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「愛犬と」「スポーツサイクルで」訪ねる西国三十三所二十五番霊場、播州清水寺

播州清水寺 仁王門。すぐ前に神姫バスのバス停があります
仁王門。すぐ前に神姫バスのバス停があります

兵庫県加東市にある播州清水寺は、西国第二十五番札所、天台宗のお寺です。かつてこの地方は水に恵まれなかったのですが、仙人や水神に祈ったところ霊泉が湧き出したといいます。これが「清水寺」の名前の由来とされます。 緑豊かな山内にはドッグランもあり、荘厳な中にも親しみやすさの溢れる名刹。零れんばかりの新緑が美しい五月の晴れた日に訪れてみました。

ゲートから仁王門まで、約3キロのドライブウェイ

県道311号沿いにある案内
播州清水寺 入山ゲートはドライブウェイ風
入山ゲートはドライブウェイ風

兵庫県道311号に面して「播州清水寺」の看板があります。案内に従って入っていくと、程なく入山ゲートが見えてきます。なんとなく比叡山とか伊吹山辺りのドライブウェイの料金所みたいなゲートですが、ここで入山料500円を納めます。

 「仁王門までだいたい3キロほどです」

窓口の方にそう言われて、ハッとしました。そうなんです、この先は公道ではなくてお寺が管理する道路、プライベートなドライブウェイなんですね。ここの通行料と駐車場、その管理なんかを考えると全て含んでいる「入山料」はかなり安く感じます。

ゲートから1.2km付近。季節によって様々な彩りが楽しめそう
ゲートから1.2km付近。季節によって様々な彩りが楽しめそう
歩行者は別に登山道があります
歩行者は別に登山道があります
ヘアピンカーブ
ヘアピンカーブ
道路脇のお地蔵さん
道路脇のお地蔵さん
広々とした駐車場
広々とした駐車場

道幅はそう広いわけではありませんがしっかり対面二車線キープされていて快適です。結構な勾配で、途中にはヘアピンカーブもあります。
ここは自動車専用で、歩行者は入れません(歩行者用には別の登山道があります)。以前は自転車もNGでしたが、令和2年4月12日からスポーツサイクルに限って通行が解禁されました。「スポーツサイクル」と限定されてますが、敢えてママチャリでこのエリアまでやって来てこの坂を登ろうという人はたぶん居ないような気がするので、実質「自転車ウェルカム」ということなんでしょうね。
つづら折れの山道を進んでいくと、広い駐車場と仁王門が見えてきました。

わんこ連れの参拝者が多く、和やかな雰囲気

播州清水寺 新緑の道。石垣沿いに進みます
新緑の道。石垣沿いに進みます
播州清水寺 立派なドッグランがあります
立派なドッグランがあります

仁王門を入って、石垣沿いを進んでいきます。五月の、零れんばかりの新緑が目にまばゆいです。しばらく行くと左手の下の方にドッグランが見えてきます。「山のお寺のドッグラン」と名付けらて、しっかりと柵で区切られています。
わんこウェルカムなお寺ということで参拝される方もわんこ連れが多く、人と人の間にわんこが居ることで、自然と「こんにちはー」という挨拶が生まれる、そんな空気が醸し出されているような気がします。

薬師堂、大講堂、根本中堂、多宝塔跡。アップダウン多し。

播州清水寺
播州清水寺
播州清水寺 薬師堂の中。十二神将が護っています
薬師堂の中。十二神将が護っています

ドッグランの先に見えてくるのが薬師堂。道内にはちょっとモダンな感じの十二神将が並んでいます。「せんとくん」の作者として知られる東京芸大の藪内教授作なんだそうで、撮影OKになっています。

播州清水寺 放生池手前の洗心甘露水
放生池手前の洗心甘露水
播州清水寺 大講堂
大講堂
播州清水寺 大講堂の中からの眺め
大講堂の中からの眺め

薬師堂の先、放生池を挟んで大講堂があります。千手観音像が見守る講堂内に入ると、ちょっと空気が変わります。こちらでは様々な種類の御朱印が受けられるほか、お守りなどの各種アイテムも揃っています。
令和2年から道路がスポーツサイクルに開放されたのをうけて、サイクリスト向けのお守り(2,000円)も用意されています。自転車のフレームの、ボトルホルダーの部分に取り付けられる金属製のお守りです。

