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芸妓の踊りを鑑賞できる!有馬温泉街でカジュアルに楽しむ『芸妓カフェ一糸』

芸妓

関西の奥座敷といわれる神戸市北区の有馬温泉街には、県内で唯一芸妓文化が残っています。有馬にはかつては温泉客を世話する「湯女(ゆな)」と呼ばれていた人々がいましたが、1883年にその呼称が廃止され、「芸妓」が生まれました。そんな有馬芸妓の踊りやお座敷あそびを体験できるのが『芸妓カフェ一糸(いと)』です。芸妓と聞くと敷居が高そうなイメージがありますが、『芸妓カフェ一糸』はどなたでも気軽に利用できます。

兵庫県内で唯一芸妓文化が残る有馬温泉

写真提供:『芸妓カフェ一糸』
写真提供:『芸妓カフェ一糸』

芸妓の始まりは、300年ほど前の江戸時代。京都の八坂神社周辺で、神社やお寺に参拝に来た人々をもてなす「水茶屋」という茶屋にて、「茶汲女(ちゃくみおんな)」と呼ばれる女性たちが歌や舞を披露したことから広がったと伝えられています。有馬温泉では、温泉客を世話する「湯女(ゆな)」がいましたが、温泉浴場を洋館に建て替えることになった1883年以降、その呼称が廃止されることに。その後、歌や踊りを披露する芸妓となったといわれています。

写真提供:『芸妓カフェ一糸』
写真提供:『芸妓カフェ一糸』

ちなみに湯女の歴史は古く、有馬の湯女が史料に登場するのは室町時代です。江戸時代には、お土産として湯女の浮世絵が人気だったという話もあるそう。歴史が長い湯女を起源とする有馬の芸妓文化は、第1回神戸市歴史遺産認定されました。

芸妓文化を語る上で知っておきたいのが、「検番」と「置屋」の存在。芸妓が所属しているのが置屋で、置屋が集まってつくられたのが検番です。かつて有馬にも15軒ほどの置屋がありましたが、阪神淡路大震災をきっかけに置屋の数も減少しました。『芸妓カフェ一糸』の芸妓さんたちは、全員「有馬検番」と「田中席」に所属しています。

芸妓文化をもっと身近に!カジュアルに楽しめる『芸妓カフェ一糸』

『芸妓カフェ一糸』

『芸妓カフェ一糸』があるのは、神戸電鉄有馬線有馬温泉駅から徒歩5分ほどの場所。日帰り温泉「金の湯」の足湯横にある階段を上がり、小道に入ったところにあります。「気軽に有馬の芸妓文化に触れ合っていただきたい」との思いから、2015年に有馬検番の1階をリニューアル。常設舞台を設けたカフェバーとしてオープンしました。

『芸妓カフェ一糸』店内
『芸妓カフェ一糸』店内

コンセプト通り、敷居が高い現役の芸妓の踊りやお座敷あそびを気軽に楽しめる場だと観光客にも人気。女性や家族連れ、日本文化を学びたいという海外からのお客さまも多いそうです。観覧料は1人1,000円で、ワンドリンク(800円~)制。土・日曜限定で、日中は11:00〜15:00まで、夜は完全予約制で20:00~24:00まで営業しています。

ドリンクはコーヒーやソフトドリンクのほか、ビールやハイボールといったアルコールメニューも用意。おぜんざいやトーストセット、チーズケーキセット(数量限定)など軽食もあるので、観光の合間に休憩がてら立ち寄るのもおすすめです。

「お抹茶と和菓子のセット」(1,500円/数量限定)
「お抹茶と和菓子のセット」(1,500円/数量限定)

おもてなしをしてくれるのは、全員現役の芸妓さん。注文したドリンクやフードは芸妓さんたちが配膳してくれるのも嬉しいポイント。ビールを注いでもらえることもあるそうです。撮影料も料金に含まれているので、お願いすれば一緒に記念撮影もしていただけます。

