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灘の生一本に欠かせない宮水で有名な西宮郷。白鹿クラシックスと酒ミュージアムに大人の遠足はいかが

辰馬本家酒造株式会社

阪神間は「灘の生一本」と呼ばれるおいしいお酒で有名です。中でも「宮水」で知られる西宮郷で、清酒・白鹿で有名な辰馬本家酒造株式会社は、ショップ・レストラン「白鹿クラシックス」を運営されています。また、酒造りの歴史を学べる「酒ミュージアム」も隣接しています。

いまも酒造りの要、宮水の井戸

宮水発祥の地の碑
宮水発祥の地の碑

阪神間はお酒の名所、灘五郷として全国的に有名です。なかでも西宮郷で汲み上げられる「宮水」は、酒造りに好適な名水として広く知られています。 宮水は六甲山地から流れる3つの伏流水が合わさったもので、発酵を促すミネラルを多く含む一方、品質に悪影響を及ぼす鉄分が少ないという特徴があります。今も西宮市内の限られた場所にある井戸で汲み上げられ、酒造りに用いられています。

白鹿の宮水井
白鹿の宮水井

新幹線や高速道路の建設をはじめとする土木工事を行う際には、地下を流れる伏流水を遮断しないよう配慮されました。かけがえのない宮水を守るため、西宮市では2018年(平成30年)から宮水保全条例が施行されています。

臨港線沿いの「白鹿」辰馬本家酒造株式会社

阪神西宮駅の南、国道43号の南側には今も有名な酒造メーカーがたくさん有ります。このエリアを東西に走る臨港線沿いに、辰馬本家酒造株式会社(たつうまほんけしゅぞうかぶしきがいしゃ)があります。
創業1662年(寛文2年)、360年以上続く老舗で、清酒・白鹿を製造・販売しています。

かつて有った白鹿の大きな電飾看板
かつて有った白鹿の大きな電飾看板
阪神電車の辺りからも見えていました
阪神電車の辺りからも見えていました

以前は巨大な「白鹿」の、赤くて丸い電飾看板が阪神電車からも見えましたが、西宮市の条例で2020年(令和2年)に撤去されてしまいました。
ショップ・レストラン「白鹿クラシックス」を臨港線沿いに展開されています。

ショップ・レストラン「白鹿クラシックス」

白鹿クラシックスのエントランス
白鹿クラシックスのエントランス
白鹿クラシックスのエントランス

「花と料理と日本酒と。」をテーマにしたレストラン、白鹿クラシックス。清酒・白鹿を介して、暮らしの中にちょっと贅沢な瞬間を体験できる空間です。2016年にリニューアルした店内は、木々を通した優しい日の光が届く、シックで落ち着いた雰囲気です。また、貸し切り利用ができるバンケットルームもあります。

店内の様子
店内の様子

その時々、ここでしか味わえない限定酒など、蔵元直送の銘酒。少しずつ楽しめる、飲み比べセットも用意されています。

飲み比べセット(白鹿クラシックス提供)
飲み比べセット(白鹿クラシックス提供)

ランチは11時から15時、ディナーは17時から21時30分までの営業で、定休日は月曜日と火曜日です。

お料理の一例(白鹿クラシックス提供)
お料理の一例(白鹿クラシックス提供)
メニュー(白鹿クラシックス提供)
メニュー(白鹿クラシックス提供)

またレストランに併設されたショップでは、しぼりたての原酒等ここ以外では買えない商品をはじめ、お酒や食品、酒器などを販売されています。こちらもぜひ、お立ち寄りください。

ショップの外観
ショップの外観
店内側からのショップ入り口
店内側からのショップ入り口
ここでしか買えない、しぼりたて原酒の計り売り
ここでしか買えない、しぼりたて原酒の計り売り
お酒はもちろん、グッズも充実しています
お酒はもちろん、グッズも充実しています

酒ミュージアム(白鹿記念酒造博物館)

酒ミュージアム(白鹿記念酒造博物館)