播州清水寺 スポーツサイクル御守(2,000円)
スポーツサイクル御守(2,000円)
播州清水寺 ご詠歌の御朱印
ご詠歌の御朱印
播州清水寺 御朱印
御朱印
播州清水寺 目がかわいい猫みくじ(400円)
目がかわいい猫みくじ(400円)
播州清水寺 鐘楼
鐘楼
開運の鐘。お賽銭を100円納めると衝くことができます
開運の鐘。お賽銭を100円納めると衝くことができます

大講堂の横からは、ちょっと長い石段が続きます。地蔵堂、鐘楼を経て、ずっと登っていくと根本中堂。ここには十一面観音像がいらっしゃいます。
根本中堂の奥、さらに少し登ったところには石の基壇が並ぶ広場があります。そこだけぽっかりと林が開けて、青空が見えます。ここにはかつて壮大な多宝塔があったのですが、昭和40年の台風で壊れてしまったのだそうです。仁王門もこの時に倒壊してその後再建されたとのことですので、この時の台風の被害はかなり大きかったのでしょうね。

根本中堂。中に入ることができますが撮影はNGです
根本中堂。中に入ることができますが撮影はNGです
多宝塔の跡
多宝塔の跡

森の中にたたずむ「山の上の引退ポスト」

引退ポスト。静かな山の中にぽつんとたたずんでいます
引退ポスト。静かな山の中にぽつんとたたずんでいます

播州清水寺で少し有名なスポットに「山の上の引退ポスト」があります。緑の濃い林の中にたたずむ、昔懐かしい円筒型の郵便ポスト。なんとなくシュールな、まるでアニメのワンシーンにありそうな不思議な雰囲気です。もちろんここに手紙を入れてもどこにも届きませんが、なんとなくこの世ならざるところへ届きそうな、そんな気分になります。ポストの下の方の開口部分には、お賽銭がいっぱいです。何か御利益があるのかも知れません。信心すれば郵便物が何十分か早く届くとか。……微妙なとこですねー。

お賽銭がいっぱい
お賽銭がいっぱい

売店の屋上が展望台? 山菜そば・うどん定食は売り切れ注意

売店「清水茶屋」
売店「清水茶屋」
地元のお土産物
地元のお土産物

さて、お参りも済ませたのでご飯を食べて帰ることにします。仁王門の近くに売店があって、うどん、そば、おでんなどが食べられます。山といえば山菜、せっかくなので「山菜そば定食」(820円)を頼みました。これがまた素朴な味なんですが、なかなかおいしいんですよ。

山菜そば定食。お昼を回ると売り切れになることが多いようです
山菜そば定食。お昼を回ると売り切れになることが多いようです

そしてこの売店の上には「展望台」があります。昭和の空気をぷんぷん放っている「展望台」の文字、ちょっと心許ない感じに錆が回った昔のアパートみたいな鉄の階段を上ると、まさに売店の屋根そのまま感満点の展望台です。
たぶんここができた頃は見晴らしが良かったのだと思いますが、周囲の木々が生長して正直あんまり見晴らしは良くありません。しかしその隙間から、春霞の通して連なる遠くの山々が展望できました。

昭和テイストの入り口と、ちょっと心許ない階段
昭和テイストの入り口と、ちょっと心許ない階段
上がってみれば、まさに「茶店の屋根の上」のそのまんま感が素晴らしい
上がってみれば、まさに「茶店の屋根の上」のそのまんま感が素晴らしい
そして、展望台からの眺め
そして、展望台からの眺め
昭和っぽい商品と、無料貸し出しの車いす
昭和っぽい商品と、無料貸し出しの車いす
わんこのためのお水も用意してくれています
わんこのためのお水も用意してくれています
スタンプラリーも開催されてます(2023年5月時点)
スタンプラリーも開催されてます(2023年5月時点)

標高552mの山頂に建つ播州清水寺。四季それぞれ美しい、素敵なスポットです。

(ライター 小嶋)

※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

播州清水寺

住所兵庫県加東市平木1194
電話番号0795-45-0025(8時〜17時まで)
営業時間8時〜17時
定休日なし
アクセス神姫バス 清水寺停留所 すぐ
駐車場あり(無料)
SNSFacebook https://www.facebook.com/bannshuukiyomizu/
Instagram https://www.instagram.com/bansyu_kiyomizudera/

ライター 小嶋あきら

猫とベスパが大好きな、ちょっと写真も撮れるライター。前回の万博をおぼろげながらに記憶している、そんな世代です。こわい話は好きだけど実はかなり真剣におばけはこわいです。兵庫県西宮市在住。

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