舞台上に芸妓さん

時間になると舞台上に芸妓さんが登場。まずは、芸妓の歴史や着物、かつら、かんざしのことなどについての解説から始まります。

芸妓の一菜さん(左)と、一まりさん(右)
芸妓の一菜さん(左)と、一まりさん(右)
かつら

解説に耳を傾けていると、知らないことがたくさんあり驚きの連続です。ちなみに、かつらは重さ1Kg以上!客席まで来て実際にかつらが乗った台を持たせていただきましたが、ずしりと重みがあり、芸妓さんたちの大変さが垣間見えました。

かんざしの種類や挿し方についてのレクチャーも
かんざしの種類や挿し方についてのレクチャーも
2名の芸妓さんが披露する踊り

解説が終わったあとは、2名の芸妓さんが披露する踊りを鑑賞します。上品な所作で、指先までしなやかに踊る美しい姿に、うっとりと見惚れてしまいます。お茶やお酒をいただきながら、優雅な時を楽しみましょう。

用途に合わせて選べるプラン

写真提供:『芸妓カフェ一糸』
写真提供:『芸妓カフェ一糸』

『芸妓カフェ一糸』では、もっと有馬芸妓の踊りを楽しみたいという方向けにさまざまなプランを用意しています。グループだけで貸切って踊りなどを楽しみたい方には、「【貸切】有馬おどり鑑賞プラン」がおすすめ。所要時間は約60分で、有馬おどり鑑賞のほか、お座敷あそび、記念撮影、芸妓さんのお話に、抹茶と和菓子のセットがついたプランです。

【貸切】有馬おどり鑑賞プラン
場所:芸妓カフェ一糸
料金:1~5名 50,000円
   6~10名 70,000円
     ~15名 90,000円
     ~20名    120,000円
※事前予約が必要           

写真提供:『芸妓カフェ一糸』
写真提供:『芸妓カフェ一糸』

そのほか、有馬の夜を楽しみたい方向けの「芸妓Bar90分飲み放題ナイトプラン」や「リーズナブルに芸妓Barナイトプラン」も。それぞれ事前予約が必要なので、興味がある方はHPでご確認ください。

写真提供:『芸妓カフェ一糸』
写真提供:『芸妓カフェ一糸』

自分自身が芸妓になってみたい!という方は、芸妓体験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。現役の芸妓が着付けやメイクをしてくれるプランで、支度が終わったあとは温泉街を散策して写真撮影を楽しむことができます。

芸妓体験
場所:芸妓カフェ一糸(有馬検番)
料金:33,000円 
所要時間:メイクと着付けで約60分。散策、着替え終了まで合計2時間前後           

『芸妓カフェ一糸』

「現役の芸妓さんの踊りを鑑賞したり、お座敷遊びができるのは特別な方だけ…」といったイメージを持つ人は少なくありませんが、『芸妓カフェ一糸』はどなたでも利用でき、芸妓文化を身近に感じられる場所です。芸妓さんたちも気さくにお話してくださり、初めて訪れても気負うことなく利用できます。有馬芸妓の歴史や文化を学ぶことができるのはもちろん、優美な踊りを楽しめ、芸妓さんとの写真撮影までできる素敵な空間。有馬温泉の伝統芸を体験したい方に、おすすめのお店です。

(ライター 中田/ウエストプラン)

※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

芸妓カフェ一糸

住所兵庫県神戸市北区有馬町821
電話番号078-904-0197
営業時間11:00~15:00、20:00~24:00 ※夜は完全予約制
定休日月〜金曜、祝日
観覧料1,000円 ※ワンオーダー制 ※席料・写真撮影料金含む 
※お座敷遊びは、貸切時のみ
アクセス神戸電鉄有馬線有馬温泉駅から徒歩5分
SNShttps://www.instagram.com/arimageiko/
HPhttps://arima-geiko.com/

株式会社ウエストプラン

松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。

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