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【加東市】『山田錦のふるさと』を目いっぱい楽しむモニターツアー同行リポート

【加東市】『山田錦のふるさと』を目いっぱい楽しむモニターツアー同行リポート

兵庫県加東市といえば『山田錦のふるさと』。最高峰の酒米「山田錦」の産地で、特A地区として知られています。秋の収穫前には、揺れる山田錦の稲穂と酒造会社の幟が見ものです。 大阪・関西万博に向け進められている「ひょうごフィールドパビリオン」に加東市が登録した『目いっぱい楽しむ山田錦』の日帰りモニターツアーが2024年2月24日(土)に開催されましたので同行してきました。日本酒好きにはたまらないプログラムですよ。

ひょうごフィールドパビリオン『目いっぱい楽しむ山田錦』とは

ひょうごフィールドパビリオンとは、大阪・関西万博を機会に訪れる国内外の観光客に兵庫県内各地で行われている持続可能な取り組みや魅力を地域の人自らが発信する取り組みです。

『目いっぱい楽しむ山田錦』は、加東市が山田錦について知ってもらおうと企画したプログラム。山田錦誕生の歴史から山田錦がなぜ最高峰の酒造好適米といわれ、加東市で多く生産されているのかなどの講義と山田錦ゆかりの土や釉薬を使った酒器作り、加東市唯一の酒蔵『神結酒造』に訪問し山田錦の魅力を感じてもらうプログラムです。

今回はモニターツアーとして、神戸三宮から神姫バスで行くツアーが企画され9組16名の方が参加されました。

【開催日】2024年02月24日(土)日帰りバス旅行
【旅程】神戸三宮出発(8時15分)→滝野公民館(山田錦語り部による講演と山田錦の酒器作り体験)→千成(加東市内昼食)→神結酒造(酒蔵見学と新酒他飲み比べ)→道の駅とうじょう(お買物)→神戸三宮着(16時30分頃)
【料金】おひとり7,500円
※本ツアーは北播磨地域づくり活動応募事業(万博枠)補助金を活用しています

通常開催のひょうごフィールドパビリオン認定プログラム『目いっぱい楽しむ山田錦』では、現地集合・現地解散での開催になります(昼食は各自)。
神結酒造での試飲もあるので、公共交通機関利用をお勧めします。JR加古川線「滝野」駅から、午前中のプログラム会場(下滝野公民館)までは、徒歩約10分。会場から神結酒造や名勝・闘竜灘までも徒歩10分以内の場所にあるので、電車の旅を楽しみながら「山田錦のふるさと」を堪能できます。

ひょうごフィールドパビリオン認定プログラム『目いっぱい楽しむ山田錦』のページはコチラ

40分で丸わかり山田錦講座

「滝野公民館(滝野情報交流館)」
「滝野公民館(滝野情報交流館)」

初めに向かったのは「滝野公民館(滝野情報交流館)」。

ここでは「山田錦語り部による講演と山田錦の酒器作り体験」です。

「山田錦ってよく聞くけど、どんなお米なの?」「なぜ高級酒の多くが山田錦を使っているの?」
そんな疑問をお持ちの人は多いのではないでしょうか?
それを「山田錦の語り部」から聞くのが最初のプログラム。

「山田錦の語り部」から聞く

加東市が「山田錦のふるさと」というのには、加東市に兵庫県の酒米試験地(加東市沢部)があり、ここで加東市出身の農業技術者でのちに酒米試験場主任となる藤川禎次氏らによって研究が進められ、山田錦が生まれたことに由来します。

加東市出身の山田錦語り部・平川嘉一郎さん

お話いただいたのは、加東市出身の山田錦語り部・平川嘉一郎さん。プロジェクターを使い、加東市にはどのような歴史があるのか、なぜ酒米作りに適しているのかなどを、わかりやすく解説してくださいました。
山田錦から日本酒を造る時の精米については、模型を使って紹介。これもわかりやすく、納得づくしの40分。「山田錦っていうのはね」と誰かに話したくなってしまうことでしょう。

山田錦を育てた土で酒器づくり

部屋を移動し「山田錦の酒器作り体験」です。

東条秋津窯

「山田錦の酒器」とは、東条秋津窯(加東市秋津2001-175)で作られている陶器。山田錦を育てた田の土を使い、山田錦のわらを焼いた灰を釉薬に混ぜ込んだ、ここだけのもの。陶工の藤村拓太さんが考え、完成させた他にはない酒器です。

