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阪神甲子園球場の歴史と阪神タイガースの軌跡、高校野球の感動を体感できる『甲子園歴史館』
2022年3月にリニューアルした『甲子園歴史館』は、展示面積が1.25倍になり展示内容や体験コーナーの充実度がアップ!阪神甲子園球場、阪神タイガース、高校野球の3つのゾーンに分かれ、それぞれの歴史を中心に情報が網羅されています。さらに普段は入れないバックヤードツアー、AR体験や買い物など、家族3世代で楽しめる内容がもりだくさん。来年100周年を迎える阪神甲子園球場がぐんと身近になることでしょう。
ファンにはたまらない阪神タイガースゾーン
阪神甲子園駅西口から出て阪神甲子園球場の外周(東側)を通り抜けたところにある、商業施設「甲子園PLUS」の2階が『甲子園歴史館』の入り口です。券売機または受付でチケットを購入してGo!
入館料
大人900円、高校生700円(高校生は要学生証提示)、4歳~中学生500円
『甲子園歴史館』の展示は、甲子園PLUSエリアと球場エリアに別れています。まずは、チケット売り場の奥にある阪神タイガースゾーンからスタートしましょう。
「ミュージアムゲート」の壁面に映し出されているのは、竣工された1924年当時の写真やこれまでの名場面を紹介する2分弱の映像です。迫力ある大画面映像にこれから出会える情報に期待が高まります。では、見学ルートに沿って紹介します
「歓喜のビクトリー」のコーナーは、過去3回の阪神タイガースの優勝にまつわる展示です。1985年、2003年、2005年のペナントや優勝戦で活躍した選手のサインボールやバットなどが展示されて当時の感動を思い起こさせてくれます。
「栄光のヒストリー」のコーナーは、1935年からの球団の歴史を8つの時代に分けて、実際に使われていた野球道具や写真を展示、貴重な映像も流れています。「六甲おろし」で知られる球団ソングの楽譜(複製)とソノシートを見ると題名は「大阪タイガースの歌」。「阪神タイガース」という名前になった1961年から「阪神タイガースの歌」というタイトルに変わったそうです。
「ヒーロー列伝」のコーナーは歴代名選手ゆかりの品を展示。永久欠番の3選手、背番号10・藤村富美男さん、背番号11・村山実さん、背番号23・吉田義男さんから矢野燿大さん、藤川球児さん、鳥谷敬さんまで24名の名選手の活躍がよみがえります。
「名場面シアター」は、バーチャルで迫力満点の投球を体感できる人気のコーナーです。タッチパネルで阪神タイガースの名シーンを選べば、目の前の大型スクリーンに映し出されます。また、投手が投げるボールをキャッチャー目線で見ることができる「投球体感映像」は、迫力あるプロ選手のスピード感を実感できます。
「体験!タッチスタジアム」には、阪神タイガースの人気選手が使っていたグローブやバット、スパイクなどの現物が展示され、自由にさわることができます。野球少年はもちろん大人もこぞって手にする様子が見られます。
阪神甲子園球場で使われていたホームベース。厚さ16cm、重さ約30kgの特注品です。選手の激しい動きのために、表裏を使ったあと、だいたい年に4~5回ほど交換されるそうです。グラウンドにしっかり埋められているのでこんなに厚みがあるとは気付きませんね。
「ドラフト体験コーナー」は、自分の名前、指名球団、ポジションなどをタッチパネルに入力すると、実際のドラフト会議のアナウンサーの声で名前が指名されるというもの。指名球団はセ・パ12球団全部の名前があります。
「VRコーナー」ではヘッドセットを着けて、リアルな阪神甲子園球場を体感できます。選手と一緒にリリーフカーに乗ったり、高校野球の決勝戦を360度見渡せるグラウンドのポジションで実感したり、その臨場感はたまりません。
「タイガースロード」の右側の年表には、これまでに所属した選手の名前、左側には往年の選手や監督の名言とユニフォームの変遷が記されています。あこがれた選手が活躍した時代を振り返り、球団の歴史の重みを感じる展示です。
次は高校野球や阪神甲子園球場の展示。甲子園PLUSから歩行者デッキを通って球場エリアへ移動します。
高校野球の感動がよみがえる
球場エリアは外野レフト2Fにあります。ゲートを入ると、1915年、高校野球が始まった時の第1試合で使われたボールが展示されています。100年以上前のボールが残っているなんて素晴らしいですね。
※2023年10月5日(木)~11月5日(日)の期間中は、寄託いただいている学校に一時返却のため、館内での展示はありません
「メモリアルコレクション」のコーナーには、初回からの大会記録や試合の写真などが展示されています。「ボールウォール4253」と名付けられた壁にはこれまでの出場校の校名を刻印したボールを展示。戦前の出場校には、朝鮮、台湾、満州の代表校も。心に残る試合や地元校の名前を探してしまいますね。
星稜高校時代に甲子園を沸かせ、のちにプロ野球及びメジャーリーグでも活躍した松井秀喜さんが高校野球で着ていたユニフォームを展示。他に横浜高校で活躍した松坂大輔さんのユニフォームも展示されています。
「名勝負ギャラリー」は、春夏の甲子園で強豪校を率いた名監督や記憶に残る勝負のシーンを写真や映像で紹介。選手のユニフォームやグローブなども展示されています。
メジャーリーグ「ロサンゼルス・エンゼルス」で大活躍している大谷翔平選手も、花巻東高校時代に甲子園で活躍しました。そのグローブも展示されています。
阪神甲子園球場ゾーンで100年近い歴史にふれる
「まんがと甲子園」のコーナーは、甲子園と野球を題材にした漫画が展示されています。「ドカベン」「巨人の星」「タッチ」といった不朽の名作や、「ダイヤのA」「act2」「MIX」など、近年の人気漫画を展示。
「甲子園ヒストリー」のコーナーでは、写真入りの歴史年表のほかに、球場ができた時からメニューにある「甲子園カレー」の看板や、1945年8月6日の西宮大空襲の時に受けた機銃掃射のあとが残る鉄扉も展示されています。(米軍の試し打ちという説もあり)
「バックスクリーンウォーク」の通路には、1934年から1983年まで使われていた手書きのスコアボードが展示されています。力強くてあたたかみがある字ですね。また、始球式を行った著名人や来場した著名人のサインボールも展示。「推し」が見つかるかも。
バックスクリーン前の展望スペース「バックスクリーンビュー」は球場内を一望できる絶好のスポット。ここに入れるのは閉館30分前、または試合開始30分前までなので、早めに見学しておきましょう。
スタジアムツアーで球場の裏側を見学!
