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北野の街のシンボル!ドイツ人貿易商のこだわりが詰まった邸宅『風見鶏の館』

『風見鶏の館』

神戸の人気観光スポットのひとつに、かつて外国人が邸宅を構えていた異人館が数多く残る「北野異人館街」があります。なかでもレンガ装飾の外観に、尖塔の上に立つ風見鶏が備わった『風見鶏の館』は、北野の街のシンボル的存在。ドイツ人貿易商ゴットフリート・トーマス氏の自邸だった建物で、主にドイツの伝統様式を取り入れた部屋を見学することができます。今回は、そんな『風見鶏の館』の見どころをご紹介。ここでしか買えないオリジナルグッズ情報もお届けします。

アクセスは、シティーループが便利

『風見鶏の館』

『風見鶏の館』があるのは、各線三宮駅または新神戸駅から徒歩15分ほどの高台です。シティーループを利用すれば、三宮駅方面からの上り坂も楽に移動でき、北野異人館停留所から徒歩5分です。シティーループは、神戸の観光スポットを巡るバスなので、神戸観光をするときにとっても便利!バスの乗り方や、乗り場、お得な乗車券などについてはHPを参考にしてくださいね。

参考:シティーループ神戸観光周遊バス

『風見鶏の館』には専用の駐車場がありません。車で行く場合は、周辺のコインパーキングを利用しましょう。

ドイツ人貿易商トーマス氏の自邸だった『風見鶏の館』

北野異人館街

北野異人館街には数々の異人館が残っていますが、なかでも『風見鶏の館』は街のシンボル的存在です。ガイドブックなどでも北野異人館街を訪れるときの「外せないスポット」として紹介されています。

『風見鶏の館』が建てられたのは、明治42(1909)年ごろ。建築主はドイツ人貿易商のゴットフリート・トーマス氏で、設計を担当したのは、明治時代後半から大正時代にかけて日本で活躍したドイツ人のゲオルグ・デ・ラランデ氏です。

トーマス氏一家の写真
トーマス氏一家の写真

この建物は、貿易商だったトーマス氏にとって商談相手などを招待する迎賓館的役割もあったそう。街のシンボルとも言われている外観をはじめ、館内をじっくり見ると、おもしろい造りがあちこちで見受けられます。

レンガ装飾の外観

まず、注目してほしいのが外観。レンガ装飾の外観は北野・山本地区に現存する異人館の中で、唯一のものです。レンガは一見イギリス積み風にデザインされ、当時の最新工法により施工されています。また、屋根部分はネオゴシック様式、その下の塔屋、2階部分はハーフティンバー様式、半地下の石積み部分は古典様式と、4つの様式が採用されています。

尖塔の上に立つ風見鶏

『風見鶏の館』といえば尖塔の上に立つ風見鶏が特徴のひとつ。この風見鶏には魔除けの意味があるほか、トーマス氏にとっては自邸の目印としての意味合いもあったといわれています。レンガ装飾の外観と尖塔の上に立つ風見鶏は、当時、海からもよく見えたそうで、船に乗って屋敷を訪れるゲストにも分かりやすいように、という意味もこめられているのだとか。

NHKの連続テレビ小説「風見鶏」

昭和52~53(1977~1978)年に放映されたNHKの連続テレビ小説「風見鶏」の舞台になり、一躍有名となった『風見鶏の館』。昭和53年には国指定重要文化財にも指定されました。なお、2023年10月1月から2025年3月31日(仮)までは、耐震改修工事のため長期休館になる予定です。建築当時の館内をじっくり見学できるのは9月30日までなので、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?

部屋ごとに意匠が異なる!館内の注目ポイント

館内

館内に足を踏み入れると、1階は部屋ごとに意匠が異なる豪奢な造りが目を引きます。先にも紹介した通り、この屋敷はトーマス氏が商談相手などを招いてもてなす迎賓館的役割もあったそうで、1階の内装はいたるところにトーマス氏のこだわりが感じられます。

食堂

例えば、こちらの食堂は、トーマス氏の故郷であるドイツ西部のストルツェンフェルス城をモチーフにしたと思われるデザインがあしらわれています。壁を保護する腰板上部のギザギザデザインは城壁を、頭上のシャンデリアは王冠をイメージしてつくられたもの。

