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西宮と甲子園にちなんだお菓子を作り続けるパティスリー『ベルン』

『ベルン』

1968(昭和43)年創業、初代が夫婦2人で鳴尾に4坪半の店を構えてから55年、『ベルン』は、現在西宮市内に4店舗あります。西宮という地域に密着し、地域とともに、という考えが現れたお菓子の数々。「お菓子を通して地域や家庭に“愛(心)”を届けたい」と、父の思いを受け継いだ倉本洋一社長がさらに挑戦を続けています。西宮にゆかりがある人にとって『ベルン』のお菓子は、思い出やお気に入りがある、特別なものかもしれません。

長年愛されている定番のケーキ

『アップルパイ』(380円)
『アップルパイ』(380円)

甘酸っぱく煮たリンゴとしっとりしたスポンジが口の中にやさしく広がる昔ながらのアップルパイは、初代の頃から変わらぬ人気です。

『チーズスフレ』(380円)
『チーズスフレ』(380円)

『ベルン』の『チーズスフレ』は甘さ控えめで、ほっとする味。しゅわっとくちどけのいいスフレに甘酸っぱいナパージュ、底に潜んだラムレーズン、それらとチーズの風味のバランスがとても良いのです。

季節のフルーツを使ったケーキ

イチゴやブドウなど、季節のフルーツを使ったケーキも常時並んでいます。クリーム類がとっても軽くて食べた後もすっきり。これは初代からの伝統で、砂糖を控えめにして、幅広い層に愛される味を目指してのことだそうです。

思いを込めた贈り物にぴったりのオリジナル菓子

『焼きドーナツ』(1個200円、5個入り850円)
『焼きドーナツ』(1個200円、5個入り850円)

『焼きドーナツ』というネーミングは『ベルン』が最初だと言われています。兵庫県産の小麦粉、上質なバター、たっぷりのこだわり玉子を原材料に、きめ細やかでしっとりと焼き上げてあっさり食べられるドーナツは、年配の人にも喜ばれています。

『心サブレ』(10枚入2,250円)
『心サブレ』(10枚入2,250円)

丸いハート型のサブレにナッツで「心」の文字をかたどった『心サブレ』は、「贈る相手への思いをのせた」お菓子です。渋みのあるクルミはフランス・グルノーブル産、アーモンドは美しい形のアメリカ産、香りと旨みが強いカシューナッツはインド産、鮮やかな色で香ばしい風味のピスタチオはシシリー産を選んでいます。

『えびすかすてら』(2,000円、風呂敷包み2,400円)
『えびすかすてら』(2,000円、風呂敷包み2,400円)

六甲の天然ハチミツをたっぷり使った『えびすかすてら』の名前は、「A BEE’S(蜂)」にかけたネーミングだそう。地元の西宮戎神社にもちなんでいるのでしょうか。天然ハチミツの濃厚な甘さを生かした生地が、しっとりと香ばしく焼き上げられています。地元のお祝い事に用いられるお菓子で、リバーシブルの風呂敷に包んだタイプもあります。

甲子園をテーマにした銘菓

『夢マドレーヌ』(ブック型ギフトボックス プレーン5個入り1,200円)
『夢マドレーヌ』(ブック型ギフトボックス プレーン5個入り1,200円)

『夢マドレーヌ』はグローブ型のマドレーヌ。「YUME(夢)」は、「YouとMe」、「あなたと私」の意味を語呂合わせしたそうです。「キャッチボールは一人ではできません、同じように夢も自分だけで叶えられるものではなく、家族や仲間の支えがあってこそ。家族や仲間と一緒にグローブで夢をつかみ取ろう、という思いを込めました」と倉本社長。

『甲子園サブレ』(10個入り1,080円)
『甲子園サブレ』(10個入り1,080円)

発売から半世紀以上愛され続けている『甲子園サブレ』は、サクッとした口あたりとアーモンドの風味がやさしくて、つい手が伸びます。手土産の代表格ですが、自宅で食べるご近所さんも多いのです。

『甲子園サブレ』

『ベルン』本店は甲子園球場から徒歩約12分です。甲子園口店、浜甲子園店も甲子園エリアにあり、高校野球や阪神タイガースの熱戦を間近に感じる場所。『甲子園サブレ』は甲子園観戦の記念にしたり、地元の人が他府県に行く際に手土産にしたりする人気の品です。

