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大発見!『丹波竜』の化石が発掘された山南で、親子で恐竜の知識を深めよう
2006年に丹波市山南町で見つかった恐竜の化石が、のちに国内5例目となる新属新種に認定され、学名『Tambatitanis amicitiae(タンバティタニス アミキティアエ)』(以下『丹波竜』)と命名されました。丹波竜化石工房『ちーたんの館』では、『丹波竜』の全身骨格模型や発掘された化石を展示。模型や映像で恐竜に関する様々な情報を得られ、恐竜がいた約1億1千万年前の時代を体感できます。また、化石発見現場の近くで発掘体験もできます。
全長約15メートル、大迫力の『丹波竜』全身骨格
丹波篠山市と丹波市にまたがる篠山層群は、中生代前期白亜紀(約1億1千万年前)の地層だと推定され、多くの恐竜や哺乳類の化石が発見されています。その中でも大きく注目されているのが『丹波竜』です。新属新種である上に、尾椎や助骨などの化石がつながったままだったことや環椎や脳函という世界的に発見例が少ない部分も見つかったのです。
骨格模型から想像する恐竜の姿
館内には『丹波竜』のほかに様々な恐竜の骨格模型が展示されています。デイノニクスは、脳が大きいことから知能が高かったと推定される恐竜で、後肢にある4本の指のうち第2指には大きな鋭い爪があります。
ガストニアは、鎧竜類に属し、体の表面が鎧状の被骨(皮膚の中にできる骨)で覆われています。前期白亜紀に生息していたと考えられています。
タルボサウルスはティラノサウルス科に属する恐竜で、全長10メートルを超える大型肉食恐竜です。後期白亜紀にモンゴルと中国に生息していたと考えられています。
遊びながら恐竜に親しめる
ティラノサウルスとカマラサウルスの頭骨パズルは、解説を読みながらパーツをはめこんでいきます。案外大人も夢中になりますよ。
後期ジュラ紀に北アメリカで生息していたカマラサウルスの脛骨の実物化石です。20トンもの体重を支えていた後ろ足の骨の一部なのでずっしりと重くてびっくり。さわりごこちも直接感じてみてください。
化石発掘について知る
『丹波竜』発見当時の発掘現場を再現しています。発掘で現れた化石の状態をそのまま保存してあるので、発掘をよりリアルに感じられます。
実際に産出した化石を剖出技師がクリーニングしている様子をガラス越しに見学できます。顕微鏡で見ながら少しずつ石を削っていく緻密な作業です。
『ちーたんの館』では、恐竜をはじめとする古生物について知識を深めることができるセミナーやワークショップを開催しています。事前予約制ですのでHPで確認の上、お申し込みください。親子でも楽しめますよ。
『丹波竜』グッズをお土産に
売店には、恐竜をモチーフにした雑貨や丹波のマスコットキャラクター『ちーたん』のグッズが売っています。いろんな恐竜の模型や、自分で着色するペイントモデルが人気だそう。
丹波市限定販売なのが『丹波竜』のソフトモデル(1,500円)で、40分の1のスケールで作られています。
『ちーたんの館』の建物は、恐竜の頭と尻尾が飛び出して、インパクト大。時間があれば化石発見現場や化石発掘体験ができる『元気村かみくげ』まで足をのばしてみませんか。車で10分ほどの距離です。
入館料:大人(高校生以上)210円、小中学生100円、未就学児は無料
兵庫県内の小・中学生はココロンカード提示で無料
化石発掘体験をしたり、『丹波竜』発見現場を見てみよう
大きな丹波竜の実物大モニュメントがある『丹波竜の里公園』が目じるし。恐竜をモチーフにした築山の滑り台もあるので、子どもたちはここで遊べます。ベンチにも恐竜のモニュメントがあって、一瞬ドキッとしますが、絶好の「映え」スポットとして多くの人が写真を撮っています。
公園の横に『元気村かみくげ』があり、化石発掘体験ができます。発掘した化石は持ち帰れませんが、貴重な資料として研究が進められます。土・日曜、祝日の10時からは、野菜販売や恐竜グッズの販売があります。
化石発掘体験
開催日 | 土・日曜、祝日 |
時間 | ①10:00~10:50 ②11:10~12:00 ③12:50~13:40 ④14:00~14:50 ⑤15:10~16:00 ※12月~2月は①~④のみ開催 |
参加費 | 500円(大人・子ども共通) |
問合せ先 | TEL 0795-78-0001(上久下地域づくりセンター/月・火・水・金曜) TEL 0795-78-0003(元気村かみくげ/土・日曜、祝日) |
『丹波竜』の化石発見現場までは、『元気村かみくげ』から川沿いの遊歩道を歩いていくと、川代渓谷の美しい景色を楽しめます。最短ルートで行きたい人は、田んぼ側の道を歩きましょう。
300メートルほど下流に行くと、世界最小の恐竜卵化石密集産出地があります。この卵(学名ヒメウーリサス・ムラカミイ)は長径約45ミリメートル、短径約20ミリメートル、9.9グラムの重さだったと推定されています。なんだかかわいく思えますね。
『丹波竜』の化石の発見地は篠山川河床にあるため直接おりることはできず、展望広場から全景を見下ろします。岩肌には約1億1千万年前の地層がむき出しになっており、『丹波竜』の他にも多くの化石が発見されています。
旧上久下村営上滝発電所記念館は、大正11年に竣工し、昭和38年まで住民の生活を支えていた発電所で、国の登録有形文化財です。館内には建設時の資料や発電のしくみや、『丹波竜』に関する情報が展示してあり、入場無料で見学することができます。
楽しみながら、恐竜の分類や生きた環境、発掘の様子などの知識を得られる施設です。約1億1千年前、この地域に巨大な恐竜たちが生息していた様子を想像するとワクワクしますね。まだ発掘されずに地中深く眠っている化石があるかもしれません。発掘体験は大人も子どもも楽しめますよ。
(ライター 松田/ウエストプラン)
※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
丹波竜化石工房 ちーたんの館
住所 | 兵庫県丹波市山南町谷川1110(丹波市役所山南支所横) |
電話番号 | 0795-77-1887(丹波市 恐竜課) |
営業時間 | 10:00〜16:00(4月1日~10月31日までは17:00まで) ※最終入館は閉館の30分前 |
休館日 | 月曜(祝日の場合は翌平日) |
入館料 | 大人(高校生以上)210円、小中学生100円、未就学児は無料 ※兵庫県内の小・中学生はココロンカード提示で無料 |
アクセス | JR久下村駅から徒歩10分、谷川駅からタクシー、ウイング神姫バスで約5分 |
駐車場 | あり(193台) |
HP | https://www.tambaryu.com/ |
SNS |
株式会社ウエストプラン
松田きこ、かさはらみのり、中田優里奈、都志リサほか、兵庫県に精通した女性ライターが、観光やグルメ情報を中心に、阪神間や丹波・丹波篠山を縦横無尽に駆け回って取材します。