『阪神甲子園球場スタジアムツアー』は、普段入ることができない球場の裏側をガイドさんに案内してもらえるイベントです。選手が使うロッカールームやベンチ、ブルペンなど、5つのコースがあります。
スタジアムツアー参加料
スタジアム見学コース・タイガースコース/
スタジアム見学付き・タイガースコース/OB解説付き)
大人2,000円、高校生1.800円(要学生証提示)、子ども1,400円
※甲子園歴史館の入館料含
※参加人数に空きがある場合は当日参加可。
※詳細は甲子園歴史館まで。
スタジアム見学コースには5種類のルートがあり、その日の球場のスケジュールによって変わります。この時は3塁ブルペンを2階の通路から見学。試合があった前日には監督や選手が使っていた場所だと思うと感激もひとしおです。
バックヤードから選手用の通路を通り抜ければ普段テレビでよく見る3塁側ベンチです。監督の定位置に立ってみたり、選手がするように座ってみたり、大人も子どももテンションが上がるスポットです。
専任ガイドが阪神甲子園球場の歴史や知っているようで知らないことなど、さまざまなことを開設してくれます。この時は『甲子園歴史館』に展示されているホームベースのことを教わりました。
数時間後に控えた阪神戦のために、阪神園芸のグランドキーバーが整備をする様子も見学できました。芝や土にふれることはできませんが、間近に見るとちょっと感動。見上げたアルプススタンドは圧巻です。
関連グッズがいっぱいの「スタジアムショップ」
見学が終わったら立ち寄りたいのが、阪神甲子園球場の16号門の横にある「スタジアムショップ」。通常はタイガース関連のグッズを販売していますが、高校野球の時期は出場校関連のグッズ販売になります。
選手の姿がプリントされたTシャツやタオルは、お土産にしても観戦中の応援グッズとしても重宝します。
人気選手のアクリルスタンド。スーツ姿のかっこいい選手の姿を、映え写真の小物として使いたい女性たちに大人気だそうです。
バーチャルバッティングセンターで遊ぼう
シミュレーション野球ができる『BE-STADIUM KOSHIEN supported by STAND IN』、甲子園歴史館の受付カウンターの奥にあります。別途料金が必要ですが、甲子園歴史館に入館しなくても利用できます
バーチャル映像で再現された阪神甲子園球場が大画面に映し出され、バッティングやピッチングをすると甲子園のマウンドでプレイしているよう。初心者から上級者までみんなで楽しめます。
料金
3種セット(バッティング・トスバッティング・ピッチング各1回)1,200円※土・日曜や長期休暇等の繁忙期は1,500円
※詳細はHPを確認してください。
日本全国から応援団がやってくる高校野球、阪神タイガースが熱戦を繰り広げるプロ野球、この両方の舞台となるのが阪神甲子園球場。『甲子園歴史館』は野球好きもそんなに詳しくない人も、子どもから大人までも楽しめる内容が盛りだくさんです。年齢が上の人にとってもなつかしい資料があり、4世代で楽しめる施設です。
(ライター 松田/ウエストプラン)
※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
甲子園歴史館
住所 | 兵庫県西宮市甲子園町8-15甲子園プラス内 2F |
電話番号 | 0798-49-4509 |
営業時間 | 10:00~18:00(11~2月は10:00~17:00、 デーゲーム開催日は9:00~18:00) |
定休日 | 月曜日(試合開催日・祝日を除く)、 年末年始、メンテナンス休館 |
入館料 | 大人900円、高校生700円(高校生は要学生証提示)、 4歳~中学生500円 |
アクセス | 阪神甲子園駅から徒歩約7分 |
駐車場 | なし |
HP | https://koshien-rekishikan.hanshin.co.jp/ |
SNS | https://www.facebook.com/koshienrekishikan/ https://twitter.com/koshien_museum https://www.instagram.com/koshien_rekishikan/ |
株式会社ウエストプラン
松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。