神戸の中心部から約30分のところにある『有馬温泉』。日本三古泉の一つに数えられる名湯として、豊臣秀吉など古くから多くの偉人が足を運んだとされています。そんな有馬の地には、「金泉」と「銀泉」と呼ばれる2種類の温泉が湧き出ています。ここでは、そんな『有馬温泉』の2つの温泉の違いや効能を解説。日帰り温泉が楽しめる『金の湯』、『銀の湯』、『太閤の湯』をご紹介します!


日本三古泉に数えられる『有馬温泉』の歴史は古く、『有馬温泉』の守護神として知られる「湯泉神社」の縁起によると、泉源を最初に発見したのは、大已貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二柱の神様だといわれています。この二柱の神様が有馬を訪れた際、三羽のカラスが水たまりで水浴びをしているのを見つけ、傷ついたカラスたちが数日後には元気になっていたことから、そこに温泉があると分かったと伝えられています。

『有馬温泉』の名が広く知られるようになったきっかけの一つが、飛鳥時代の天皇の行幸です。「日本書紀」の「舒明記(じょめいき)」には、631年に舒明天皇が有馬を訪れ、86日間滞在されたことが記されています。孝徳天皇も647年に有馬を訪れ、82日間にわたって滞在されたそうです。

また、多くの偉人が足を運んだ温泉地とも知られ、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉も湯治のため何度も通ったという記録も残っています。こうして長い歴史のなかで、多くの人々を癒やしてきた『有馬温泉』。そこで楽しめるのが、「金泉」と「銀泉」です。

金泉は、鉄分と塩分を多く含む温泉。湧き出したときは無色透明ですが、空気に触れることで鉄分が酸化し、赤褐色に変化します。この独特の色合いが、金泉の大きな特徴です。

一方の銀泉は、無色透明でさらりとした湯。炭酸泉とラドン泉があり、金泉とは異なる泉質を楽しめます。このように、同じ『有馬温泉』でも、金泉と銀泉では色や含まれる成分、泉質が異なります。それぞれの特徴を知ったうえで入浴すれば、2つの湯の違いをより楽しめそうですね。
見た目だけでなく、含まれる成分や泉質にも違いがある金泉と銀泉。せっかく『有馬温泉』を訪れるなら、それぞれの特徴を知ったうえで、実際に入り比べてみるのもおすすめです。

温泉街の中心部にある日帰り温泉施設『金の湯』では、「金泉」を楽しめます。赤褐色の湯に浸かりながら、有馬ならではの温泉をじっくり堪能しましょう。

浴室にも、『有馬温泉』ならではの趣向が凝らされています。男湯の「一の湯」は、有馬の伝統工芸品「有馬籠」や「有馬人形筆」などにも使われる竹をイメージした浴室。

女湯の「二のゆ」は、紅葉の名所として知られる瑞宝寺公園のもみじをイメージした浴室になっています。

施設の外には無料で利用できる足湯もあるので、観光の合間に気軽に「金泉」を体験したい人にもぴったりです。
兵庫県神戸市北区有馬町833
078-904-0680
8:00~22:00(最終受付21:30)
第2・4火曜(祝日営業、翌日休)、1月1日
神戸電鉄有馬線「有馬温泉駅」から徒歩約5分
なし

『金の湯』から徒歩約5分の場所には、無色透明な「銀泉」を楽しめる日帰り温泉施設『銀の湯』があります。2つの施設を巡って、金泉と銀泉の違いを実際に体感してみるのもいいですね。

浴室は、豊臣秀吉が入ったとされる岩風呂をイメージした造り。秀吉とねねが入ったとされる蒸し風呂をイメージしたサウナもあります。
兵庫県神戸市北区有馬町1039-1
078-904-0256
9:00~21:00(最終受付20:30)
第1・3火曜(祝日営業 翌日休)、1月1日
神戸電鉄有馬線「有馬温泉駅」から徒歩約5分
なし
『金の湯』『銀の湯』、どちらの施設にもシャンプー、コンディショナー、ボディソープが用意されていますが、タオルやバスタオルは別売です。持参して楽しむのもよし、手ぶらで気軽に利用するのもよし。
また休憩ロビーでは、有馬名物の「有馬サイダー」も販売しています。温泉でさっぱりしたあとは、湯上りに昔ながらのご当地サイダーも、ぜひ堪能してみてください!

「金泉も銀泉も一度に楽しみたい!」という人におすすめなのが、『有馬温泉』にある日帰り温泉施設『太閤の湯』です。

金泉と銀泉をはじめ、露天風呂など、男女合わせて26種類の温泉、岩盤浴、サウナ施設が揃う、有馬最大級の日帰り温泉施設。食事処や休憩スペース、リラクゼーション施設、売店なども充実しており、1日かけてゆっくり過ごせるのが魅力です。

館内には、『有馬温泉』を愛した豊臣秀吉にちなんだお風呂も。秀吉がつくったとされる「湯山御殿」をイメージした岩風呂や、秀吉の別荘「湯山御殿」の蒸し風呂を再現した「太閤の蒸し風呂」など、温泉に入りながら有馬の歴史にも触れられます。

なかでも注目したいのが、金泉と銀泉をブレンドした「天下の湯」。ブレンドすることで、「どちらも入りたいけど、湯あたりが心配」といった方でも入りやすくなっているそう。

温泉や岩盤浴でゆっくり汗を流したあとは、食事処で料理を味わったり、休憩スペースでマンガを読んだりと、過ごし方もさまざま。入館料には館内着やバスタオル、ボディタオルも含まれているため、手ぶら感覚で利用できるのもうれしいポイントです。『太閤の湯』は、金泉と銀泉の違いを実際に体感してみたい人はもちろん、有馬温泉でのんびり一日過ごしたい人にもぴったりの施設です。
兵庫県神戸市北区有馬町池の尻292-2
078-904-2291
10:00~22:00(最終受付21:00まで)
不定休
神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩10分 ※無料送迎バスあり
あり(200台)
赤褐色の「金泉」と無色透明な「銀泉」。見た目だけでなく、含まれる成分や泉質にも違いがあり、それぞれ異なる魅力があります。『有馬温泉』には、金泉を楽しめる『金の湯』、銀泉を楽しめる『銀の湯』、そして「金泉」と「銀泉」の両方を満喫できる『太閤の湯』など、日帰りで利用できる温泉施設も充実しています。『有馬温泉』を訪れた際は、それぞれの違いを楽しみながら、ゆっくり温泉に浸かってみてください。
(取材・文:YURINA)