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生姜醤油で食べる姫路のB級グルメ『姫路おでん』を完全解説!

おでんといえば「からし」を添えるのが一般的ですが、姫路ではなんと「生姜醤油(しょうがじょうゆ)」をつけて食べるのが当たり前なのです。姫路が誇るB級グルメ、その名は『姫路おでん』。今回は、そんな個性的な『姫路おでん』の定義や歴史、味の特徴、なぜ姫路だけで定着したのか、そして近年のご当地グルメブームによる全国区への歩みまで、その魅力を完全解説します!

『姫路おでん』とはどういうもの?

「生姜醤油」を使う点が最大の特徴

一般的なおでんとの決定的な違いは、食べるときに「生姜醤油」を使うという点です。

実は、おでん自体の味付けや具材に厳密なルールはありません。濃いめの甘辛い味付けで煮込んだタイプでも、出汁を効かせた薄味タイプでも、どちらであっても生姜醤油さえ使っていればすべて『姫路おでん』なのです。

具材は家庭や店でそれぞれ自由。定番の大根や卵、こんにゃく、牛すじ、そして地元のメーカーが作る「練り物」などが一般的です。

食べ方は2種類。小皿に取った具材の上から生姜醤油をたっぷりと「かける派」と、小皿に入れた生姜醤油に具材を「つける派」に分かれます。

『姫路おでん』の歴史

写真はイメージです

『姫路おでん』の歴史は、大正末期から昭和初期まで遡ります。当時、姫路南部(白浜など)周辺の屋台や食堂で、甘辛いおでんに生姜醤油をかけ、味を調節して食べたのが始まりという説が有力です。

この食べ方が生まれた背景には、地域の地場産業が深く関わっています。播磨地域は古くから醤油造りが盛んでした。また、江戸末期から明治時代に姫路に生姜栽培が伝わり、昭和30年頃には年間30〜40トンを生産するほどでした。身近にあったこの2つの食材を「おでんに合わせたら美味しいのでは?」と考えた先人の「生活の知恵」が、現在へと受け継がれているのです。

気になるそのお味は?

写真はイメージです

「おでんに生姜醤油って辛くないの?」と思うかもしれませんが、これが驚くほど合うんです。じっくり煮込まれた具材に、生姜のピリッとした爽やかな辛みと、醤油の芳醇なコクがプラスされます。おでんの出汁の甘みと生姜醤油の塩味が絶妙に調和し、口当たりはすっきりさっぱり。

特に、脂ののった牛すじや、旨味が詰まった練り物との相性は抜群。さらに、生姜の効果で体が芯からポカポカと温まって、寒い冬はもちろん、夏のエアコンで冷えた体に心地よさを与えてくれます。ベースとなる生姜醤油は、基本的に醤油に生姜のすりおろしを加えたものですが、生姜の量は家庭や店によって違います。濃口醤油だけでなく淡口醤油ベースにしたり、みりんや日本酒を加えたり、それぞれに工夫が凝らされています。

近年のご当地ブームで広まった

これほど美味しい食べ方なら、もっと他の地域に広がっても不思議はありません。なのになぜ姫路周辺だけで食べられていたのでしょうか?長いあいだ、地元の人々にとって「おでんに生姜醤油をつけるのは全国共通の当たり前のこと」だと思われて、名前すらありませんでした。転機が訪れたのは2006年です。「姫路の食で町おこし」を目指す地元の有志たちが、この食文化を『姫路おでん』と命名し、PRを開始したのです。その後、ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」への出展によって、全国のグルメファンにその存在が知れ渡り、2011年には『姫路おでん』が地域団体商標に登録され、ブランドとしての地位を確立しました。

この歩みによって、それまで隠れていた家庭や店の味だった『姫路おでん』』は、一気に「姫路を代表する観光資源」へと昇華し、現在では観光客が姫路城観光とセットで外せない定番グルメとなっています。

白銀町の『いち佳』で姫路おでんを実食!

おでん屋『いち佳』

今回はJR姫路駅、山陽姫路駅から徒歩圏内のおでん屋『いち佳』を訪ねました。

『いち佳』店内の様子

先代からの味を受け継いだ2代目女将が切り盛りする、カウンターだけの隠れ家的な店です。派手なPRはしておらず、常連さんとの繋がりや居心地の良さを大切にしているため、店内はアットホームな雰囲気が満ちています。

カウンターの中の大鍋には、たくさんの食材が並びます。「ハトヤかまぼこ」を中心に「ヤマサ蒲鉾」といった地元メーカーの練り物、契約農家からの大豆にこだわった「真心とうふ」、定番の大根やとろとろのロールキャベツ、黄身が濃厚でコク深いブランド卵「高砂の夕日」など、播磨の豊かな食文化を味わえます。

おでんの前に、まずいただいたのは、梅やシソをトッピングした爽やかな冷奴。女将特製の一品料理も魅力的です。お酒は姫路の銘酒「龍力(たつりき)」を選びました。力強くもすっきりとした味わいの地酒は、おでんとの相性も抜群です。

お酒を飲みながら3品くらいずつを何度かお代わりするのが常連さんの粋なスタイル。私はあまりにも美味しそうだったので、5品を一度に注文しました。

『いち佳』のおでんは、もちろん生姜醤油をつけていただくのもいいのですが、実は出汁の旨味も捨てがたいのです。そのため、まずは何もつけずにそのまま食べて、出汁本来のやさしく深い味わいを感じてみるのもおすすめです。もちろん、そのあとに生姜醤油をたっぷり絡めれば、ピリッとしたアクセントで箸が止まらなくなります。

透きとおった出汁があまりにも美味しいので、スプーンをお借りしてすべて飲み干しました。こうして出汁まで堪能していくお客さんが案外多いそうです。

夏にはトマトやオクラなど、みずみずしい夏野菜の『冷やしおでん』も登場。すっきりした涼味は、デザート感覚でいただけます。

なお、『いち佳』ではおでんへのこだわりや夏の暑さを考慮し、夏季(例年8月頃)に約1カ月間の長期休業期間が設けられています。夏場に足を運ぶ際は、事前に営業状況を確認し、席の予約をしてから訪問するのが確実です。

店名

いち佳

住所

姫路市白銀町78野中ビル1F

電話番号

079-224-2867

営業時間

18:00~22:00

定休日

日曜・祝日 ※8月は休み

アクセス

山陽姫路駅から徒歩約5分
JR姫路駅から徒歩約8分

『姫路おでん』を味わい尽くす

生姜醤油という、地元ならではの素材と知恵から生まれた『姫路おでん』。そのさっぱりしつつコク深い味わいはきっと想像以上です。すりおろした生姜の量や醤油の種類によって、店ごとに味は違うので、姫路を訪れた際は、ぜひ本場の味を体験してみてください。

※2026年6月時点の情報です。

姫路おでんに欠かせない生姜醤油も取扱い、姫路駅前「MONZEN(モンゼン)」

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