城壁のようなデザイン
城壁のようなデザイン
朝食の間や寝室、子ども部屋などがある2階

一方、朝食の間や寝室、子ども部屋などがある2階は、とてもシンプルな造りです。あくまでも2階は一家のプライベートな空間なので、華美なものではなくシンプルに作られているとのこと。1階と2階を比べてみると、照明やドアノブの豪華さも異なっていることから、トーマス氏のポリシーが伺えるのもおもしろいポイントです。

1階居間のシャンデリア(左)と2階ビリヤード台専用の照明(右)
1階居間のシャンデリア(左)と2階ビリヤード台専用の照明(右)
正門にかけられていた表札
正門にかけられていた表札

ちなみに、この建物の所有者はこれまでに9回変わっています。10代目、現在の所有者は神戸市ですが、その前の所有者は華僑のための私立小中学校「中華同文学校」でした。今は、過去の写真をもとにトーマス氏が住んでいた頃を復現した内装になっていますが、かつては二段ベッドが置かれ、50名ほどの子どもたちが生活をする寮だったのだとか。それほど、たくさんの人々が生活できるくらい、十分な広さの邸宅であったことが、ここからもわかります。

『風見鶏の館』の見どころを紹介した解説

館内には、『風見鶏の館』の見どころを紹介した解説があちこちに置いてあるので、それをじっくり読みながら見学すると、より一層楽しめるでしょう。また、『風見鶏の館』についてもっと詳しく知りたいひとは、ツアー(各500円~、入館料別途)に参加するのがおすすめです。

バックヤードツアーで見学できる屋根裏
バックヤードツアーで見学できる屋根裏

2023年9月末までは館内に残る美術・工芸品を紹介する「アートツアー」やトーマス一家の暮らしぶりを紹介する「執事ツアー」のほか、兵庫テロワール旅特別ツアーの非公開エリアを見学できる「風見鶏の館&萌黄の館バックヤードツアー」・閉館後に館内を見学できる「神戸北野異人館 風見鶏の館&ラインの館 ナイトビューツアー」などが開催されます。特別な体験を楽しみたいひとは要チェックです。

参考:兵庫テロワール旅 in KOBE

   神戸北野異人館 「風見鶏の館」

ここでしか買えないオリジナルグッズも

2階にはショップが併設されており、『風見鶏の館』のオリジナル商品も並んでいます。来館の記念品やお土産をお探しの方は、立ち寄ってみましょう。

『コースター』(420円)

こちらの『コースター』(420円)は、神戸元町のレザーブランド「STUDIO KIICHI」が手がけた一品。高級感のあるレザーに、『風見鶏の館』のオリジナルロゴが刻印されています。色のバリエーションも豊富で、選ぶ楽しさがあるのも嬉しいポイント。

館のモチーフになっている風見鶏の刻印入り
館のモチーフになっている風見鶏の刻印入り

シンプルなデザインの『トートバック』も人気です。サイズは小(2,000円)と大(2,800円)の2種類あり、小バッグは紺と白の2色、大バッグは紺と白、茶の3色展開しています。

『オリジナルステッカー』(2枚で380円)
『オリジナルステッカー』(2枚で380円)

2023年10月1月から2025年3月31日(仮)までは、耐震改修工事のため長期休館になる『風見鶏の館』(工事の進捗状況等により、変更する可能性あり。外観は見学可能)。2023年9月末までは『クロージングイベント ~また会う日まで~』と題して、カウントダウンフォトスポットの設置や「風見鶏の館への想い展」「風見鶏の館 推し活講座」、クロージングセレモニー「また会う日を楽しみに」などのイベントも開催予定。この機会をぜひお見逃しなく!

(ライター 中田/ウエストプラン)

※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

風見鶏の館

住所兵庫県神戸市中央区北野町3-13-3
電話番号078-242-3223
営業時間9:00~18:00(入館は17:45まで)
※館内にトイレはありません。北野観光案内所のトイレをご利用下さい。
定休日6月、2月の第1火曜日(定休日が祝日の場合、翌日休)
入館料大人500円、高校生以下無料
※シティーループ1日乗車券持参の方450円
アクセス・各線三宮駅または新神戸駅から徒歩15分
・シティーループ「北野異人館」停留所から徒歩5分
駐車場なし
HPhttps://kobe-kazamidori.com/
SNShttps://www.instagram.com/kazami_rhine/

株式会社ウエストプラン

松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。

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