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元銀行をリノベーションした昭和の名建築『神戸市立博物館』

『神戸市立博物館』

各線元町駅から徒歩10分ほど、かつて外国人が住む街だった旧居留地エリアに『神戸市立博物館』があります。昭和期のレトロな趣たっぷりの建物で、建築好きにもおすすめのスポットです。大型の展覧会が催されることが多いのですが、高校生以下は無料なのもうれしいポイント。そんな『神戸市立博物館』の見どころや、常設展示、ミュージアムショップ、カフェ情報をご紹介します。

昭和期の名建築『神戸市立博物館』

『神戸市立博物館』

『神戸市立博物館』は、中央区にあった『神戸市立南蛮美術館』と、須磨区にあった『神戸市立考古館』を統合し、1982年に開館しました。

この建物はもともと横浜正金銀行(現在の三菱UFJ銀行)の神戸支店として使用されていましたが、リノベーションされ『神戸市立博物館』として生まれ変わったのです。昭和初期の名建築ともいわれ、1998年には登録文化財に。建築に興味のあるひとが訪れることも多いのだそうです。

神戸は古くから国際港都で諸外国との文化交流の窓口の役割を果たしてきたことをふまえて、博物館では「国際文化交流、東西文化の接触と変容」をテーマに展覧会等の活動を行なっています。

レトロな雰囲気ただよう建物

まず注目したいのは、レトロな雰囲気ただよう建物です。設計を担当したのは、日本人初の英国王立建築協会公認建築士となった桜井小太郎。正面には、古代ギリシャ建築様式の一つ「ドリス様式」が採用されており、上部がやや広がった円錐の柱がどっしりと6本並んでいます。

国宝桜ヶ丘銅鐸・銅戈や重要文化財ザビエル像を所蔵

貴重な所蔵品

『神戸市立博物館』には約7万点の館蔵品があります。そのうち国宝は1件21点、重要文化財は7件76点。なかでも国宝の「桜ヶ丘銅鐸・銅戈(どうか)」や、重要文化財の「聖フランシスコ・ザビエル像」は、貴重な所蔵品の一つ。2階のコレクション展示室(有料)には、これらを専用の展示室で見ることができます。

「桜ヶ丘銅鐸・銅戈」

「桜ヶ丘銅鐸・銅戈」は1964年に神戸市灘区桜ヶ丘町の山中で、土取りの作業中に偶然発見されました。国宝に指定されたのは、弥生時代中期から後期ごろに製作されたとされる14個の銅鐸と7本の銅戈がまとまって発見されたこと、銅鐸のうち4個の銅鐸には精巧な絵が表されているという芸術的な評価が高い点も理由に挙げられます。

銅鐸に描かれた絵もじっくりと見てみて
銅鐸に描かれた絵もじっくりと見てみて
「聖フランシスコ・ザビエル像」

重要文化財の「聖フランシスコ・ザビエル像」は、1920年に大阪府茨木市千提寺の民家で発見された絵画です。ザビエルといえば、日本にキリスト教を広めた人物。禁教によってキリスト教関連の品が破棄されたなか、このザビエル像は密かに難を逃れ、現代まで残った貴重な絵画です。

作品保存の観点から原品が公開されるのは1年のうちの、ごく限られた期間のみ。それ以外の期間はレプリカ展示となるので、本物を見てみたいひとは事前に公式サイトで実物展示期間を確認しておきましょう。

コレクション展示室

コレクション展示室では「美術」「びいどろ・ぎやまん・ガラス」「古地図」「考古・歴史」の4つの分野において、期間ごとにさまざまなテーマの展示も行っています。

コレクション展示室(2階)
料金 一般300円、大学生150円、高校生以下無料
   当日の特別入場券の提示で、一般200円、大学生100円
   ※割引は変更される場合あり(1階総合案内でご確認ください)          

1階の常設展示エリアは無料で見学ができる

「神戸の歴史展示室」

『神戸市立博物館』の1階には、無料で見学ができる常設展示「神戸の歴史展示室」があります。神戸の歴史を年代別に紹介しており、海や港とともに栄えてきた神戸がどのような歩みをたどってきたのかを学ぶことができます。