東条秋津窯

「山田錦の酒器作り体験」

「山田錦の酒器作り体験」では、丸くこねた土から酒器を形作るところまでを体験。およそ2カ月後に、東条秋津窯で釉薬を塗り焼き上げた物が届きます。

作り方は、簡易のロクロを使って器を作っていきます。作り方の説明に皆さん真剣です。
手順がわかれば、後は作っていくだけ。

土の感触に作りたい物のイメージを重ねていく作業ですが、夢中で制作にかかっています。時折、藤村さんのアドバイスをいただきながら形を整えれば、一旦乾燥させます。
ドライヤーを使い急速に乾かす間は、一時休憩。トイレに行ったり館内を散策したり、加東市のパンフレットを眺めたりとあっという間です。

ある程度乾いたら、最後にヘラで形を整え、模様を入れるなどして、裏面に自身のサイン(どれが自分のかをわかるようにするため)を書き入れて完成です。

「どのように焼き上がるのかな」「どんなお酒を注ごうかしら」。2カ月の焼き上がりまで、しばしのお別れ。届くのが楽しみでなりません。

最後に藤村拓太さんと記念撮影。後ろに見える建物は、加東アート館。国内最大規模のトリックARアートが楽しめます。
ローカルプライムでも紹介しているので、気になる人はこちらを視聴ください。

【加東】国内最大級のトリックアート美術館が加東市にあった!【ロカプラ兵庫】

昼食は地元の人気食堂『千成』

今回はモニターツアーということもあり、観光ガイドブックには登場しない地元の人に人気の食堂「千成」へ。昔ながらという言葉がピッタリの、安くて美味しいと評判の店です。

加東市の鮎を使った『闘竜灘定食』のモニターツアー特別版(1,500円)

いただいたのは、加東市の鮎を使った『闘竜灘定食』のモニターツアー特別版(1,500円)。『目いっぱい楽しむ山田錦』のテーマに合わせて神結酒造の酒粕を使った粕汁がついています。通常は味噌汁で(1,300円)。ランチタイム(11時30分〜14時)は、コーヒーが付きます。

地域の食堂らしい懐かしさとオトク感がある内容。なにより「鮎の煮付け」の素朴で美味しいこと。再訪した際には、山田錦の日本酒とともにゆっくりしたいお店でした。

お食事処 千成

住所兵庫県加東市上滝野263-1
営業時間11時30分~14時/17時~21時30分
定休日火曜日

近くには、名勝・闘竜灘があります。

闘龍灘

闘龍灘とは、一級河川・加古川の難所であり、鮎釣りの名所。数年前までは、日本で一番早い鮎の解禁日を迎えるスポットでしたが、現在は2番目に早いスポットとして、5月1日に鮎漁が解禁になります。
時間に少し余裕があったので、モニターツアーの予定にはありませんでしたが見学しました。

闘竜灘

所在地兵庫県加東市上滝野

お楽しみ『神結酒造』で酒蔵見学&試飲会

下滝野公民館
下滝野公民館

今回のモニターツアーでは、陶芸体験を「滝野公民館(滝野情報交流館)」で行いましたが、通常プログラムの会場となる「下滝野公民館」にバスで移動。ここから加古川沿いにある『神結(かみむすび)酒造』までは徒歩で約10分。住宅街の中ですが、途中に神社や歴史を感じさせる家屋があるなど、目を楽しませてくれます。

『神結酒造』

『神結酒造』は、創業1893(明治26)年の酒蔵会社です。蔵の裏手の社のそばに生えた2本の樫の木が「結えて一本のように見えた」ことから「神結」と命名されたそうです。
現在、加東市内で唯一の酒蔵です。

出迎えてくださったのは、長谷川専務。酒蔵を案内してくださいました。
酒造りに必要なのは、米と水。米は山田錦をはじめとする加東市産の酒米。水は、周囲が水不足で悩む中でも枯れた事がない井戸水が使われているとのこと。水によって、日本酒の性質も変わってきます。例えば「灘の男酒、伏見の女酒」といわれるように。果たして、神結酒造のお酒はどちらか。それは、実際に飲んで感じてくださいとのことです。

