリジナル商品はお土産にも人気。ハーブ初心者のひとは、ぜひスタッフさんにおすすめを聞いてみてくださいね。

EASTの2階は、もともと体育館だった場所が『FOOD HALL（フードホール）』に生まれ変わりました。天井がとても高く、開放感がある空間。点在する観葉植物も色鮮やかで、ほっと心が安らぎます。

『FOOD HALL』のエントランスには、NORTHの1階に醸造所を構える『open air（オープンエア）』のビアカウンターがあります。できたてのクラフトビール（690円～）が楽しめるので、ビール好きはぜひどうぞ。

ビアカウンターのお隣にあるのは、青森りんごの専門店『あら、りんご。 神戸ファクトリーショップ』。「青森りんごのおいしさをより多くの方々に伝えていきたい」との思いから、青森産のりんごを使ったスイーツやドリンクを考案し、販売しています。

こちらの『蜜入りサンふじのアップルパイ』（480円／8％税込）は発売して以来、人気ナンバーワンのお店の看板商品。ごろっとしたりんごの甘みと、パイの相性がとてもマッチしていて、小腹が空いたときのおやつにもぴったり！そのほかにも紅玉、星の金貨など品種の違うりんごを使ったアップルパイもあるので、食べ比べをしてみるのもおすすめです。

湊山小学校の卒業生がオーナーをつとめる『マンドリル』は、神戸生まれのカレー店。メニューは9種類あるスパイスの中から2種類を選ぶことができます。中には、子どもも食べられるように甘口のメニューも。

毎月第2土曜には、衣食住に対してこだわりをもったお店が集まる「自然と暮らすマーケット」（7・8月はお休み予定）を開催している『NATURE STUDIO』。2023年6月には湊山小学校開校150周年、2023年7月にはオープン1周年を迎えるということもあり、さまざまなイベントを企画しているそう。おでかけ前には、ぜひ公式サイトや各種SNSで最新のイベント情報もチェックしてくださいね。

（ライター　中田／ウエストプラン）