大輪田泊や兵庫津に関する展示エリア
大輪田泊や兵庫津に関する展示エリア
「地域文化財展示室」

「神戸の歴史展示室」内には、神戸の歴史をより深く知ることができる「地域文化財展示室」もあります(テーマは定期的に変わる)。実は、この「地域文化財展示室」は旧横浜正金銀行時代には、金庫があったという場所。入り口を見ると、壁が分厚いのがわかるでしょうか?大事な金庫があったところに、今は神戸の貴重な美術品が大切に展示されていると思うと、なんだか素敵です。

「神戸の歴史展示室」

「神戸の歴史展示室」内で、ぜひ見てほしいのが明治時代の外国人居留地と、昭和時代の旧外国人居留地の模型が並ぶ「開港 世界との交わり」エリア。資料を参考に作られた模型は、とても精巧で見応えたっぷりです。

建物はもちろん、人の姿もあるジオラマ模型
建物はもちろん、人の姿もあるジオラマ模型
「情報コーナー」

ほかにも、1階には神戸に関する書籍や資料が並ぶ「情報コーナー」や、子ども向けの「体験学習室」も無料で利用可能。

体験学習室
体験学習室

特に、「体験学習室」では銅鐸のレプリカを鳴らせたり、人物パズルなど体験しながら学べるアイテムが用意されており、社会科の勉強として訪れてみるのもおすすめです。

ミュージアムショップやカフェにも立ち寄ってみて

写真提供:『神戸市立博物館』
写真提供:『神戸市立博物館』

美術館を訪れたら、ミュージアムショップでお土産を買うのが楽しみというひとも、いるのではないでしょうか。『神戸市立博物館』にも1階にミュージアムショップがあり、こちらも無料で利用できます。

写真提供:『神戸市立博物館』
写真提供:『神戸市立博物館』

人気が高いのは「聖フランシスコ・ザビエル像」関連のグッズ。神戸市立博物館オリジナル商品も多く、一部はオンラインショップで購入することも可能です。

ミュージアムショップ
営業時間 平日9:30~17:30、金・土曜は~19:30
定休日 原則として月曜(祝日または休日の場合、翌平日)
    ※特別展によって異なる場合があります。
    ※年末年始のほか、整備休館など臨時に休館及び開館することがあります。           

写真提供:TOOTH TOOTH 凸凹茶房/凸凹ティーセット-さんく-

ミュージアムショップの隣にはミュージアムカフェ「TOOTH TOOTH 凸凹茶房(トゥーストゥース デコボコサボウ)」が併設されています。洋菓子に和のエッセンスを取り入れたオリジナルスイーツをいただきながら、ゆっくりとティータイムを楽しんではいかがでしょうか。

TOOTH TOOTH 凸凹茶房(トゥーストゥース デコボコサボウ)
営業時間 9:30~17:30(L.O.16:30)、金・土曜は~19:00(L.O.18:30)
定休日 休館日に準ずる        

写真提供:『神戸市立博物館』
写真提供:『神戸市立博物館』

大型の展覧会が定期的に開催されることもあり、遠方から足を運ぶ来館者も多いという『神戸市立博物館』。2023年7月22日(土)から2023年9月10日(日)までは、「特別展 神戸の文化財Ⅲ ~今伝えたい、私たちの宝・街・心・技~」が開催中。特別展も高校生以下は無料で見学できるので、子ども連れのファミリーにもおすすめです

(ライター 中田/ウエストプラン)

※本記事は2023年7月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。

神戸市立博物館

住所兵庫県神戸市中央区京町24番地
電話番号078-391-0035
営業時間9:30~ 17:30
(入館は17:00まで)
※特別展開催中の金・土曜は19:30
まで開館(入館は19:00まで)
※特別展によって開館時間が異なります。HPでご確認ください。
定休日月曜(月曜が祝日の場合は開館。翌平日に休館)
入館料・神戸の歴史展示室(1階):無料
・コレクション展示室(2階):一般300円、大学生150円、
高校生以下無料(当日の特別展入場券の提示で、一般200円、大学生100円)
※割引は変更されることがあります。1階総合案内にてご確認ください。
・特別展:展覧会によって異なる
アクセス各線三宮駅または各線元町駅から徒歩10分
駐車場なし
HPhttps://www.kobecitymuseum.jp/
SNShttps://www.instagram.com/kobemuseum/
https://www.facebook.com/kobemuseum/
https://twitter.com/kobemuseum

株式会社ウエストプラン

松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。

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