兵庫県加東市の山奥に、「山田錦専用の酒器」を作る陶芸工房「東条秋津窯」があります。ここで生まれる酒器は、山田錦を育てた田んぼの土を使い、山田錦の稲わらを焼いた灰で釉薬を作ります。つまり、器ごと山田錦です。酒米の王様で作られた日本酒を、酒米の王様の背景を宿した器で飲む。そんな体験ができるのは、山田錦の特A地区として知られる加東市秋津だからこそです。
本記事では、東条秋津窯の歴史、作家・藤村拓太氏の思い、山田錦の酒器が特別である理由、そして実際に参加できる陶芸体験までをまとめて紹介します。
日本酒を飲むとき、器を変えるだけで香りや口当たりの印象が変わることがあります。だからこそ、日本酒好きのあいだでは、酒器選びも味わいの一部として楽しまれています。
その一方で、「その酒の背景そのものを映した器」で味わう機会は、そう多くありません。東条秋津窯が手がける「山田錦の酒器」は、まさにその発想から生まれた酒器です。
山田錦を育てた土を使い、山田錦の稲わらから生まれた灰で仕上げることで、器そのものに地域の物語が刻まれます。単なるデザイン性ではなく、土地と酒米の個性ごと味わうための酒器になっています。
東条秋津窯は、兵庫県加東市秋津にある創業は昭和55年4月の陶芸工房です。
工房は自然豊かな秋津地区にあり、ガス窯や灯油窯に加えて登り窯も用いながら、普段使いの器からオーダーメイドまで幅広く手がけています。素朴であたたかみのある器づくりを大切にしている点が特徴です。
東条秋津窯の始まりは、父が薪で焼く登り窯の作品を作りたいと考え、芦屋市から自然豊かな加東市秋津へ移住したことが現在に至るとのこと。現在は兄•藤村元太氏と藤村拓太氏がその系譜を受け継ぎ、地域に根ざした作陶を続けています。
加東市は、山田錦の好適地とされる特A地区を多く抱える地域です。加東市産の山田錦は、全国100を超える酒蔵へ出荷される最高品質の酒米として知られています。
なかでも秋津は、土壌分析や気候分析の結果、山田錦栽培の理想地として評価されてきた地区です。加東市東条秋津は、山田錦の中でも特に高い評価を受ける産地として語られています。
また、東条産山田錦は全地域が特A地域として認定されているブランドとして情報発信されています。こうした土地で作られる酒器だからこそ、「山田錦のための酒器」という言葉に説得力が生まれます。
東条秋津窯のInstagramや体験紹介では、山田錦の田んぼの土と、山田錦の稲わらを焼いた灰を原料に酒器を制作していることが明記されています。これは東条秋津窯の核となる表現です。
この設計は、見た目の美しさだけでは終わりません。酒米が育った土地の素材を器に写し取ることで、日本酒を飲む体験そのものに土地の記憶を重ねています。
さらに、稲わらを活用する発想にはアップサイクルの視点もあります。地域資源を無駄にせず、新しい価値へ変える取り組みとしても、現代的な意味を持っています。
藤村拓太氏は、地元加東市に戻り、唐津焼・中川自然坊氏のもとでのもとで土作りから釉薬まで一から修得した陶芸家です。山田錦特A産地である秋津地区に工房を構え、産地の土と藁を原材料に使うというユニークな手法を確立しました。
「山田錦の産地で、山田錦を最高においしく飲むための器をつくりたい」
その思いが、田んぼの土と藁の灰釉薬という素材選択につながっています。産地の力そのものを器に封じ込めることで、山田錦の産地でしかつくれない酒器として、日本酒ツーリズムの核となる作品を生み出し続けています。
東条秋津窯の「山田錦の酒器」は、ぐい呑み・徳利をはじめとした酒器やうつわが制作されており、以下の場所で購入できます。
販売場所:
また、神姫バスが運営しLocalprimeでご紹介している地域事業者さんも多く取り扱っている「MONZEN」でも常設展示しています。
▷ MONZEN Himeji Local Gatewayはコチラ|姫路駅前徒歩1分の旅と日常のよりどころ
さらに、Localprimeとの連携により、体験予約だけでなく動画コンテンツ化も進んでおり、作家の思いや制作風景をオンラインで事前に体感することも可能です。
東条秋津窯の価値は、単に「おしゃれな酒器」ではありません。山田錦の産地で、山田錦の土と稲わらを使い、山田錦を楽しむための酒器を生み出している点にあります。
しかもその舞台は、加東市秋津という山田錦の特A地区です。土地、素材、作家、酒米、そのすべてがつながることで、他にはない体験価値が成立しています。
日本酒が好きな人にとって、器は脇役ではありません。東条秋津窯の酒器は、その一杯をもっと深く味わうための、もうひとつの主役です。
山田錦の土に触れ、山田錦の物語を器に刻む。 この土地でしか味わえない、特別な2時間がここにあります。 所要時間は約2時間、初心者でも安心です。 陶芸家・藤村拓太氏が丁寧に指導します。 完成した器は約1か月後、あなたの元へ。 自分で作った器で、加東産の日本酒を味わう贅沢を。
自分の手で、山田錦の酒器を作ってみませんか?
完成した器で飲む日本酒は、きっと格別の味わいになるはずです。
〒673-1302
兵庫県加東市秋津2001-175
昭和55年4月
10:00〜17:00
※※本記事は2026年5月時点で確認できた情報をもとに構成しています。予約条件や営業情報は変更の可能性があるため、最新情報は公式案内をご確認ください。