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播州・小野市の刃物文化が生んだ「本物の包丁」をおすすめしたい

包丁

兵庫県小野市は、お隣の三木市と並んで刃物の街として有名です。なかでも包丁は身近な家庭用刃物として手にすることも多く、食材を活かすも殺すも包丁次第。それだけ重要な調理器具です。播州刃物として本物の一品『播鍛/BANAKA(ばんか)』は切れ味鋭く、持ち手を考えたデザイン性も再現。一度手に取ると離せない一丁を金物文化と交えてご紹介します。

小野市・小野金物について

兵庫県の南部に位置する小野市は、「播州・播磨(ばんしゅう・はりま)」地方に属しており、県内最大の河川・加古川(かこがわ)の下流域にあり、豊かな自然や暖かな気候に恵まれ、四季折々の花々・自然が特徴です。
小野市の伝統工芸品として「そろばん」が有名。全国シェアの70%を締める一大産地で、小野市が誇る特産品ですが、今回ご紹介するのは「小野金物」です。

そろばん
小野市のそろばんは”播州そろばん”と呼ばれている

その昔、時代は江戸時代。全国の各藩には藩のお抱え刀工「藩工」がいて、藩主の一族や有力者は、こうした刀工に直接製作を命じたり、とくに著名な刀匠には「注文打ち」と称する個別の製作依頼をしたりしていました。 かつて「播磨国」(播州)とよばれた兵庫県南西部の中でも、小野市は、一柳家を藩主とした「小野藩」の城下町で、東隣の三木市とともに金物のまちとして栄えた地域。日本刀の原材料となる一級品の砂鉄を鳥取砂丘から採取して使っていたこと、三木市の丹生山付近でも鉄が採取されたこと、薪炭用の木材等が豊富にあったこと、さらに刀工が大勢いたことなどさまざまな条件が重なり、金物の生産向上につながり、今日の「小野金物」を築いたとされています。

家庭刃物として「はさみ・包丁・鎌」が誕生

 古文書によれば、延享年間に剃刀が製造されたのをはじめとして、文化年間(1804年~1818年)に握鋏(にぎりばさみ)、包丁の製造が開始されたと伝えられています。家内的工業として小野周辺に農家の副業として広がり、その後も生産技術の改良や機械化がすすみ、明治時代には品種が多様化。明治後期にはさや付けをしたナイフが開発され、小刀を改良した現在の包丁が誕生。  なかでも江戸末期に活躍した旧一柳藩の抱え刀鍛冶、藤原伊助は、剃刀の製造技術を応用して鎌を製造。「薄く研ぎやすい」「切れ味は最高で、刃こぼれも少なく錆びにくい」といわれ、その鋭利さが喜ばれ「カミソリ鎌」と呼ばれたほど。小野で生まれた鎌は今や「播州鎌」といわれ、全国の生産量の約8割を占め、兵庫県の伝統的工芸品に指定されています。

稲穂
兵庫県産・山田錦は酒米の王様とされている

小野市がある播州・播磨地方は、お酒の名産地・特に山田錦で作られた日本酒は数多くのファンを虜にしています。小野市の「家庭刃物」が栄えた歴史には、美味しい酒米造りのために、切れ味鋭い鎌が必要であった・・・。この点は想像に容易いのではないでしょうか?

包丁の重要性、もたらす効果とは

刃物と聞いて日常生活の中で身近なものは、「はさみ」・「包丁」ではないでしょうか?
特に取り上げたいのは「包丁」です。 みなさんは包丁にこだわりはありますか?料理をする方なら必要になる調理器具ですが、料理の良し悪しは包丁に左右されると言っても過言ではありません。

パイナップル
固いパイナップルにも鋭く切れ込む
パン
柔らかい食パンも綺麗にカットできる

例えば切れ味が悪い・素材が悪い包丁で食材(魚や野菜)を料理をした場合、魚だと旨みが無くなり苦味が増加、野菜も切るというよりかは押しつぶされるため水分が出たり・旨みが無くなってしまうと研究結果もあるようです。

味もそうですが、見た目も料理で肝心なところ。せっかく良い素材・良い味を再現していても見栄えが悪ければ、料理の値打ちとしてがくんと落ちてしまいます。
ここに料理人たちが包丁にこだわる意義があります。