西宮の大学とのコラボレーションで生まれたお菓子

『想いdeキャッチボール』(5個入り1,500円)
『想いdeキャッチボール』(5個入り1,500円)

『想いdeキャッチボール』は、『ベルン』が初めて武庫川女子大学とのコラボレーションで作ったお菓子で、大学側がパッケージデザインを担当しました。しっとりとしたバターケーキは、いちじくのやさしい甘さとプチプチ食感が特徴です。

倉本洋一社長
倉本洋一社長

「中身は父から教わったバターケーキ『マドモアゼル』をアレンジしたもので、父は先輩から教わったそうです。子どもの頃、父や兄とキャッチボールをしたことを思い出し、それぞれの想いをキャッチボールのように受け継いで行くイメージで作りました。先輩~後輩~父~私へキャッチボールされたレシピに、自家製のいちじくコンポートを加えて新しい食感を生み出しました。銀紙に包んで昔ながらの特殊な製法で焼き上げたデリケートなお菓子です」と倉本社長。

『甲子園ほろほろクッキー』(イチゴ、バニラ、チョコ/750円~)
『甲子園ほろほろクッキー』(イチゴ、バニラ、チョコ/750円~)

西宮の鳴尾地区は、明治から昭和初期にかけてイチゴの一大産地でしたが、現在作っている農家は1軒だけ。この鳴尾イチゴを復活させたいと取り組んでいる武庫川女子大学教育学部の酒井達哉ゼミと共同で開発したお菓子が『甲子園ほろほろクッキー』です。淡いピンク色のクッキーが、口の中でさくっと崩れて甘酸っぱい苺の味が広がります。(鳴尾イチゴを一部使用したものにはその旨を記載したシールが貼ってあります)

『ココチョコサンド』は、バレンタイン、ホワイトデーの時期に限定販売予定
『ココチョコサンド』は、バレンタイン、ホワイトデーの時期に限定販売予定

『ベルン』、『関西学院大学生』、ココナッツオイルの『ココウェル』とのコラボで2022年に生まれたのが、『ココチョコサンド』です。『ココウェル』はフィリピンの貧しい農村のココナッツを現地の産業にして職を生み出すとともに環境を守ることを目指している企業です。

『ココチョコサンド』を一緒に開発したメンバー
『ココチョコサンド』を一緒に開発したメンバー
関西学院大学(KGコネクターず)の皆さん
関西学院大学(KGコネクターず)の皆さん

三者が力を出し合った企画がバレンタイン商品としてデビュー。生クリームの代わりに有機エキストラバージンココナッツオイルを使った生チョコを、ココナッツをたっぷり使ったクッキーでサンド。クッキーのサクッとした食感とキレの良い口どけの生チョコの味わいが話題になりました。

『ベルン』は西宮で歴史を重ねていく

甲子園本店
甲子園本店

西宮で生まれ育ち、大学時代をアメリカで過ごした倉本社長。いろんな文化が混ざり合ったアメリカで暮らしたことで、これまでの形にこだわることなく、新しいエッセンスを取り入れることに抵抗はありません。とはいえ、子どもの頃から間近に見て、父から受け継いだお菓子の味も守り続けています。

甲子園本店の店内
甲子園本店の店内

来年、2024年に甲子園球場は100周年を迎えます。地元としてもよろこばしいことなので、記念の特別セットも企画しているそうです。

スイーツ激戦区の西宮に住んで35年になる私が最も利用しているパティスリーが『ベルン』です。理由はやっぱり美味しいから安心して選べること。ケーキはもちろん、プリンやシュークリームも地元のおもたせでも喜ばれるし、他府県に行く際には「甲子園」という名前が入った焼き菓子を選べば、インパクトと「おいしい!」というコメントがもらえて贈る側もうれしくなるのです。

(ライター 松田/ウエストプラン)

※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

ベルン甲子園本店

住所兵庫県西宮市学文殿町1-8-19
電話番号0798-47-4958
営業時間9:30〜20:30
定休日なし
アクセス阪神鳴尾駅から徒歩約7分
駐車場あり(4台)
HPhttp://www.bern.co.jp/
SNShttps://www.instagram.com/cakehouse.bern/

株式会社ウエストプラン

松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。

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