『神結酒造』

『神結酒造』では、1月中旬~3月初旬の期間が、酒蔵見学のベストシーズンです(事前連絡必須。仕込みの最盛期(12月〜1月中旬)や設備点検など見学できない場合があり)。
今では、多くの蔵が機械化されていくなか、昔ながらの造り方を守り続けている様子やご苦労などを紹介してくださいます。

特別に発酵の様子も見せてもらいました。「ぷくっ。ぷくっ。」と呼吸をしているのがわかります。
蔵見学の後は、お楽しみの試飲会です。

東条秋津窯の酒器造り体験で制作した酒器は、完成まで2ヶ月待たなければなりませんので、ここでは講師の藤村さんが作られた酒器での特別試飲です。

注がれる酒は『純米原酒 山田錦』。神結酒造の定番酒のひとつです。スッキリとした味わいの中にうま味が感じられる1杯。酒器との相性も良く、飲みやすいようです。

今年の新酒『しぼりたて 冬の虹』

もう1本。今年の新酒『しぼりたて 冬の虹』をいただきました。酒蔵でしか味わえなかったしぼりたてのまま瓶詰めされた商品。純米酒のコクと原酒のしっかりとした味わいが魅力です。

甘酒

甘酒も用意してくださいました。発酵前の麹から作ったアルコールになる前の甘酒です。驚くほどスッキリとした甘さ。これに、『純米原酒 山田錦』を少量加えて飲むと、また違った味わいになるそうです。

試飲が終わった頃には、併設のショップが大賑わい。お酒好きの参加者が気に入って、帰りの重さも忘れて買ってしまうお酒。美味しさの何よりの証拠です。

酒蔵をバックに記念撮影
酒蔵をバックに記念撮影

神結酒造株式会社

住所兵庫県加東市下滝野474
営業日(4月~10月)月曜日から金曜日、(11月~3月)月曜日から土曜日
営業時間8時~17時 (12時~13時は除く)
HPhttps://www.kamimusubi.co.jp/top.htm

お土産は『道の駅とうじょう』

酒蔵見学が終われば『目いっぱい楽しむ山田錦』モニターツアーもほぼ終了です。神戸三宮まで帰る前に『道の駅とうじょう』に立ち寄りました。

『道の駅とうじょう』

『道の駅とうじょう』は、この辺りでも大きな道の駅で、加東市の地場野菜をはじめ近隣地域の特産品などが揃っています。

山田錦を使った日本酒がズラリ
山田錦を使った日本酒がズラリ

もちろん、山田錦関連商品が多数。日本酒コーナーも充実しています。

東条秋津窯コーナー
東条秋津窯コーナー

他には、山田錦の精米後に出た米粉を使ったバームクーヘンやお菓子、東条秋津窯のコーナーもあります。

道の駅とうじょう(特産館)

住所兵庫県加東市南山1丁目5番地3
営業時間平日9時〜18時30分、土日祝9時〜19時
定休日毎月第2月曜日

『目いっぱい楽しむ山田錦』モニターツアーを終えて

当然かも知れませんが、日本酒好きが集まったバスツアーになりました。参加者は神戸や明石からが大半で、酒蔵見学には行き慣れた人たちばかり。応募理由を聞くと「加東市にも酒蔵があると聞いて」「山田錦のふるさとなら行って見たくて」と、加東市の魅力にふれていただけたようです。
試飲の際に使った「山田錦の酒器」の使い心地の良さに「あんな風に作れていたらいいなぁ」と2カ月後が楽しみだという話も。

『目いっぱい楽しむ山田錦』を実際に楽しんでみたい人はぜひ、加東市へおでかけください。通常開催は、現地集合形式になるため、試飲を楽しみに来られる方はJR加古川線「滝野」駅のご利用をお勧めします。
開催情報は、ひょうごフィールドパビリオン公式サイトでご確認ください。

ひょうごフィールドパビリオンサイト「目いっぱい楽しむ山田錦」

(ライター 塚本)

※本記事は2024年2月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

ライター 塚本 隆司(つかもと たかし)

姫路城を眺めながら生きてきた、脱サラライターです。全国あれこれ旅をして来たけれど、やっぱり地元が1番!“兵庫のよいもの“を探し求めて歩きます。(呑み歩きだろ! とは言わないで笑)読んでくれているみなさまの「行きたい!欲しい!食べたい!」が「行こう!買おう!食べよう!」に心が動いたなら、何よりの幸せです。

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