鉄
職人が魂をこめて叩き上げる

職人が素材から一つ一つ丹精をこめて叩き上げる包丁は、他とは比べられない”切れ味”を生み出し、日本の伝統・食を支えているんですね。

「播州刃物」の結晶、本物の一丁『播鍛/BANKA(ばんか)』

そんな刃物まちの小野市と三木市の歴史が紡いだ包丁ブランドがあります。

イメージ
その名も『播鍛/BANKA(ばんか)』
包丁
洗練されたデザインは思わず手に取りたくなる

小野市にて昭和初期より播州・小野金物を専門に扱ってきた卸商社『河島産業株式会社(〒675-1335 兵庫県小野市片山町1058-1)』と、三木市で明治末期より鎌鍛冶として創業し、代々刃物作り一筋に取り組んできた『田中一之刃物製作所(〒673-0452 兵庫県三木市別所町石野923-9)』。この2社によってコラボし誕生した包丁ブランド『播鍛/BANKA』は、鋭い切れ味、錆や摩耗への強さ、美しく手に馴染みやすいデザインを表現し、播州の鍛冶職人が伝統的技術としなやかな感性を重ね合わせた本物の一丁。

集合イメージ
すべての工程が手作業で完成まで4日以上を要する

一丁完成まで4日以上を要し、すべて手作業で完成させるため、大量生産・安価で作られた刃物とは比べ物にならない「切れ味・扱いやすさ・持ちやすさ」そのすべてを高いクオリティで実現しています。手に馴染む感触、滑らかな切れ味を一度味わえば、「この包丁しか使えない」と感じるのではないでしょうか?

写真右側2本の柄は伝統色を使用

日本の歴史ある素晴らしい伝統技術を継承していくには、古いやり方にとらわれず時代にあわせてニーズにあうものを模索し続ける必要があります。地元で制作されている刃物で勝負したい、そして海外で包丁が人気があるということから、小野市でもともと制作されていた大工道具や鎌ではなく包丁づくりに挑戦された、というのがブランド誕生のきっかけ。

保管・持ち運びに便利な鞘付きの三徳包丁『さざ波』

『播鍛 / BANKA』の包丁には、「刃物は切れて当たり前。面白いものをつくってこそなんぼ」という田中氏の思いが存分に表れています。特徴的な刃紋や、柄に日本の和の伝統色である「牡丹色」「瑠璃色」を使用するなど、斬新な包丁がラインナップされています。自身が使うのはもちろん、特別な贈り物としても多くの方に選ばれています。

鍛冶の神「天目一箇神(あめのまひとつのかみ)」へ奉納

鍛冶の神とされる「天目一箇神(あめのまひとつのかみ)」を祀る「天目一神社」(兵庫県西脇市)にも『播鍛 / BANKA』を利用する人、携わる人の繁栄や愛される本物の一丁であるべく祈願し奉納もされています。

実際の奉納式にて
一流の職人が手打ちで仕上げる最高級の包丁。使う人を選ばない驚きの切れ味と扱いやすさ

「播鍛/BANKA」の名前に秘めた思い

包丁の産地といわれる、大阪・堺市や岐阜県関市、新潟県三条市に続くように、兵庫南西部の「播州」の包丁を、全国に広めたい。「播州の鍛冶技術」だけでなく、「播州を鍛える」=もっともっと盛り上げるという思いが込められています。梱包する箱などの資材も地元の小野市や三木市で調達し、包丁を巻く布地も、西脇で作られている麻布を利用しているそうです。

この「播鍛/BANKA」から、全国へ、海外へ、播州の刃物をもっともっと知ってもらいたいという思いが込められているんですね。

今回は衣食住の食を支える家庭刃物・とりわけ包丁がいかに重要かというお話でした。本物の包丁で豊かな食生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(編集部:西本)

播鍛 / BANKA (ばんか)

住所    【展示販売所】河島産業株式会社 〒675-1335 兵庫県小野市片山町1058-1
営業時間  9:00~17:00
定休日   土日祝
URL   https://www.banka.jp/

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