『すまうら水産』の直売所があるのは、三宮と明石の中ほどにあるJR須磨駅から徒歩1分のところ。目の前に広がるのは、夏は海水浴客で賑わう須磨海岸です。

『すまうら水産』では海苔の養殖を手がけており、毎年12月から翌年の4月までは神戸のブランド海苔である「須磨海苔」の製造を行なっています。海苔は海水温度が19℃以下でないと育たず、天候に左右されるため、養殖をするのも一苦労だそう。加工された海苔は、『すまうら水産』の直売所のほか、オンラインショップでも購入することができます。

また、『すまうら水産』では、須磨海岸にいけすを設置して2018年からサーモンの試験養殖を開始。2019年からは「神戸須磨サーモン」というブランド名で、サーモンの加工品の販売も始まりました。

実は、このサーモンは神戸ワインの搾りかすを含んだ特別なエサを食べて育てられているのだとか。収獲したサーモンは、フィレやスモークサーモン、みそ漬けなどの加工品として、神戸市内の飲食店にも卸しているそうです。

『すまうら水産』は海苔やサーモンの養殖、漁業事業以外に、潮干狩り事業やマリンレジャー事業を行なっています。

潮干狩りは毎年4月末から6月にかけて開設され、期間中は宝探しやタッチプールなど、小さな子どもでも楽しめるイベントも実施。会場は駅からすぐというアクセスの良さから、毎年多くの人が訪れて賑わっています。

7月から8月の海水浴シーズンには、パラソルや浮き輪の貸し出しなどを行なっているほか、直売所では水着などの海水浴グッズの販売も実施。

また、5月から10月にかけてはSUPのレンタルや体験レッスンも行なっています。SUPとはスタンドアップパドルボードの略。サーフボードに乗ってパドルを漕いで水面を進むもので、手軽に楽しめるといま話題となっているアクティビティです。

SUPのレンタルは1時間から可能。料金にはSUPボード、パドル、ライフジャケットレンタル料、更衣室・温水シャワー利用料も含まれているので、水着など濡れてもいい服を用意しておきましょう。

土・日曜、祝日限定で初めての人向けに行われている体験レッスン『初めてのSUP体験コース』（3,500円）では、まずビーチで基本的なSUPの乗り方のレクチャーを受けます。インストラクターを務めるのは、なんと現役の漁師さん！この辺りで獲れる魚や須磨海岸で見られる魚なども教えてくれるので、ぜひレッスンを受けながらおしゃべりも楽しんでください。

海上で座った状態でボードに乗ることができたら、今度は少し砂浜から離れた場所まで行ってみたり、ボードの上に立ってみたりと、いろいろチャレンジしてみましょう。

SUPの魅力のひとつは、立った状態でも移動できるところ。ぐるりと見渡すと海と山が見え、陸上とはまた違った景色を楽しむことができます。天気の良い日は、明石海峡大橋や淡路島がくっきりと見え、とても気持ちがいいのです。

体験レッスンの最後は参加者全員で記念撮影をしてもらえるので、家族や友だちなどグループでの参加もおすすめ。子どもは小学生から利用可能です。なお、小学生1名に対して大人1名の参加が必須で、小学4年生以上は大人の同乗なしでもオッケー。小学3年生以下の子ども1名でボートに乗ることはできません。

SUPをたっぷりと楽しんだあとは、直売所で販売されている商品をチェックしましょう。

『すまうら水産』が養殖した海苔やサーモンの加工品のほか、オリジナルTシャツやマリンアイテムなど店内は品揃え豊富。特に、海苔のパッケージはチャック付きで使いやすく、お土産にもおすすめです。

香り高い一番摘みの海苔を使用した『焼海苔』（500円）は、一番摘みならではの口どけの良さが自慢。少し濃い目のタレで味付けをしている『味付海苔』（500円）は白米との相性抜群で、何杯もご飯が食べたくなるおいしさです。

おすすめ商品は、ごま油と塩で味付けした『塩海苔』（550円）です。ごま油の香ばしい香りと、塩味がアクセントになって、お酒のおつまみにもピッタリのひと品。もちろん、ご飯ともよく合うので、おにぎりに巻いて食べるのもいいですね。

直売所では、この「須磨海苔」をトッピングした『塩海苔ソフト』（450円）が人気。ソフトクリームの味はバニラ、抹茶、練乳いちごに加え、季節限定のテイストが登場します。海を眺めながらいただくソフトクリームは、また格別です。

「神戸須磨サーモン」を加工した『神戸須磨そだちのスモークサーモン』（700円）は、サラダにするもよし、パスタに加えるもよし。お酒のお供に、そのまま食べてもおいしいので、ぜひ。

神戸市によって遊歩道も整備されるなど、更に利用しやすくなった須磨海岸。海水浴のイメージがあるかもしれませんが、『すまうら水産』には潮干狩りやSUPなど、夏以外でも楽しめる遊びがあります。直売所は1年中オープンしているので、海岸沿いを散策がてら、ふらりと立ち寄ってみるのもおすすめです。

（ライター　中田／ウエストプラン）