日本にただ一つの日本酒とさくらの博物館。白鹿クラシックスに隣接する酒ミュージアム(白鹿記念酒造博物館)は、1982年(昭和57年)に開館しました。

酒蔵館
酒蔵館
記念館
記念館

記念館と酒蔵館の二つの建物に分かれています。
酒蔵館は、1869年(明治2年)に建てられた辰馬本家酒造旧本蔵を利用して、伝統的な灘の酒造りの工程を追って見学できるように展示されています。

酒蔵館のエントランス
酒蔵館のエントランス
旧い酒蔵の建物を利用しています
旧い酒蔵の建物を利用しています

お米を蒸したり、発酵させたり、搾ったり、貯蔵したり。本物の酒造の道具の展示のほか、映像なども見ることができます。また、この辺りは1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたエリアです。館内の一角には、その当時の爪痕をそのまま残して今に伝える展示もあります。

酒蔵館の展示。工程に沿って、本物の道具が当時のままに展示されています
酒蔵館の展示。工程に沿って、本物の道具が当時のままに展示されています
阪神淡路大震災直後の様子
阪神淡路大震災直後の様子

記念館には、企画展示室、酒資料室、笹部さくら資料室の3つの展示室があります。

当時の桶を実際に持ち上げてみるコーナー
当時の桶を実際に持ち上げてみるコーナー

酒資料室では、日本酒の歴史や文化を伝える様々な資料や美術品、酒器などが展示されています。年に2回、展示内容が入れ替えられます。
企画展示室では、所蔵する美術工芸品から、季節ごとのテーマ展示を行っています。年末年始には、西宮神社で有名なえべっさんにまつわる展示、また、3月にかけてはひな人形も展示されます。

記念館の展示の様子
記念館の展示の様子

そして笹部さくら資料館では、西宮市から寄託された、桜にまつわる美術工芸品や研究資料が展示されています。日本古来の山桜や里桜の保護、育成に生涯をかけて取り組んだ故・笹部新太郎氏が収集したもので、「笹部さくらコレクション」と呼ばれています。氏は生前、NHKの連続ドラマのモデルになった植物学者牧野富太郎博士とも交流があり、現在(2023年11月20日まで)はお互いに送り合った書簡や年賀状なども展示されています。

おいしい日本酒を嗜んで、文化に触れることができる「白鹿クラシックス」と「酒ミュージアム」。気の置けない仲間と一緒に大人の遠足はいかがでしょうか。

補足・宮水とは
【宮水は西宮神社の南東側一帯(久保町や石在町など)から湧き出しており、おおむね地下2~5メートルの浅い地層を流れている地下水です。宮水地帯には3つの伏流水が流れており、かつて海であった地域を流れる「法安寺伏流」「札場筋伏流」は、酒の発酵を助けるカリウム、リンなどを多く含みます。一方、夙川を起源とする「戎伏流」は酸素を多く含み、水中の鉄分を酸化鉄として沈殿させて除去します。これらの伏流水が合流することでミネラルが豊富で鉄分が少ない、酒造りに適した「宮水」となっています。】
(西宮市のホームページより)

(ライター 小嶋)

※本記事は2023年11月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

白鹿クラシックス

住所兵庫県西宮市鞍掛町7番7号
電話番号ショップ:0798-35-0286
レストラン:0798-35-0001
営業時間ショップ 10:00〜18:00
レストラン
【ランチ  平日】11:00〜15:00(L.O.14:30)
【ランチ 土日祝】11:00〜15:30(L.O.14:30)
【ディナー 終日】17:00〜22:00(L.O.21:00)
定休日ショップ:火曜日
レストラン:月・火曜日
アクセス・阪神西宮駅より徒歩約15分またはタクシーで約5分
・JR西宮駅/阪急西宮北口駅より阪急バス「朝凪町」行「東町」下車、徒歩約5分
・阪急夙川駅よりタクシーで約10分
駐車場あり(無料)
HPhttps://classics.hakushika.co.jp/

ライター 小嶋あきら

猫とベスパが大好きな、ちょっと写真も撮れるライター。前回の万博をおぼろげながらに記憶している、そんな世代です。こわい話は好きだけど実はかなり真剣におばけはこわいです。兵庫県西宮市在住。

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